昭和学院秀英中学校 入試対策
2018年度「昭和学院秀英中学校の社会」
攻略のための学習方法
問題構成
大問6~7つが地理・歴史・政治経済におおむね2~3問ずつ振り分けられるパタ-ンが多いが、問題数や配点では歴史の比重が多くなっており、歴史重視の傾向がある。
解答数は40問前後。設問は最新年度では記号選択25問・適語記入11問・記述1問といった割合になっている。近年、記述問題も出されるようになった。
地理分野
地形や気候・産業や貿易など、幅広い分野からいろいろな問題が出される。地形図の読み取りやある地域にポイントを絞って詳しく訊くような問題もある。地理分野のあらゆる形の出題があると思って良い。
なかでも、資料が多く用いられる点は特徴的である。地図・グラフ・統計資料が多用され、模式図・歴史史料・写真なども使われる。過去にも産業の都道県別ランキング・都道府県別昼夜人口比率・雨温図など、様々な資料が提示されている。
特に、あまり見慣れない資料が使われる点に注意が必要である。2017年度でもカロリーベースの食料自給率・人口増減率・地域の月別日照時間・海抜高度別の面積割合など、他校ではあまり見られないデータ・統計が用いられている。統計の上位1~3位まで覚えていれば答えられるような単純な問題ではない。いわゆる難問・奇問の類ではないのだが、なぜそのような数値になるのか、背景や理由をその場で考えなければならないので、思考力が求められる。
まずは基本レベルの問題を落とさないよう、地名・地形・気候・産業などの基礎知識を固める。基礎知識は難しい問題の手がかりを探す土台ともなる。その上で多くの統計資料・グラフの読み取りを練習し、なぜそのようなデータになるのか、そのデータから予想される結果は何かなど常に考える習慣をもち、基本事項と関連させて知識に厚みを持たせよう。
知らない統計などが出された時にヒントを得られる情報を、少しでも多く頭に入れておきたい。
歴史分野
地理分野の難易度が高い傾向にある本校であるが、2016年度は歴史分野に難しい問題が多かった。年度により多少のばらつきはあるようである。
各時代の法令などの一つのテーマに沿った出題や、ある範囲の時代の地名・人物名・貿易・時代順の並べ替えなどを広く尋ねる問題など、歴史に関するあらゆる種類・内容の問題が出されている。
だいたい基本レベルの問題が多いので、テキストを丁寧に学習することが第一である。年代を問う問題も多いので、時代や年号を正確に覚え、年表などで流れもすぐ思い出せるようにしておこう。
政治経済分野
他の2分野と比べて問題数は少なめである。憲法や政治の仕組みと合わせて時事問題も出題されている。テキストで基本事項を覚えたら、直近の1~2年の重大ニュースをチェック
して、ニュース・新聞で社会で起こる出来事にアンテナを張っておこう。
記述問題
ここ数年、出されるようになった。30~40字程度で出来事の理由・原因を答えるような問題が多い。用語を覚えるだけでなく、その物事の背景や理由・周辺事項も合わせて取り込むように学習しておこう。
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2018年度「昭和学院秀英中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は41問。1問に1分はかけられる計算だが、地理分野は資料を用いた問題が多くなっている。歴史分野はテンポ良く答えられる問題が多いので、例年通り地理の問題が重そうだったら歴史・政治経済などから手を付けると良いかもしれない。全く歯が立たないような問題で時間を取られては損である。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:9分
- ★必答問題
日本近海の地理や産業について。
問一 東シナ海は水深200m以内の大陸棚が広がり、よい漁場となっている。Bには水深10000mを超える日本海溝がある。
問二 Pにあるのは中国と台湾が領有権を主張している尖閣諸島。韓国が占拠しているのは島根県の竹島である。
問三 マグロは暖かい水を好む回遊魚である。暖流の対馬海流に乗って青森県大間付近までマグロが上がってくる。
問四 遠洋漁業が振るわなくなったもう一つの原因は、石油危機によって燃料の価格が高騰したことである。
問五 流氷は北極海の豊富な栄養を含んでいる。
問六 短く急な流れの日本の河川で運ばれた大量の土砂が、流れの緩やかになる河口付近で堆積する。
【大問2】地理分野
- 難度:やや難
- 時間配分:3分
中国・四国地方の地形や産業。
問一 経済規模と面積の大きさから、オは広島県とわかる。次に総生産が大きいエが岡山県、面積からアが高知県と考えられ、面積が最も小さいウが香川県、残るイが徳島県と決定できる。
問三 Xはリアス海岸の湾で養殖が盛んな地域であることから②、Yは干拓や埋め立てなどで工業地域が発達している地域で③、Zは温暖な気候でナスなどの促成栽培が盛んな①が選べる。
【大問3】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:13分
- ★必答問題
室町時代の人物や出来事について。
問二 平安京が置かれた794年以降の出来事。藤原純友の乱(939年)が当てはまる。ア・ウ・エは時代が古い。
問三 ア・エ 守護は平氏滅亡の後、1185年に源頼朝が設置したことに始まるので×。
ウ 守護は警備・軍事の役。税の取り立てをするのは地頭。
問四 アは元との二度目の戦い、エは東北地方の豪族の反乱、オは朝廷と幕府の争いである。
問五 税の重さに土地を捨てて逃げるものや、人口の増加などで口分田が不足した。
問八 イ 観阿弥・世阿弥は3代将軍・足利義満の保護を受けた。
ウ 雪舟が大成したのは水墨画。
エ 阿国歌舞伎の始まりは安土桃山時代。
問九 山城の国一揆 ―― 山城国(現在の京都府南部)の国人(在地の領主・土豪・地侍など)が畠山氏を追い出し、8年にわたり自治を行った。
問十一 領国内で通用する独自の法。家法ともいう。
【大問4】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
明治~昭和時代について。
問一 (1)民選議員設立建白書。
(2)メーデー――5月1日に行われる労働者の国際的祝日。
問二 農民が起こした武装蜂起事件。これ以降、自由民権運動は下火になった。
問三 第一次世界大戦でヨーロッパが軍需生産中心になるのに呼応して、他の国に軍需その他の貿易特需が起こった。船舶の不足も起こり、日本でも紡績業や海運・造船業で好景気となった。
問四 政界では政党が解体されて大政翼賛会に統合され、経済界では産業報国会が結成され、政財両面で戦時の協力体制がとられた。
問六 足尾銅山鉱毒事件では地元の衆議院議員・田中正造が問題解決に尽力した。
【大問5】政治経済分野
- 難度:やや難
- 時間配分:7分
日本国憲法の三大原則の問題。
問一 「侵すことのできない永久の権利」。重要な条文は丸暗記してしまおう。
問二 内閣の結成→憲法の作成・発布→第一回帝国議会という流れなので、イは使わない。治安維持法は1925年制定。
問三 国民審査は衆議院議員選挙と同時に行われ、罷免させたい最高裁の裁判官を選ぶもの。過去、罷免された裁判官は一人もいない。
問五 アは日米安全保障条約の一節、イは大日本帝国憲法、エは国連憲章。
問六 裁判を受ける権利(請求権)・教育を受ける権利・生存権はともに社会権に含まれる。
問七 自己決定権は環境権やプライバシーの権利などと同じで近年認められるようになった権利である。
問八 酒税などの物品にかかる税は買った人が等しく払う税で、累進課税ではない。所得税や法人税は国税である。地方税には住民税や固定資産税などがある。
攻略ポイント
今年度も地理分野に難しい問題が多かった。見慣れない統計やグラフに戸惑った人もいただろう。その場合でも、基本事項を確実に覚えていればそれを土台に考えて正解を導き出せる。統計やグラフの読み取りをしっかり練習して、思考力を養おう。そのためにも地理分野は特に念入りに学習して抜けが無いように。
記述対策として、物事の理由や背景までよく考える訓練も積んでおこう。
その他の分野も、難しい問題以外は確実に得点できるよう、テキストレベルの実力を着実につけておきたい。
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