豊島岡女子学園中学校 入試対策
2018年度「豊島岡女子学園中学校の社会」
攻略のための学習方法
分析
時間は理科と合わせて50分。大問数2~3問、総解答数は近年では25問で固定されているようである。
解答形式は、記号選択と用語記入がほぼ半々の割合、そこに1~2問の短文記述が混じるというのがほぼ定型となっている。大問ごとに分野が大別されてはいるが、そこに他分野からの問題も織り込まれる事が多い、緩やかな融合問題となっている。
あるテーマに沿って問題が出されるのも特徴で、「様々なものの境界について」「高齢社会と社会保障」「女性の権利」・・・など多様な話題のリード文が見られる。内容は中学入試で訊かれる基本的な事柄で、教科書の範囲を超えた特殊・難解な内容までは出されない。しかし、語句を覚えていれば済むような単純な設問は少ない。正確で体系的な知識がないと正解出来ないような、やや高難度の問題となっている。
分野別対策
まずは基礎をがっちり固めておく。
地理分野については、地名・地形・気候・産業や地域の特色など、基本事項をひとまず覚える。地形図の読み取りや、位置を訊かれる問題もよく出るので地図・白地図で練習しておく。また、世界地理の問題も多く見られるので、アジアや中東など、日本とつながりのある地域については確認しておきたい。
歴史分野も各時代から広く出題されるので、時代順に人物や出来事の基本事項を覚える。図版などの資料が示される年もあるので、資料集も活用したい。
政治分野では、やはり「憲法」と「三権の仕組みとはたらき」について、しっかり理解しておきたい。図表でそれぞれの関連を視覚的に把握するとわかりやすい。
以上のように、まずはテキストや副教材で基礎を身につける。豊島岡女子を受験する生徒のレベルからして、基本問題をミスするようではとても合格は覚束ない。
知識
その上で、覚えた知識を統合し、さらに理解を深めておく必要がある。
基本事項をマスターしたら、復習と同時に知識を整理しまとめていく。断片的だった知識を、関連事項もまとめて筋道をたてて頭に入れておく。
本校は、選択問題でも紛らわしい選択肢が多く、正確な関連知識がないと手がかりを見つけられない場合が多い。
例えば、歴史なら、年表で政治の流れ、文化の流れ、戦争の流れと項目ごとにたどっておけば、同時代の他の出来事も思い出しやすい。ぶつ切れの単純な知識では十分な得点に結びつかない試験なのである。
数問出される短文記述もポイントとなる。
図表から数値を読み取り、比べる問題、関連知識が必要な問題、キーワードを素に自分で推理する問題、など。
いろいろなパターンで出題されているが、基本的に、問題文の中の事実と、自分の持っている知識を結びつけて答えを考え出すという能力を問われているようである。ここでも、先に述べたような体系的に整理された知識が大きな武器となる。
また、用語記入の問題もそうだが、特に指定が無い限りは漢字で書く、ひらがな・誤字は×という条件があるので、用語は漢字で書けるようにしておく。
まとめ
・基礎的な知識を、確実に覚える
・その知識と周辺事項を関連づけて、すぐに引き出せるようにする
・その知識を使って、原因や結果を想像する習慣をつける
このような態度で広い範囲の正確な知識と思考力を身につけられるよう学習に取り組もう。
また、試験時間にあまり余裕は無いので、普段からスピードも意識して、問題集等に取り組むようにして欲しい。
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2018年度「豊島岡女子学園中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問3つにそれぞれ現代社会・地理・歴史が割り当てられており、現代社会8問・地理8問・歴史9問という割合になっている。総問題数は25問、リード文の合計は約2600字ほどだが、時間がなければ下線部付近だけ読んで済ますのも手である。
適語記入7問・記号選択15問と選択問題が多いが、選択肢を選ぶのに細部まで正確な知識が求められるので、決して楽な問題ではない。
【大問1】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:8分
母子手帳を話題として、政治の仕組みや憲法について訊かれている。
問一 ノロウイルスに対する免疫は感染者でも1~2年とされ、その仕組みがよくわかっていないのでワクチンの開発が難しく、実現していない。
問二 1 三権分立を思い出せばよい。
3 最高裁長官を指名するのは内閣。
4 国会議員は国民の代表である。
問四 市区町村長は立候補者のなかから住民の直接選挙で選ばれる。
問五 憲法第25条では、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(生存権)が保障されており、児童福祉法もその理念に基づくものである。
問六 日本では現在でも死刑が執行されているので1は批准していない。
問七 2 国際児童基金→国連児童基金(ユニセフ)。
4 国境なき医師団はNGO(非政府組織)のひとつ。
問八 移民は賃金の安い労働力として雇用されることが多いので、国民の仕事が奪われることにもなる。
<時間配分目安:8分>
【大問2】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
資源を題材とした地理の問題。
問一 1は群馬県・愛知県が入っているのでキャベツ、2は長野・群馬の高冷地が含まれるのでレタス、3は熊本が1位のトマトで、北海道・徳島がある4がニンジンということになる。
問三 風力発電は風がないと発電できないので供給は不安定であり、低地より高所の方が風力を得やすいのもわかりやすいことであろう。
問四 現在1位は中京工業地帯、かつて1位で現在大きく順位を落としているのが京浜工業地域なので、1は京浜、2は中京、3が阪神。
問五 2地点は道もほぼ直線なので、その距離2.5㎞を時速4㎞で割ればおよそ0.62となり、約37分かかる計算になる。
問七 奈良県には新幹線は通っていない。
問八 アルバイトなどで働ける年齢~定年までの働ける年齢が生産年齢。
<時間配分目安:8分>
【大問3】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:9分
- ★必答問題
学校を話題として各時代のことを聞かれている。
問一 日本では縄文時代にあたる。1は古墳時代、2・4は弥生時代の説明。
問二 人物は聖徳太子のこと。4は中大兄皇子が出した改新の詔で公地公民をあらわしたもの。
問三 律令国家において中央の皇族・貴族の子弟が学ぶのが大学、地方豪族(郡司)の子弟が学ぶのが国学で、平安中期には国学は廃絶している。
問四 応仁の乱(1467年)・桶狭間の戦い(1560年)・正長の土一揆(1428年)・鉄砲伝来(1543年)。
問五 1 聖武天皇→聖徳太子。
2 最澄→空海。
4 仏教→キリスト教。
問六 江戸時代には主人と家来といった上下関係を重んずる朱子学が重用され、寛政異学の禁として朱子学以外の学問は禁じられた。
問七 茶・染料となる藍や紅花・たばこなどの商品作物が栽培されているので2は間違い。
問八 学制と同年に徴兵令も出され、働き手を兵役にとられることに反発があった。
問九 現在も続く学校制度、6・3・3・4年制のことである。
<時間配分目安:8分>
攻略のポイント
全般的に中学入試の基本的な問題で、特別に難解な知識は必要とされていない。
しかし、単純な用語の暗記ではなく、細かい部分まで正確に、関連事項と結びつけて理解しているか、その知識を使って理由や原因まで考えを発展させられるかという点を問われている。
また、本校の国語を重視する姿勢から考えても、漢字のミスや誤字・脱字などには厳しいだろう。
基本事項はしっかり復習し確実に身につける。白地図やグラフにも親しみ、地図を身近に置いて常に場所を確認する。
記述対策としては、新聞やニュースで時事問題に触れ、その背景や理由を自分の知識を使って考えてみる。また、短く簡潔にまとめる練習をしておく。
そして、25分の試験時間で最後まで解き進められるよう、普段の学習も漫然とせず、スピードもつけられるように意識しておくことも重要である。
正確な知識でミスのない答案を作れるよう、テストに向けて努力を重ねたい。
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