市川中学校 入試対策
2018年度「市川中学校の社会」
攻略のための学習方法
【問題構成】
大問数は3~4つ。それぞれが分野別に割り当てられる場合が多い。問題数や分野別の比率は年度により違いがあるが、2018年度では地理・歴史分野が多く、政治経済分野は少なかった。総解答数は40~50問ほど。最新年度では47問中、記号選択14・適語記入29・記述4といった割合で,言葉で書き込む問題が多くなっている。
適語を記入する問題は全て漢字指定なので、人物名・地名・事件名・法律名など、極端に難解な用語以外は漢字で書けるようにしておくこと。
【地理分野】
統計資料や地図を用いた問題が毎年出されている。国内のデータはもとより、農産物や工業製品の輸出入など貿易に関する資料や世界の国々に関する地理なども出題されている。地図の読み取りも見られる。広い範囲からさまざまな内容が問われている。
まずは日本の国土や地勢・地名・産業・気候など、基本事項を丁寧に覚えていく。地図の読み取りも十分練習しよう。統計資料にもつぶさに当たり、新しいデータを取り込んでおく。
さらに、世界地理の問題も多く見られるので、特に貿易や過去の戦争などに関して日本と関わりの深い国の地理・産業や貿易のデータは頭に入れておこう。世界地図で国や地域の位置も正確に覚えてしまおう。
総じて、統計やグラフを用いた問題が多く見られるので、データの比較や読み取りがスムーズにできるよう、またデータの背景や理由を考えられるよう、類似問題で練習しておかれたい。
【歴史分野】
各時代からまんべんなく、人物や出来事・外国とのつながりや文化についてなど、幅広く訊かれている。図版などの歴史資料も多く用いられている。
人物・事件や文化・産業、貿易や外国との交流など、基本的な事項をまずはしっかり学習する。その際、資料集などで関連する史料や写真・図版などもよく確認して見慣れておく。時代順の並べ替えの問題も出されているので、年表などで時代の流れをイメージできるようにしておこう。
【政治経済分野】
政治の仕組みや日本国憲法などについて、時に細かい知識も問われることがある。時事問題を絡めて出題されることもある。
憲法の主要な条文を暗記し、立法・行政・司法の基本的な仕組みを頭に入れる。地方自治や選挙制度といった項目も出題されるので、油断なく学習しておく。
例年は3分野が同じくらいの比重で試験に出されていたが、2018年度では政治経済分野の問題が少なかった。今後の傾向に注意しておきたい。
【記述問題】
字数制限はないが、だいたい50~60字程度でまとめられる内容である。単に用語を説明しただけでは済まないような問題が多い。事件の背景や出来事の理由を常に考えるよう習慣づけてしまおう。
【問題量と時間】
資料・統計の読み取りにかかる時間やリード文の量なども考えると、40分は少し短いかも知れない。一部に手間のかかる問題(選挙制度の問題・2017年度など)が出る場合もある。
時間のかかる問題は後回しにして、まずは解ける問題をひととおり終わらせるなど、ペース配分にも注意が必要である。
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2018年度「市川中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
リード文と資料の読み取りで問題の分量はかなり多く、40分では十分余裕があるとは言えない。過去には計算に時間がかかる問題(選挙結果の計算・2017年度)なども出された。
基本レベルの問題が多いが、資料が多いので読み取りには慣れが必要である。できる問題をとにかく解き終え、手間がかかる問題や記述問題は最後にまとめて解くなど、時間配分を工夫しよう。
【大問1】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:13分
- ★必答問題
各時代の人物や出来事について。
問一 ②ペルシャは現在のイランの古い呼び名。イラン周辺で生産される高級絨毯にもその名が残っている。
③島原・天草一揆ともいう。
問二 (2) あ 東北地方に勢力を持っていたのは源氏一族なので×。
い 平清盛は武士として初めて太政大臣になったので×。
え 平氏の乱で源義朝を破り、平氏繁栄の礎を築いたので×。
問三 (2) い 「天下布武」が正解。
う 仏教勢力に対抗するためキリスト教を認めていたので×。
お 平定に成功したのは信長の死後のことなので×。
問四 故郷の月を想って詠んだ歌「天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも」が有名である。
問五 生糸や茶(材料・原料)を輸出し、毛織物・綿織物(製品)を輸入している。
問六 1582年~1859年の出来事なのであ(1960年)・う(1841年~)・え(1837年)は当てはまる。
問八 徳政令は借金を帳消しにする命令。根本的な解決にはならないので、かえって混乱を招く場合も多い。
<時間配分目安:13分>
【大問2】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:13分
明治以降の社会や出来事について。
問一 明治政府は「富国強兵」「殖産興業」のスローガンを掲げ、欧米諸国に追いつくことを目標とした政策を進めた。官営工場や産業博覧会の開催もその一環である。
問二 日清戦争に勝利した日本は、下関条約で多額の賠償金や遼東半島・台湾などを譲り受けた。いろいろな戦争の講和条約と主な内容を整理しておこう。
問三 工場法は工場の経営者に向けた法律なので、農業従事者は関係がない。また、経営者からすれば、労働者を低賃金で長時間働かせた方が儲かるので、このような法律には反対した。
問四 (2) 原敬内閣は初の本格的な政党内閣であった。
問五 1914年に第一次世界大戦が勃発している。ヨーロッパが戦場になり、製品の輸出が減少した市場に日本が進出し、好景気(大戦景気)となった。
問七 学童疎開は米軍の本土空襲に備えて戦争末期(1944年ころ)に始まった。
問八 戦後、治安維持法や教育勅語は廃止されたのでイ・エは誤り。
問九 (1) 5.イタイイタイ病は富山県神通川流域で発生した公害病で、カドミウムを原因として重度の骨軟化・骨阻喪が起こるもの。骨の痛みを訴えることから病名がついた。
(4) 1973年の第4次中東戦争を引き金に石油不足や価格の暴騰(オイルショック)が起こり、日本の高度経済成長は終わった。
<時間配分目安:13分>
【大問3】地理分野・現代社会分野
- 難度:やや難
- 時間配分:14分
- ★必答問題
産業や流通、国際関係について。
問一 日本では、生産者→卸売業者→仲買業者→小売業業者→消費者という流通の仕組みが一般的で、業者を経るたびに価格が上乗せされていく。近年はインターネットなどの普及により、生産者から消費者に直接ものを販売する形式も多くみられる。
問二 北海道・青森といえばほたての養殖が盛んであるからcはほたて。かきは広島・宮城でd。のりは有明海のある佐賀が一位であるからe、愛媛県宇和海ではまだいの養殖が盛んであることからまだいがbで、残るaはぶり類となる。
問四 とうもろこし・肉類はアメリカが多いのでbはアメリカ。魚介類や野菜が多いaは中国。アメリカに次いで肉が多いのはオーストラリアでd、ということで選択肢ウが選べる。
問五 利用者数を利用者率で割れば総人口がわかる。それぞれ約a1億2700万、b13億3900万、c12億6700万、d8200万、3億2200万となり、どの国かが判別できる。
問六 日本のグラフで考えれば判断しやすい。旅客・貨物ともに1位は自動車なのでbが自動車。旅客で次に多いのは日本の場合鉄道なのでaが鉄道。貨物の2位は船舶なのでdが水運、残るcが航空となる。
問七 近年、急激に売り上げを落としている百貨店がc、同じく売り上げが落ちていて売り場面積の大きいbがスーパーマーケット、残るaがコンビニで最近では売り上げがトップになった。
問九 エは排出量の削減目標が正しくない。オは排出量世界一が中国なので×。
問十 少子化で労働力不足が危惧されている。そんな状況で24時間営業を行えば一人当たりの労働時間が長くなり、過重労働となる恐れがある。
問十一 フードマイレージは食料の重量と輸送距離を掛け合わせて算出される数値。輸送に伴って発生する二酸化炭素などの排出量を考える指標になる。生産地と消費地が近ければ、環境への負荷が少なくて済むのである。
<時間配分目安:14分>
攻略ポイント
最新年度も統計資料やグラフが多く用いられており、全体の問題量は多くなっている。組み合わせを選ぶ問題も多く、いくつかの知識を合わせて一問になっているので、考えることが多い。
基本事項の問題が多いので、まずはここを落とさず確実に答えられるよう、テキストを丁寧に学習する。基本的な問題は確実に答え、そのうえで記述問題にも答えられるような幅広い知識と思考力を身に着けたい。記述問題対策として、出来事や制度の理由・背景など考える習慣をつけよう。
適語記入は漢字指定なので、書けるように練習すること。
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