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桐朋中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2018年度「桐朋中学校の社会」
攻略のための学習方法

[傾向]

試験時間30分で、大問が3つに総解答数30前後という構成。

ここ数年は大問1・2・3がそれぞれ歴史分野・政治分野・地理分野の問題と、3つの分野が決まった形式でバランス良く出題されている。記号選択と用語記入が大部分で、字数指定の無い4~5行程度の記述問題が2問含まれるという形も毎年変わりない。

基本レベルの知識を問う問題が中心で、オーソドックスな試験と言える。

[地理分野]

日本の国土・地勢・各地の産業に加えて、日本と関わりの深い国々の問題も見られる。
地図や資料を使った問題やグラフの読み取りもよく出されている

基礎的な知識を問う問題が多いが、この地理分野では、「○○の第2位と第3位の県」というような、1位を覚えているだけでは答えられない質問や、人口100万人以上の都市についての問題(平成25年度)なども出され、細かい知識を訊かれることもある。地図帳・白地図で地名や地形等の基本的な事柄や位置を確認しながら、資料集で産業や経済のデータを億劫がらずに第3位まで暗記するなど、丁寧に取り組みたい。

また、ヨーロッパ・アジア・中東地域など、日本とつながりのある国や地域についてもしばしば出題されるので、こちらも地図や資料集で位置や基本的なデータは頭に入れておくようにする。

[歴史分野]

各時代から幅広く出題されている。

基礎的な知識で答えられる問題がほとんどで、漢字で書きづらい難しい人物名なども出されていない。
政治史・文化史といった一つのテーマに沿った出題が多く見られるので、年表で各分野の流れを整理しておくと良い。資料もよく使われるので、資料集で図版などもよく見ておく。

ここしばらく、2問の記述問題の内、1問がこの分野で出されるパターンが続いている。
歴史上の出来事や重要語句について説明させるような内容で、テーマについて考えを述べるような論述問題ではない。歴史の基礎的な知識が定着していれば、十分解答できるレベルである。

記述と訊くと難しいと思いがちだが、自分の知識をまとめれば答えられる問題であり、字数の細かい指定もないので比較的書きやすい形式でもある。苦手意識を持たず、しっかり答えて欲しい。

[政治分野]

日本国憲法・三権の仕組みなどの基本をしっかり頭に入れておけば特に困らない。
この分野と関連づけて時事問題が出されるので注意する。

そして、2問の記述の内、もう一問がこの分野で出題される。
こちらは歴史分野と少し違っていて、「社会の問題点を、統計などの特徴から読み取らせる」といった内容が多く、少し難しくなっている。

ただし、これもよく話題になる事柄が多く、テキストや副教材にも解説が載っている場合も多いので、初めて聞いたなどということにはならないだろう。記述用の問題集を使っての練習も有効である。

[まとめ]

男子上位校の割に、社会の問題は素直で基本的な出題傾向となっている。
難問集などは必要無いので、テキスト・副教材を丁寧に学習して基本をしっかり身につけるべきである。
地図帳や白地図で名前や位置、地域の特色なども整理しておく。

並べ替えの問題など、一般に難しいとされる形式の出題もあるが、先で述べた記述問題の場合と同じく、基本的には十分な基礎知識があれば答えられるような問題となっている。

とにかく、特別変わった対策は要らないので、基本事項とその周辺知識は弱点を作らずしっかりマスターするということを心がけて欲しい。合格者平均点も高めとなっているので、不用意なミスをしないよう、落ち着いて試験を受けられる精神力も身につけておきたい。 

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2018年度「桐朋中学校の社会」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

総解答数37問で時間は30分。リード文はさほど長くない。150字ほどの解答欄でまとめる長文記述に7~8分・70字ほどの記述に4分ほどかけて、残りは迷わずてきぱき答えていこう。
記述問題以外は、考え込むような時間を取られる問題はほとんど無いので、テンポよくすすめて、記述問題に時間を残そう。

【大問1】歴史分野

  • 難度:やや難
  • 時間配分:12分
  • ★必答問題

各時代の出来事や人物について。

問一
 ア江戸時代初期・イ平安時代末・ウ江戸時代末・エ奈良時代・オ応仁の乱で室町時代・カ明治時代、となる。

問二
 山口県美祢市には鍾乳洞で有名な秋吉台がある。

問三
 ②琉球王国が薩摩藩の支配下に置かれたのは江戸時代初め。
   ③北里柴三郎は明治時代、破傷風の治療法やペスト菌を発見した。
   ④遣唐使・鑑真の来日などから奈良時代。

問四
 ①奈良時代、九州に派遣された防人が詠んだ歌。万葉集は日本最古の歌集。
   ②日露戦争で戦地に赴いた弟を案じて与謝野晶子が詠んだ歌。
   ③武家諸法度の一部。三代将軍家光の時に改定された内容。

問五
 山口県萩市は風情のある城下町で観光客が多く訪れる。

問六
 税の取り立てを行ったのは地頭。

問七
 松下村塾では高杉晋作・山形有朋・伊藤博文など、幕末~明治にかけての偉人たちが多く学んでいた。

問十
 ロシア・フランス・ドイツの三国干渉により、遼東半島を清に返還した。

【大問2】地理分野

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

日本の産業と中国・四国地方について。

問一 総数と出版・情報サービス・飲食など第三次産業が特に多い(う)が東京、次に総数が多く機械など第二次産業も盛んな(あ)が名古屋のある愛知、総数が最も少なく農業・水産業など第一次産業が多い(い)が高知と判別できる。

問三
 自動車・産業用ロボットなど、機械工業の輸出が日本の経済を大きく発展させてきた。ちなみにここで使われているようなグラフは金属・機械・化学の順で書かれているものをよく見ているはずである。

問四
 夏の降雨量が多い(あ)が太平洋側、冬の降雨量・降雪量が多い(え)が日本海側、年間を通じて雨が少ない(い)(う)が瀬戸内気候であることから見分ける。

問六
 明石海峡大橋は淡路島を通り、小豆島は通らないので(あ)は間違い。

問八
 交通インフラが整うことで、移動や流通が活発にはなるが、地方の人や物が大都市に流出してしまう事態も起こり、地方が衰退してしまう。ストローで吸い上げる様子に例えられている。

問九
 阪神淡路大震災のことである。

問十
 人口の多さでは日本は世界第十一位である。上位十ヶ国を調べておこう。

【大問3】政治経済分野

  • 難度:やや難
  • 時間配分:8分

科学技術の発展という話題で現代社会について訊かれている。

問一
 資源エネルギー庁と原子力安全・保安院という規制される側とする側が、同じ経済産業省のもとに設置されていたため、新設の原子力規制委員会は環境省のもとに置かれた。

問三
 水素爆弾は実験で被害を引き起こしたことはあるが、実際に戦争で使用されたことはない。

問四
 現在一位は経済成長著しい中国である。大気汚染も深刻で、pm2.5が日本まで届いているというニュースを見たことがあるだろう。

問五
 原子力発電が急減し、ゼロになっている。その分を火力発電で補っている形である。これは2011年の東日本大震災で福島第一原発が破壊され放射能漏れを起こしたことによる。全国の原発が点検・停止され、2014年には稼働ゼロになった。現在は安全基準に適合したとされる数か所で運転が再開されている。

攻略のポイント

出題形式や難易度など、例年通りのイメージである。
合格者平均点は7割3分ほどで安易なミスは命取りである。難問・奇問は出題されないので、テキスト・副教材を丁寧に抜けがないように学習し、基礎の徹底を図りたい。どちらかと言えば、地理に細かい知識を問う問題が多いので、意識して取り組んでおこう。
2題ある記述問題は、過去問で字数のまとめ方をよく練習しておくと良い。
また、データを読取ってそこから考えられることを書く記述問題が毎年出されているので、類似問題をこなして経験を積んでおきたい。

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