桐朋中学校 入試対策
2018年度「桐朋中学校の国語」
攻略のための学習方法
【問題構成】
大問2つに文学的文章と説明的文章が割り当てられるのが、ほぼ定形となっている。
文量は7000~8000字ほど。漢字の書き取り・記号選択・書き抜き・記述問題などが毎年出題されている。
記述問題は字数指定の無いものが長短合わせて4~5問出題される。特に100字ほどでまとめるものは4~5つの要素をうまくまとめる必要があるので、過去問でよく慣れておくことが大事である。
【漢字の書き取り】
毎年出題されている。極端に難しい問題は見られないので、初級~中級レベルの教材をしっかりマスターして、全問正解を目指したい。
【長文読解】
使われる素材文は中高生対象のものが多く、難しくて読むのに苦労するということはない。設問でも、記号選択や書き抜きの問題は無理に難しいものではなく、適正な実力があれば正解できるのでミスなく得点源としたいところである。
論理的文章の読解であれば、段落分け・要点と細部・要旨と要約といった基本の技術を磨きたい。形式段落→意味段落のまとめ。意味段落の内容を小見出しのように考えておくとわかりやすい。各段落の最初と最後に注目して、要点に傍線を引くなどして探しやすくしておく。最後にそれらをまとめておおまかな要約・結論を見出す。
文学的文章であれば、場面分け・心情把握・テーマの理解など。時間・場所・登場人物の動きなどから場面の変わり目をチェックする。人物の言動・情景などから心情を考える。予断なく、文中の手がかりから正確に読み取りたい。そして、全体として作者が描きたかったのはどんなことなのかを理解する。
このような読解の基本を繰り返し練習しておこう。
【記述問題】
長短合わせた記述問題は、やはり手間がかかる部分である。
70字や100字ほどでまとめる問題は字数を埋めるだけでも大変であるし、まとめ方をよく考えずに書いてしまって失敗すると最初から書き直して大きく時間を失うはめになる。
字数に合わせて書くべきポイントを整理し、破綻のないようにまとめられるように、類似問題で繰り返し練習したい。
2018年度では、文中からそのまま抜き出してまとめられる問題は少なくなったようである。人物の表情や行動からその気持ちを、示された例から筆者の主張したいことを、自分で考えてまとめないと内容の薄い答えになってしまう記述が多かった。本文から適切な部分を抽出してまとめられる形が多かった従来よりも、難しくなった印象を受ける。人物の心情や筆者の意見を細かく考えながら文章を読む訓練を積んでおきたい。
答えとして求められている内容を探し出す読解力・それを条件に合うようにうまくまとめる記述力を高めよう。満点を目指さなくても良いので、必要な字数を書いて部分点を稼ぎ、記述でも十分な得点を期待できるように力をつけておこう。
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2018年度「桐朋中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
文量は7000字ほど、総解答数は29問で例年と大きな変化はない。記述問題は長短合わせて計6問。記述問題に計20分ほどは見ておきたいので、素材文の読みと残りの問題を30分程度でこなせるスピードを身につけたい。選択肢はシンプルで選びやすいので、さほど時間はかからないだろう。
【大問1】小説の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:30分
- ★必答問題
故郷を離れ、東京で一人暮らしを始める主人公の旅立ちの場面。
問一 直接には直前の下宿代や父親の収入の不安定さを指している。次の段落に「家計がひどく心配だった」ともある。
問二 「伯楽」は、優れた才能を見つけ出す眼力のある人。日本一ともいわれるバイオリンの先生から直接に指導したいと上京を勧められたのである。「自分の言葉で」という指定があるので、「東京へ出てきて自分の元へ通ったら」の部分を自分なりに表現すればうまく書けるだろう。
問三 イはこの直後の本人の行動と矛盾するので×。ウは自分で「しっかりしていない」と自覚しているので×。エは相手に「大人としての責任を求める」のは「民主的」とは意味が違うので×。
問四 一般には、うわべを飾る・外観を繕う の意味で、自分のためである。しかし主人公は相手の気持ちに配慮しすぎて無理な決心をしていて、いわば「相手のことを考えての見栄」になっている。この点をまとめればよい。
問五 保の最後の姿から、主人公を応援しながらも別れるのが辛いという気持ちが見て取れる。傍線部の辛そうな表情には、自分と離れて遠くへ行ってしまう主人公への恨めしい気持ちや、そうは思いつつ必死にこらえようとする様子が表れている。
問六 これは父親の笑顔の持つ「そういう奇妙な力」の説明であることをとらえる。
問七 最初は子供がよくやる単なる「列車に手を振る」行動かと思っていたが、自分を応援するメッセージ・校長先生や担任の先生の姿を見て、わざわざ自分のために準備してくれたものだとわかり、感極まったのである。
問八 駅まで見送りに来てくれた友達や列車に手を振ってくれた人たちの、自分を励まし、送り出してくれた気持ちに応えるためにも、「故郷が恋しい」という気持ちに負けずに頑張ろうと思ったのである。
問九 特別に難しい漢字は出されていない。地道に覚えていれば書けたはずである。
【大問2】論説文の読解
- 難度:難
- 時間配分:20分
英語と日本語の両方を話す子供たちを見ていて言語について考えたことを論じている。
問一 「相反する」―この場合は訓音読みになる。「相反」だけなら「そうはん」と読む。利益相反(りえきそうはん)など。
問二 傍線部の主語は省かれているが、「私」である。自分がバイリンガルの子供から、言語について学ぶところがあると言っているのである。
問三 自分の身近にある音で考えれば楽である。猫が壁をひっかく音―ガリガリする、など。
問四 「甘い」の意味や味でつながっているなら、クッキーなども「アム」になるはずである。「あまい」の語感・音とつながっているのだろうと筆者は考えている。
問五 傍線部の直後の例が手掛かりになる。子供たちが枝を折ったりプールへ飛び込んだりといった様々な体験・動作を「音+する」の形で「無限に動詞を作って」表現している。豊かな表現手段になっている点をとらえる。
問六 A~Eを考える前に、少し後の部分を見てみる。「逆に『ない』は『ないという状態』が『ある』のか」と書いている。とすると、A~Eでは「『ない』は『あるという状態』が『ない』」という話をしていることになる。A・B・Cには、ない・ある・ないが入ると考えられるので、正解が絞れる。
問七 ゆまちゃんの「牛乳、あるない」が、「発想が英語で、言葉が日本語」ということである。その逆がりーりーの“Not Good”だと言っている。「発想が日本語で、言語が英語」であることを指摘すればよい。
問八 「心持ち―気持ち」「れっきとした―どこに出しても恥ずかしくない立派な」という最も基本的な意味ではない使い方をしているので、文脈から考えよう。
問九 具体例を挙げてくれているのでそこから考える。「アメリカ北東部の大学出の英語」だけを「ネイティブ」とするのは限定し過ぎだと筆者は感じている。方言や地域差も含めてれっきとしたネイティブだという筆者の考えをまとめよう。
問十 筆者の「ネイティブの英語」に対する考え方を、日本語についても同様に考えてほしいと読者に提案している形になっている。
攻略のポイント
合格者平均点は5割5分。漢字や記号選択の問題を手堅く得点した上で、記述問題に十分解答出来るかが大事になってくる。
長文記述は繰り返し練習して字数やまとめ方の感覚をつかんでおこう。書く要素が十分思いつかなかったとしても、必要な字数を埋めれば部分点は期待できる。諦めずに泥臭く得点を狙っていこう。
漢字・記号選択などの問題は、比較的答えやすく時間も取られないので、テンポよくこなして長文記述になるべく多くの時間を残したい。
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