頌栄女子学院中学校 入試対策
2018年度「頌栄女子学院中学校の理科」
攻略のための学習方法
着実な大学合格実績で、多くの受験生を集め、安定した人気を誇る頌栄女子学院。 その理科の入試問題も、生徒の実力を発揮しやすい良問である。
まず、出題範囲に偏りがない。いわゆる4分野から均等に出されており、基礎的な設問が中心でありながら、よく練られた計算問題も複数出されており、学力に合わせた点数が取れやすくなっている。
つまり、計算好きな生徒には高得点が望めるテストになっているということだ。
もちろん、計算ができなくても合格点は取ることができる。
では、まず何を心がけて同校の対策に入っていけばよいのか。
まずは、これはどの学校についても言えるのだが、「基本的な知識を着実に身につけること」。これが最初にして最後の目標だ。
理科の知識は煩雑で覚えきれない、という生徒もあろう。また、算数や国語に手がかかるという生徒もいるだろう。
だから、教えられたことを全部覚えなくてもいいのだ。指導してくれた先生が、「ここは大切!」といったところだけでいいから覚えていこう。
具体的には、模試などで正答率50%以上の知識問題の答えから覚えていけばよい。時間があればその先の段階まで進んでいこう。そんなに難しいことではないだろう。
しかし、極端に覚えていない範囲を作ってはいけない。
4分野が均等に出題されているとは書いたが、すべての単元から出されるわけではない。生物分野で「植物」が得意であっても、苦手な「昆虫」が中心となって出題された場合には、まったく得点できない場合も考えられる。そうなると致命的だ。
どの単元に関しても、得意でなくてもいいから、標準的な問いにはしっかりと答えられるように仕上げておこう。それが全分野に及べば、おそらく合格点は取れるはずだ。
それもできない、という生徒は、出題されやすい分野を絞ってそこを中心に覚えていこう。
生物では「人体」「植物」、地学では「天体」、物理・化学分野では「水溶液」や「気体の性質」などだ。
しかし、ヤマが外れた場合はどうなるか。想像に難くない。やはり、失敗したくなければ、まんべんなく知識を網羅していったほうが良い。
それらのことを十分にやった上で、さらに得点したい場合には、計算問題に磨きをかけるということになる。
前述のように、頌栄の理科の計算問題はなかなか難しい(本年度はさほどでもなかったが)。
算数が得意な生徒でも理科の計算が苦手な生徒がいるのは、算数に比べるといつも典型的な問題が出されるとは限らないからだ。
塩酸と水酸化ナトリウムの中和ならば何回も解いたことはあるだろうが、平成26年度の最後の設問などはまず初めて見る受験生もいたことだろう。
やったことがある問題でなければ、受験生はまず解けない。そういった点から見て、理科の計算問題もまずは典型的な問題に解き方をマスターした上で、新しい設問が出たら挑戦してもらいたい。
得点の目標は、100点満点の70点くらいが良い。
基本的な知識問題をだいたい正解し、計算問題に少し触れるくらいでその点数をクリアすることはできるだろう。
さらに悩む点があるとすれば、時間不足ということかもしれない。
40分で50問を解くわけだから、1問あたり48秒、見直しなどを考えると40秒以内で解かなければいけないということになる。
算数と違って、理科は後半の大問に進むにつれて難しくなっていくということはない。
下手な鉄砲とは言わないが、最後の設問まで読める程度には時間を作っておきたい。
そのためには、自覚的に解く早さを身につけること。普段、問題にあたるときも1問解いてお茶飲んで、とかのんびりペースではなく、20~30問くらい一気呵成に解くパワーを装着しておきたい。
なんといっても、テストには問題を解き切るパワーが必要だ。
確実な知識と解くスピードを身につけ、頌栄合格を自分のものにしてもらいたい。がんばれ!
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2018年度「頌栄女子学院中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
40分で大問は4つ、小問は50個前後なので、速読即解が求められる。その上本年度は計算・作図問題が目立ったので例年以上のスピードが要求された。
しかしながら受験生の平均点などに極端な下落が見られないのは次の理由からだろうか。
1つは、受験生は計算問題を案外苦手にしていないこと。逆に言えば、暗記は苦手(?)なのかもしれない。
もう1つは、頌栄といえば「算数」のテスト問題が難しいことで有名なので、そこで培われた算数力が理科で効力を発揮したと言うこと。
いずれにせよ、55%ほどの得点で合格ラインに達するので計算問題を含む難解な問いに対しては問題の取捨選択が必要であり、できるに越したことはないものの、時間のかかりそうなもの・見るからに難しそうなものは後回しにし、テストにまんべんなく目を通したほうが高得点になる可能性が高い。
【大問1】物理(原子)
- 難度:やや難
- 時間配分:10分
ここではもともと持っている知識を使うと言うよりは、はじめに説明を受けた「原子」に関する基本知識を頭に入れた上で大問に入っていくスタイルになっている。
問1から計算問題で、「けた」に気をつけて正しく計算しておきたい。
問2の前にも「水」や「二酸化炭素」の原子に関する説明があり、それを用いて以下問5までの計算問題に入るという形。
ただし、ここの設問は解いたことがあるものではないだろうか。しかしながら全問正解できれば優秀、半分程度でもなんとか及第点という難しい設問群だ。
問6・7はさらに進んで「メタン」「エタノール」の粒に関しての説明そして計算問題が続く。
問7が正解できれば相当の腕前だ。
問8は理科の時事問題。
大問1にしては大変解きごたえのある問題だった。制限時間内で終わったかどうか…
【大問2】生物(人体-血液の循環)
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
問1・問2は心臓と血液に関する超基本的な知識の確認問題。心臓の図が横を向いているものの全問正解がMUST(マスト)だ。
問3の(1)は超基本の続きなので差がつくとすれば(2)(3)の計算問題。
(2)は大仰な説明がついているものの簡単な計算で求められるので出来ておきたい。
(3)は少し難しい。ここでの結論は知識として持っていても役に立つのではなかろうか。
大問2は得点源に使いたい。
【大問3】地学(フェーン現象)
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
フェーン現象についての詳しい説明と問題の条件が提示されているのでしっかりと読んでから問題に取りかかろう。
問1・2はフェーン現象ではなく、雲の発生と温度変化に与える理由を答えさせている。
問3~6は問題の中核をなすフェーン現象に関しての計算問題だが、問題自体は典型的なものであり、フェーン現象問題を身につけている生徒にとってはそれほど苦にはならなかったかもしれない。
逆の生徒は大量失点もありえたわけで、合否を分ける重要な箇所であったといえよう。正解した生徒はまだしも、トライして不正解だった生徒はこの問題の見直しを徹底させるとともに類似問題にあたって解法の定着に努めたい。
問7・8はフェーン現象に関する知識問題でここは正解しておこう。
大問2同様、ここで大きく得点できた生徒は合格にかなり近づけたはずだ。
【大問4】物理(電流回路)
- 難度:やや難
- 時間配分:10分
誰もが正解できそうな基本知識から始まり、徐々に回路図も複雑な形になっていくという問題で、全問正解は難しいものの半分はあてておきたい。
問2はやがておとずれる記述形式の大学入試をにらんだ問題といえるかもしれない。
本年度は全体として知識よりも計算・作図の力を見る問題になっていた。
攻略のポイント
テスト時間は40分で100点満点。
受験者平均点が48.9点、合格者平均点が59.4点と近年では昨年度と並んで低めの合格点となっていて、合格最低点は55点くらいになる。
昨年度は基本問題に終始したが本年度は【大問1】【大問4】が難しく総じて計算が必要な問題が多かったので平均点はもっと下がってもおかしくはなかった。
標準的なレベルだった【大問2】【大問3】をしっかりと解き、物理分野の問題にも出来る範囲で手を出しておけば合格点には達したことだろう。
計算問題が頻出な学校(特に本年度は顕著だった)なので、理科で得点を稼ぎたい生徒は少し難しめの計算問題をたっぷり解いてテストに臨もう。
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