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東洋英和女学院中学部 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2018年度「東洋英和女学院中学部の国語」
攻略のための学習方法

問題構成

2016年度まで大問2~3問に物語・随筆文が1問、説明・論説文が1問というパターンだったが、2017年度から長文読解の大問1つという形式に変わった。2017年度・2018年度とも素材文は文学的文章(小説)であった。素材文は7000~10000字ほどで、そこに言語事項や文法などが織り込まれるという形になっている。
内容は、漢字7~8問、文法・言語事項10問前後で、残りは読解問題が20問程度といった割合である。
形式的には、記号選択・書き抜き・短文記述・50~100字ほどの記述・字数指定無しの記述と多彩だが、記号選択が多めである点と記述問題が必ず出される点に留意して、類似問題で練習しておきたい。

長文読解

〈文学的文章〉
本校は物語文・随筆文の読解の比重が大きく、7000~10000字の本文がつく場合もあるので、読むスピードは必須である。ただし出典は、無駄に大人向けの難解な話ではなく、小中学生にも理解でき、また読んでも面白い、「読む楽しみ」が感じられる話なので、変に身構える必要無しに読書を楽しむくらいの気持ちで臨みたい。
人物の心情理解・筆者の考えの理解という問題が大半だが、選択肢問題も意地悪なものではなく、問題の箇所の前後や、人物の全体を通しての行動を注意深く読めば間違いなく選べるだろう。なお、長文・字数指定無しの記述問題はこちらの文学的分野で出題される。

〈説明的文章〉
2017年度・2018年度と2年続けて説明的文章の出題が無かった。
今後もこの傾向が続くかは不明だが、昔の形式が復活する可能性もあるので、対策はしておきたい。過去、この分野では記述問題は見られず、書き抜き問題が多かった。また、漢字や言語事項が合わせて出される場合も多く、そうなると文章読解自体の問題数はかなり少なくなる。それほど難解な文章は出されていなかったので、一般的な説明文・論説文の問題集などで練習できるだろう。論理的な文章も多く読んで慣れておこう。

記述問題

文学的文章の問題の中で、字数指定の無い・「自分の言葉で」書く記述問題がよく出されている。解答欄から考えると100~150字程度でまとめられそうである。本文に直接は書かれていない物語の展開を考えるものや、下線の意味するところを考えて具体的に書くものなどがある。
「自分の言葉で」とは言っても、当然ヒントや答えを暗示させる内容の部分が本文中にあるはずで、それをそのまま使ってはいけないということである。別の言葉・表現を用いたり、散らばって書かれている部分を自分でまとめたり、自分の経験に当てはめて言い換えたりすれば良いのである。満点を取れる綺麗な答えでなくても良いので、空欄にすることだけはなんとしても避けて、部分点は取れるよう、過去問で経験を積んでおきたい。 

知識

文法では、係り受けや接続詞、言語事項ではことわざ・慣用句や熟語などが多く出題されている。漢字と合わせて、特に難問が出されるわけではないので、手を抜かずに学習して得点源にしたい。

まとめ

素材文を読むスピードをつけること。特に、文学的文章の比重が大きい試験なので、試験勉強としてだけでなく、日常的に読書する習慣を持ちたい。主人公が受験生と年齢の近い少年少女である物語が多いので、そのような本を読めばある種、共通するテーマにも触れることだろう。

・「自分で考える」型の記述問題は、やはり社会や人間について深く考えた経験が役に立つ。少し「大人な」視点で多くの書物に触れておけば有利である。

・知識問題はよく出されている範囲があるので、基本的なレベルの事項は、一通りは頭に入れておこう。

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2018年度「東洋英和女学院中学部の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

2018年度では小説1題のみ8300字ほどの長文読解が出題された。総解答数は27問。うち、13問が記号選択の問題で、50字ほどと120~150字ほどの記述問題・計2問が出されている。

本文を読むスピードがあれば、時間は足りるだろう。長文記述はやはり時間がかかるので、他の問題はなるべく早く終えて十分な余裕を残したい。他の問題の難易度はさほど高くはないので、時間と得点を稼ぎたいところである。

【大問1】小説の読解

  • 難度:標準
  • 時間配分:45分
  • ★必答問題

主人公は学校で友達ができず、ゆいいつ意地悪でうそつきの房太郎とはある程度の打算的な付き合いがあった。しかし転校してきた京子の存在が、房太郎との関係に変化を生じさせる。

問一 停車場―駅よりも広い意味で、操車場や車両の行き違い場所なども含まれる。
   帳面―ノート。

問二 a.「合点」同意・納得などの意味であるが、ここは勉強がわかる・わからないという話である。
   b.勉強を教わることで先生に「厄介をかけた―お世話になった」くらいの意味で使っている。

問三 A 文の順番を入れ替えている。
   B 木の動きを人間の動きに例えている。

問四 冒頭の「中学に入れると思うかい?」という質問に対する答え「入れるさ、大丈夫だよ。」を受けて「そう思うかい?」と訊いている。

問五 房太郎より自分の方が勉強ができることに対しての「優越感」である。アの「勉強をさぼっていることを知っている」は関係ない。

問六 房太郎はちゃんと勉強している、と嘘をついている。いくら主人公に励まされても勉強していない事実は変わらないので、不安は消えないのである。

問七 傍線④の直前と、40行ほど後の部分で、ほぼ房太郎としか付き合いがないことが理由も含めて述べられている。

問八 房太郎にからかわれている可能性を考えず、本当に頼まれたのだと思って下駄を拾った行動を指している。他の女の子はからかわれていることを知っているので相手にしていない。

問九 村の子供たちに馴染めないという点で二人は共通している。京子は町の出身で村の子供とは振る舞いや雰囲気が違うこと、主人公は父親が軍人上がりの役人であることが、仲間外れの理由として挙げられている。

問十 「敵意」は問題を解く速さを競い合うライバルとして、「親しみ」は数学の特別問題をあてがわれる数少ない優秀な仲間として、それぞれ感じたものであろう。

問十一 傍線直後で具体例を挙げ、その後でその心理を解説しているので、そこを使う。

問十二 ア 京子とは仲良くなっていないし、もし房太郎と京子が仲良くなっても主人公が一人になるかはわか
      らないので×。
    オ 主人公も京子に好意を持っていて、手紙を渡すことに少なからず危機感(嫉妬心)があったと思われ
      るから、二人がうまくいく可能性は考えているので×。

問十四 他の女生徒のような控えめな感じではなく、まっすぐ相手を見てはっきり返事をしている。

問十五 京子が手紙を破いて捨ててしまったと聞いて内心は動揺しているが、主人公の前では大したことない風を装っている。

問十七 まずは房太郎に対しては手紙を渡した体で接するという演技が必要になる。また、実際は渡していないにもかかわらず「先生や親たちに叱られそうな怖れを感じなければならないような気持が去らなかった」ともある。

<時間配分目安:45分>

攻略のポイント

小説は必ず出題があると思って十分対策を講じておくのは当然として、説明的文章も年度により出される可能性は常にあるので油断してはいけない。

選択肢問題が多いのも変らぬ傾向なので、類似問題で練習を。長文記述も同程度の字数で物語の主題・あらすじをまとめてみるなどすれば良い練習になるだろう。難易度の低い問題でしっかり点を取って記述問題で少しでも上積みしたい。

言語事項も必ず出されている。問題集など教材を一冊しっかり仕上げてこの分野が足を引っ張らない程度の実力はつけておこう。

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