第2回 理Ⅲ合格K君の指導実例
前回は、東大合格をもっともスムーズにサポートするための具体的な方法をレポートしました。
今回ご紹介するのは、実際に家庭教師指導により東大合格へ導くことができた成功例のうちの1件です。東大を目指される方は、ぜひ参考にしてみてください。
1. 担当時の対象生徒(K君)について
担当時期 | 高3 4月から |
---|---|
担当生徒性別 | 男子 |
担当生徒在籍高校名 | 桐蔭学園高校 |
担当時模試偏差値 | 高2時最終偏差値35 (河合塾【国立理系型】) |
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2. 指導計画(担当開始時の打合せ)
①現状での学習準備状況を十分教えていただき、問題点のカウンセリング
②本人に充分な準備の必要性を説明したうえで、本人同意のもと、学習計画の作成
③具体的な学習計画の作成
(A) 4月~6月 :基礎力養成時期
入試の基礎力作成および、問題解法の基礎解法取得を完成するため、『理系のチャート168』1冊を3回転できる学習計画を作成。
(B) 7月~8月 :入試レベルの実力養成時期
『1対1対応の演習』シリーズを2回転できる学習計画を作成。
(C) 9月~11月 :過去問題解答への実力養成時期
東大理系の過去問題10年分が完成できる学習計画を作成。
(D) 12月 :東大理系の予想問題徹底演習時期
最終段階で、具体的な計画を作成。
(E) 1月~入試本番まで:最終チェック
この時期は状況を確認して、最終的に学習計画を作成。
3. 実際の指導経過
(A) 4月~6月 :基礎力養成時期
入試の基礎力作成および、問題解法の基礎解法取得に最適な本の完成。
『理系のチャート168』を1冊、3回転学習して毎回テストにてチェックし、完璧に仕上げた。(補足事項もかなり注入)
(B) 7月~8月 :入試レベルの実力養成時期
『1対1対応の演習』シリーズの必要事項を整理し、その問題を、学習計画にて完成。こちらは2回転して、毎回テストにてチェックし、完璧に仕上げた。(補足事項もかなり注入)
(C) 9月~11月 :過去問題解答への実力養成時期
東大理系の過去問題10年分を徹底的に学習。頻出傾向を充分説明し、予想問題を交えながら完全チェック。当初、4割程度しか解けなかった状態から、最終的には平均8割弱の得点取得になった。この時期に自信をつけ、数学が得点源となってきた。
(D) 12月 :東大理系の予想問題修得時期
東大の過去問題を徹底演習。これは、長年の経験から、私が貯めてきた『分野別融合問題』である。その徹底チェック&演習。
(E) 1月~入試本番まで:最終チェック
この時期は、数学についてはほぼ完璧な状況になっていたので、化学・生物の確認により多くの学習時間をつぎ込むことができた。
4. 偏差値の推移
受験時期 | 模試(予備校名) | 総合偏差値 | 数学偏差値 |
---|---|---|---|
6月 | 河合塾 | 42 | 52 |
9月 | 河合塾【全統マーク模試】 | 62 | 72 |
10月 | 河合塾 【全統記述模試】 | 63 | 79 |
11月 | 河合塾【全統マーク模試】 | 72 | 80 |
11月 | 河合塾 【全統記述模試】 | 74 | 82 |
5. 計画実行のポイント
約8か月間の指導によって、K君の力が飛躍的に伸びたことがおわかり頂けると思います。
ポイントの1つは、私の指示した学習計画を、K君が大変素直に受け入れてくれたことです。そしてもう1つは、(A)(B)(C)期間の学習計画を、予定通りに消化できたことです。そのおかげで12月の(D)期間には、オリジナルの『分野別融合問題』に取り組むことができ、数学についてはほぼ完璧といえる状況にまで仕上げることができました。
この計画を予定通り消化するためには、限られた時間で、可能な限り効率的なやり方をする必要がありました。具体的には、前回に書いた ≪私の推奨する学習法≫ です。確認のため、再掲します。
問題を読んで考える時間を10分以内とする ⇒『分からない』⇒『答えをじっくり読む』⇒『答えを完全に理解する』⇒『解答を紙に再現してみる』⇒『また、数時間後に解きなおす』
この方法を貫徹することで、K君は質の高い問題の解答パターンを多く理解し、自分のものにしていきました。その結果、「制限時間内に、解答欄に多くの正解を記入できる」という合格者の条件を満たすことができたのです。
6. 最終受験合格状況
国立
国立大学名 | 学部名 | 合否 | |
---|---|---|---|
1 | 東京大学 | 理科Ⅲ類 | 合格 |
私立
私立大学名 | 学部名 | 合否 | |
---|---|---|---|
1 | 慶應大学 | 医学部 | 合格 |
2 | 東京慈恵医大 | 医学部 | 合格 |
3 | 日本医大 | 医学部 | 合格 |
4 | 順天堂大 | 医学部 | 合格 |
7. 最後に
このK君は、私が今まで教えた生徒の中でも、もっともうまく導けた生徒といえます。振り返りますと、以下の3つの点が成功の要因であったように思われます。
① 常に素直に学習計画等を実行してくれたこと。
② 保護者も非常に協力的で、学習計画等に特に口出しをするわけではないが、一定の距離感を持った上で、体調管理など、影で支えてくれたこと。
③ 受験の粘り強さと向上心を最後まで貫き通してくれたこと。