2012年　首都圏最強の進学校はどこか？

首都圏（東京、埼玉、千葉、神奈川）の高校から、国立4 大学（東大、東工大、一橋大、京大）と国公立大医学部に合格した人数を調べ、難関大への『合格力』を比べた。資料は㈱大学通信からの提供、分析は安田教育研究所。

◆上位40 校が全体の7 割の合格者を生む

下表では、「４大学＋医学部」の現役合格者数が多い学校の順に並べた。
東大現役合格者を前年より20名以上増やした開成は、「４大学＋医学部」では、現役176名（前年161名）、現役と浪人を合わせた総数で285名（同245名）と、一学年400名の、現役で44％が、総数で71％が難関大に合格。東大理Ⅲも11名（内現役9名）と、首都圏では、ずば抜けた強さを見せている。
首都圏全体の「４大学＋医学部」合格者数は、4,336名（うち現役2,570名）。一方、表に掲げた40校の合格者数は3,083名（うち現役1,828名）。現役、総数とも、上位40校が、首都圏全体の合格者数の7割以上を生んでいることになる。40校の設置者別内訳は、国立が3校、公立が9校、私立が28校と、私立優位は変わっていない。

◆地域別、設置者別シェア

下表では各大学等の合計を、地域別、設置者別に分け、現役合格者数の首都圏全体に占める割合（シェア）を調べた（埼玉、千葉の国立は割愛）。
「４大学＋医学部」の地域別シェアは、埼玉…8.1%（前年8.2%）、千葉…9.8%（同7.9%）、東京…61.6%（同62.8%）、神奈川…20.5%（同21.0%）と、東京が大きいが、前年と比べると、埼玉、神奈川とともにダウン、千葉だけがアップしている。
設置者別のシェアでは、国立…7.6%（同10.2%)、公立…24.4%（同20.2%）、私立…68.0%（同69.6%）と、国立と私立が縮小、公立が拡大している。公立は、全地域で伸ばしているが、とくに神奈川の、前年97名→今年136名が大幅。逆に、国立は、前年236名→今年198名と、大きく減らしている。

◆占有率で比べる

下表からは、今春「4大学＋医学部」に1名以上の合格者を出した首都圏の250校について、合格者数を今春の卒業生数で割った「占有率」を求め、現役の占有率の高い学校の順に並べた。
前年と比べると、①開成…44％（前年3位、39％）、②筑波大駒場…43.6％（同1位、56％）、③ 聖光学院…43.4％（ 同6位、31％）、④駒場東邦…37％（同5位、32％）、⑤栄光学園…34％（同4位、35％）と、上位の動きは少ない。
東大、医学部それぞれの合格者数を「４大学+医学部」で割ると、東大が多いのは、筑波大附属駒場…94％、栄光学園…82％、開成…79％など。医学部が多いのは、開智…46％、巣鴨…40％、桜蔭…39％、豊島岡女子…34％など。志向の違いが際立つ学校がある。
このほか、おもな国公立26大学（表の下に大学名）の合格者数を調べた。参考にされたい。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　情報提供：安田教育研究所