青山学院大学 文学部 英米文学科 C方式の国語
入試対策と勉強法
青山学院大学 文学部 英米文学科 C方式の国語
ここでは、青山学院大学の文学部日本文学科(A方式)・英米文学科(C方式)を目指す方に対して、国語の試験の出題傾向や試験合格のための勉強法、さらに、おすすめのテキストをご紹介いたします。なにから始めればいいのかわからない、効率的に勉強したい受験生は、ぜひ参考にしてください。
本大学の「一般選抜」は、「全学部日程」と「個別学部日程」とがあり、さらに学部・学科によって実施される教科・科目に応じたいくつかの「方式」に分かれ、多種多様な入試パターンが用意されています。受験生にとっては有難い限りですが、複雑でもあるので、しっかりと情報を確認しましょう。
尚、本稿では、文学部「英米文学科C方式」、「日本文学科A方式」の2024年度の「国語」に準拠しています(ただし、必要に応じてそれ以外・以前の入試問題に言及している場合もあります)。
青山学院大学文学部英米文学科(C方式) 国語試験の出題傾向とは
出題範囲(分野)
出題科目は、「英米文学科C方式」は「現代の国語」「言語文化(「漢文」を除く)」、「日本文学科A方式」が「現代の国語」「言語文化」「古典探究」です。
「現代文」は論説文(評論文)2題が基本です(ただし、かつては1題が随筆であったり、論説文の一部に小説が引用されたりしている年度もあった)。文章内容は哲学論・経済論・政治論・思想論、文学論・社会論・文化論・言語論・音楽論・心理学論等と多種多様で、硬質な文章が多くやや読みづらいです。24年度は文化人類学論の松村圭一郎「旋回する人類学」と社会論の中島岳「思いがけず利他」でした。
「知識」は小問として扱われ、漢字(読み・書き)、語句の意味、四字熟語、口語文法等の幅広い分野から出題されます(稀に文学史の出題もある)。
「古文」も2題で(ただし、「英米文学科C方式」では1題のみを解答)、古代~近世の物語(歌物語含む)、日記、随筆、説話といった題材(和歌も含まれる)が多いようです。24年度は平安時代成立の歌物語の作者未詳「大和物語」と鎌倉時代成立の物語評論の作者未詳「無名草子」でした。文語文法から現代語訳、内容解釈までの総合的読解力、そして、歴史的背景を含めた古典常識も問われます。ちなみに、文学史は必出です。
「漢文」は独立した大問での出題はありませんが、小問(返り点、書き下し文等)として問われる場合があります(ただし、2015年度以降は未出)。
出題量と時間配分
問題文の文章量は、「現代文」が2題合わせて5000~8000字程度とバラつきがありますが、他校と比較してやや多めです(24年度は約7600字)。
「古文」は900~1700字程度と、標準よりやや多くなっています(24年度は約2300字)。
「英米文学科C方式」の試験時間は60分です。戦術重視でスピード勝負の側面があるので、先に「古文」を20分弱で手際よくこなし、「現代文」は40分強をかけてしっかりと解いていきましょう。
「日本文学科A方式」は90分で、「古文」は40分程度、「現代文」が50分ほどになります。
配点は「英米文学科C方式」が100点/300点、「日本文学科A方式」は150点/350点です。
出題形式
大問は4題です。
大問一は論説文(評論文)で、小問は10問程度です(解答数は10~13。そのうち1~2問ほどが「記述式」です。ただし、「マーク方式」だけの年度もあります。24年度は11問で解答数も11、「記述式」は2問)。
大問二が「古文」で、小問は8~12問ほどです(解答数は9~12で、そのうち1~3問程度が「記述式」です。2015年度以降、「マーク方式」のみの年度はありません。24年度は11問で解答数も11、「記述式」は1問です)。
大問三は論説文(評論文)で、小問は9~13問程度です(解答数もほぼ同じです。そのうち1~3問ほどが「記述式」です。ただし、「マーク方式」だけの年度もあります。24年度は11問で解答数も11、「記述式」は2問です)。
大問四が「古文」で(ただし、「日本文学科A方式」のみが解答)、小問は8~12問ほどです(解答数は9~12で、そのうち1~3問程度が「記述式」です。24年度は12問で解答数も12、「記述式」は2問です)。
解答形式
「マーク方式」と「記述式」が混在しています。
「現代文」の「マーク方式」では傍線部内容や空所補充(接続詞、副詞が頻出)、内容(非)合致、理由説明、換言説明、脱文挿入、そして、口語文法など。
「記述式」では抜き出し問題(空所補充、換言説明等)や漢字、四字熟語、慣用句等の知識問題などの出題があります。
「古文」では文語文法、現代語訳や内容解釈、換言説明、主語特定、本文合致、和歌修辞法などが、「マーク方式」と「記述式」で出題されます(助動詞の活用形は「記述式」の定番)。また、文学史は必出で古典常識も頻出しています。
「現代文」「古文」ともに、いわゆる説明記述の出題はほとんどありません。
青山学院大学文学部英米文学科(C方式) 国語試験を攻略するための勉強法
知識問題
本学部・本方式の漢字(読み・書き)等の「知識問題」は、レベルとしては標準的なので、誤答は致命的になります。当然ながら、万全の準備が必要になるので、先ずは「己が実力」を把握することが重要です。「共通テスト(センター試験)」の漢字問題(要は同音異字、同訓異字の判別)が「基礎的語彙力」のひとつの目安になります。最低10年分以上の過去問をこなしてみましょう。その結果次第で、具体的な学習を進めていきます。
尚、以下のサイトは漢字問題だけがまとめられていて便利です。
http://www.kanjijiten.net/center/index.html
「現代文」解法①
論説文(評論文)に特有の「解法」、そして全てに共通する「解法」を理解し定着させ、応用するために重要なのは復習の仕方です。「考え方のプロセス」をトレースすることが必須で、特に間違った問題が肝要になります。誤ってしまった分岐点をしっかりと確認しておくことが重要で、いくつもの練習問題を通じて同種の設問に共通する「解き方のプロセス」を身につけましょう。それが「解法」になります。
尚、具体的解法に就いては、本HPの別サイト「大学入試”王道現代文”」を御覧ください。
「現代文」解法②
本学部・本方式で注意したいのは判別しづらい選択肢設問です。対応するためには、先ずは設問に対する読解力を培う必要があります。設問はそもそも何を問うているのかを常に把握しながら、問題練習を繰り返すことが重要です。
そして、選択肢消去の仕方に習熟する学習も重ねましょう。「換言説明」であれば傍線部の「原意」(要は本来の意味)にこだわった「原意消去」、「理由説明」であれば「直接的理由」として結びつくかどうかによる「消去」などを常に意識することが肝要です。また、接続詞、副詞などが頻出の空所補充では、代入確認を絶対に忘れないようにするための練習を繰り返すことが不可欠です。
「現代文」解法③
頻出の抜き出し問題に対する準備も必須です。多様な内容が問われますが、とにかく基本練習を徹底させましょう。先ずは抜き出すべき内容を設問等から的確に把握した上で、抜き出し範囲を絞り込む(原則的には「同一意味段落」)。そして、「条件」に合致する抜き出し候補を探す(候補はひとつとは限らないので要注意)。こうした練習を積み重ねることが肝要です。
古典
先ずは重要古文単語および「文法」を徹底的に習得する必要があります。現代語訳をする上での最重要ポイントであり、文法や単語の意味は直接問われます(頻出)。特に助動詞、助詞の「意味・用法・接続」は完全に定着させることが肝要です。そのためにも品詞分解は徹底的に練習する必要があります(直接的な出題もある)。また、敬語も頻出なので習得が必要です。さらに、文学史はほぼ必出で和歌修辞法も含めた古典常識も問われので、それらの事項もしっかりと確認しておきましょう。
推奨テキスト
ここからは、勉強に役立つテキストをご紹介します。テキストには相性がありますので、できるかぎり書店で手にとって確かめることをおすすめします。
ここではテキストを知識対策篇、現代文対策篇、古文対策篇、過去問対策篇に分けてご紹介します。
知識対策篇
(1)『漢字 一問一答【完全版】』(東進ブックス)
(2)『現代文最重要語句らくらく練習帳』(学研プラス)
(3)『新版完全征服 頻出現代文重要語700 [三訂版]』(桐原書店)
(4)『現代文キーワード読解[改訂版]』(Z会出版)
前項の「大学入学共通テスト(漢字問題)」チェックで、5割未満の場合は(1)から、6割は(2)から、7割は(3)から、8割は(4)から始めるのがひとつの目安です。反復練習して完全定着させましょう。特に(4)では、「キーワード編」のみならず「頻出テーマ編」も熟読し、完全に理解することが重要です。
尚、「文学史」対策としては、『SPEED攻略10日間 国語 文学史』(Z会出版)が時系列も理解でき、コンパクトにまとめられていてオススメです。
現代文対策篇
(1)『システム現代文 バイブル編(改訂新版)』(水王舎)
初級レベルです。
「解法」って何? といった皆さんにお薦めの入門書です。根本を徹底的に解説しており、マスターすれば「解法」は一通り理解できます。
(2)『マーク式基礎問題集 現代文(河合塾シリーズ)〈九訂版〉』(河合出版)
初~中級レベルです。
「正解の根拠」を明確にした詳細な「解説」に定評があり、「入試現代文」の「マーク方式問題」への突破口を開く一冊です。
(3)『現代文 解法の新技術(大学受験スーパーゼミ徹底攻略)』(桐原書店)
中級レベルです。
あらゆる問題形式に対応した「解法」を明示しています。中堅から上位校へのステップアップ段階の一冊です。
(4)『入試現代文へのアクセス 完成編(河合塾シリーズ)』(河合出版)
中~上級レベルです。
「読解へのアクセス」で問題点を喚起し、「選択肢設問」の「消去の根拠」も明記されており、「解法理解度」を自己確認できます。自らの実力を把握することで、青学合格に自信が持てる一冊です。
(5)『現代文読解力の開発講座(駿台受験シリーズ)(新装版)』(駿台文庫)
上級レベルです。
「読解力」と「解答の論理力」を講義形式の解説で養成しています。文章を客観的に捉える術が習得でき、青学文学部合格を確実にする一冊です。
(6)『入試現代文へのアクセス 発展編〈改訂版〉』(河合出版)
最上級レベルです。
「正解へのアクセス一覧表」により「着眼点」の曖昧さを自らチェックし、払拭できます。最終確認のための一冊です。
古文対策篇
(1)『重要古文単語315(三訂版)』
(2)『標準古文単語650(三訂版)』(ともに桐原書店)
前者を反復して完全定着させた上で、後者を数回丁寧に通読しましょう。それで古文の「語彙」はほぼ心配ありません。
(3)『ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル(三訂版)』(河合出版)
「文法」の基本が分かりやすくまとめられています。「例文」は「品詞分解」し「現代語訳」も必ずこなしましょう。
(4)『大学入試 全レベル問題集 古文 4 私大上位・私大最難関・国公立大レベル 新装版』(旺文社)
最難関私大などの良問14題を収録し、分かりやすく解説しています。古文の5つのジャンル別対策が掴める「古文ジャンル解説」、重要な文法と語句を併記した「現代語訳」、全ての問題に通じる最強の「読解ルール」で、「古文」の「読解」に自信が持てる一冊です。
(5)『速読古文常識』(Z会出版)
「古典常識」習得用です。必修300語を収録しており、実戦的トレーニング文章の文脈で効率的に定着可能です。共通テストから難関私大まで対応しています。
尚、「和歌修辞法」等に就いては、学校配布の『国語便覧』も活用しましょう。
過去問対策篇
『青学文学部「英米文学科C方式」「日本文学科A方式」』
実践レベルです。
10年分以上をしっかりと解いて、「解法」をトレースすることが重要です。
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