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青山学院大学 教育人間科学部 心理学科の小論文
入試対策と勉強法

出題傾向・攻略のための勉強法・推奨テキスト

青山学院大学 教育人間科学部 心理学科の小論文

ここでは、青山学院大学の教育人間科学部心理学科を目指す方に対して、小論文の試験の出題傾向や試験合格のための勉強法、さらに、おすすめのテキストをご紹介いたします。なにから始めればいいのかわからない、効率的に勉強したい受験生は、ぜひ参考にしてください。

本大学の「一般選抜」は、「全学部日程」と「個別学部日程」とがあり、さらに学部・学科によって実施される教科・科目に応じたいくつかの「方式」に分かれ、多種多様な入試パターンが用意されています。受験生にとっては有難い限りですが、複雑でもあるので、しっかりと情報を確認しましょう。
尚、本稿では、教育人間科学部「心理学科」の2024年度の「小論文」に準拠しています(ただし、必要に応じてそれ以外・以前の入試問題に言及している場合もあります)。

 

青山学院大学の教育人間科学部心理学科 小論文試験の出題傾向とは

出題範囲(分野)

出題科目(範囲)としては「日本語の文章やデータを読み、物事を論理的に考察し、自分の考えを的確に表現できる力を総合的に問う論述等を課す」となっています(本大学の選抜要項)。
心理学科の小論文は大問(設問)2題で、「アドミッションポリシー」には「日本語の文章を論理的に読み解き、その理解に依拠したうえで自分の考えを、適切な日本語表現を使って展開できる能力が求められる。また、人の心や社会問題に対する関心および知識を持っているかを問う。提示されたデータから情報を読み取り、その情報および自分の知識に基づいて論理的に考える力があるかどうかを判断する」と記されています。

24年度の設問Ⅰは「論理パズル」に関する2つの会話文に就いて、問1問2で「パズルの解答」を出すことが求められ、問3では問1問2の「解答に至る思考過程」を説明した上で、両者の考え方の共通点を800字以内で論述することが求められています。

設問Ⅱは「図表を読解したうえで論述する出題」で、提示されている「SDGsやエシカル消費」に関する2つの図に就いて、問1で2つの図から読み取れることを300字以内でまとめ、問2ではSDGsやエシカル消費に取り組む人を増やすための方法を300字以内で論述します。

出題量と時間配分

24年度の設問の課題文の文章量は約600字で、他の私大上位校と比較していたって短いですが、「パズルの解答」を答え、「解答に至る思考過程」を説明した上で、両者の考え方の共通点を800字以内で論述することが求められています。

設問では2つの図を読み取った内容をまとめた上での(300字以内)、「見解論述」(300字以内)が課されています。
試験時間は90分です。トータルで1400字以内という「論述」を記さなくてはなりません。当然、全く時間的余裕はありません。設問を50分程度でこなし、残りの時間を設問に当て、丁寧にまとめ上げていきましょう。

出題形式

24年度の設問は「2015年シンガポール&アジア数学オリンピック」を出典とした2つの会話文に就いて、問1問2でそれぞれの「論理パズルの解答」を出した上で、問3では両者の考え方の共通点を800字以内で「論述」します。

設問では、提示されている「SDGsやエシカル消費」に関する2つの図に就いて、問1で2つの図から読み取れることを300字以内でまとめ、問2ではSDGsやエシカル消費に取り組む人を増やすための方法を300字以内で論述します。
今後も、教育人間科学部心理学科の小論文では、図表から読み取れる「内容説明論述」や比較分析結果から考察される「見解論述」が求められることが予想されます。

 

青山学院大学の教育人間科学部心理学科 小論文試験を攻略するための勉強法

知識

小論文や「図表分析」と「知識」は無関係、とは無論なりません。24年度の論理学に限らず今後も多種多様な分野からの出題が考えられ、課題文として論説文(評論文)が課されることもありえます。その内容を理解し咀嚼する為には、難解な語句や頻出テーマに関する「キーワード」を読み解く「語彙力」が当然、必要になります。さらに、「見解論述」での誤字・脱字は確実に減点要素になるので、漢字ひとつたりとも疎かにはできず、高度な語彙力を養成する必要があります。その為には、先ずは「己が実力」を把握することが重要で、「共通テスト(センター試験)」の漢字問題(要は同音異字、同訓異字の判別)が「基礎的語彙力」のひとつの目安となります。最低10年分以上の過去問をこなしてみましょう。その結果次第で、具体的な学習を進めていきます。
尚、以下のサイトは漢字問題だけがまとめられていて便利です。
http://www.kanjijiten.net/center/index.html

読解

小論文という出題教科であっても、課題文や図表が示され、それに就いての設問として「語句記述」「説明記述」「見解論述」等があるのですから、その点では「現代文」の問題と捉えなくてはいけません。当然、課題文の内容をいかに正確に読み取るかが最優先となります。基本は論説文(評論文)で、そこで肝要になるのが最重要解法である「Nの法則」の習得です。本文を「序論」「本論」「結論」に分け、「論旨」が述べられている「序論部」「結論部」の「対応関係」および「本論部」での「段落相互関係」に着目して読解するという手法を完璧に理解、定着させ、応用できるようになるまで問題練習を重ねることが重要です。
尚、読解に際しては「出題の意図・狙い」で指摘されている「人間と社会について論理的に思考・判断」するという視点を意識することが肝要です。
尚、具体的解法に就いては、本HPの別サイト「大学入試”王道現代文”」を御覧ください。

説明記述

長文の内容説明論述問題は必出でその対策は不可欠です。24年度の指定字数は800字以内と、とても長いです。「説明論述」で必要なひとつの要素は通常20~30字程度なので、先ず「最も重要な要素」を的確に把握し、その他の「要素」は設問内容から必要度の優先順位を特定できるように徹底的に練習することが肝要です。そして、正否の分かれ目となる「最重要な要素」を「文末」として他に「必要な要素」を積み上げていく(積上げ方式)という手法を、練習問題などを通じて完璧にマスターしましょう。また、「要約記述問題」の可能性もあるので、十分に練習して慣れておきましょう。

視点・論点

課題文があり、いくつかの「論点」が提示されているとはいえ、それをなぞっただけでは単なる感想文になってしまいます。受験生各位の「見解」を論述するのですから、当然、独自の「視点」が必要になります。幅広い議論の可能性を有している中で、如何に説得力のある「視点」を提起できるかが成否を分けるので、常日頃から「人の心や社会問題」全般に対して関心を向け、研ぎ澄まされた問題意識を持ち続けていることが重要になります。さまざまなメディアを通じて、日本や世界の人々のメンタル状況や社会的事象をキャッチすべくアンテナを張り巡らせておくことが肝要だ。その際、未知の事象に関してはメモとしてまとめておきましょう。具体例が求められた場合のストックとなるはずです。

論述

300字(24年度)という制約の中で「自らの見解」を的確に論じるには、構成メモの作成が不可欠です。脳内イメージを可視化、客観的に捉える作業になります。最重要な「論旨」、説明に必要な「論点」(提示されているものも含め)や「視点」をアトランダムに記し、整理してチャート化します。その上で、「見解」を「頭括型」の論述としてまとめるべく各要素を取捨選択するのです。その際には、「批判的スタンス」の「視点」を特に意識し、「カウンター」としての「論点」も用意することが肝要です。
尚、「序論」「本論」「結論」は「1:3:1」が原則です。こうした構成メモの作成練習を繰り返すことが重要です。実際の「論述練習」では、「添削指導」を受けることが必須です。

 

推奨テキスト

ここからは、勉強に役立つテキストをご紹介します。テキストには相性がありますので、できるかぎり書店で手にとって確かめることをおすすめします。
ここではテキストを知識対策篇、読解力対策篇、説明記述対策篇、見解論述対策篇、過去問対策篇に分けてご紹介します。

知識対策篇

(1)『漢字 一問一答【完全版】』(東進ブックス)
(2)『現代文最重要語句らくらく練習帳』(学研プラス)
(3)『新版完全征服 頻出現代文重要語700 [三訂版]』(桐原書店)
(4)『現代文キーワード読解[改訂版]』(Z会出版)

前項の「大学入学共通テスト(漢字問題)」チェックで、5割未満の場合は(1)から、6割は(2)から、7割は(3)から、8割は(4)から始めるのがひとつの目安です。反復練習して完全定着させましょう。特に(4)では、「キーワード編」のみならず「頻出テーマ編」も熟読し、完全に理解することが重要です。

読解力対策篇

(1)『システム現代文 バイブル編(改訂新版)』(水王舎)
初級レベルです。
「解法」って何? といった皆さんにお薦めの入門書です。根本を徹底的に解説しており、マスターすれば「解法」は一通り理解できます。

(2)『現代文読解力の開発講座(新装版)』(駿台文庫)
中級レベルです。
文章を客観的に捉える術が丁寧に説明されており、中堅から難関私大へのステップアップ段階の一冊です。

(3)『現代文と格闘する(三訂版)』(河合出版)
上級レベルです。
「文章を読み繋ぐ」ことを主眼として、その為のシンプルな「視点」を提案しています。教育人間科学部教育学科の小論文の課題文を確実に読解する一冊です。

※尚、(2)(3)には「要約問題」があるので必ずこなしましょう。

説明記述対策篇

(1)『得点奪取 現代文[三訂版]』(河合出版)
初級レベルです。
「記述問題」から「説明・要約問題」までを明快に解説し、「説明論述」のポイントを確実に学ぶ為の一冊です。

(2)『[記述篇]現代文のトレーニング(改訂版)』(Z会出版)
中級レベルです。
頻出テーマに沿った問題構成で、「完成度」も自ら把握できます。「説明論述」の総仕上げへ向かっては不可欠の一冊です。

(3)『上級現代文Ⅰ・Ⅱ』(ピアソン桐原)
上級レベルです。これまでに演習してきた「論述問題」の考え方、解き方が定着しているかどうかをチェックできます。教育人間科学部心理学科の小論文の説明論述攻略へ最終段階の二冊です。

見解論述対策篇

(1)『吉岡のなるほど小論文講義10[改訂版]』(桐原書店)
初級レベルです。
「小論文とは何か?」「どのように文章を組み立てたらよいのか?」という基礎・基本を体系的に解説しています。入門から基礎力養成の一冊です。

(2)『資料と課題文を攻略して合格答案を書くための 小論文のオキテPRO』(KADOKAWA)
中級レベルです。
入試で戦える「解き方」が身につきます。「小論文のオキテ」を習得でき、「コミュニティ人間科学部」の「論述」で必要となる可能性がある「図表読み取り」のポイントもつかめる一冊です。

(3)『小論文を学ぶ――知の構築のために』(山川出版社)
上級レベルです。
「読みと書きの技術論」「小論文に必要な知の構築」「実践演習を通じての知の習得」の3部構成で、「論述」で8割以上の得点ゲットをターゲットに据える一冊です。

(4)『小論文 テーマ別課題文集 21世紀を生きる[改訂版]』(駿台文庫)
最終レベルです。
「主要頻出テーマ」ごとの「論点整理」「キーワード解説」が充実。万全を期すための一冊です。

(5)『文藝春秋オピニオン○○✕✕年の論点100』(文藝春秋/毎年11月発売)
毎年の日本の様々な「争点」が多角的に提起されており、「論点」「視点」の捉え方を習得できます。「時事対策」にも活用でき、「条件」として言及すべき「具体例」のストックにもなる一冊です。

過去問対策篇

『青山学院大学教育人間科学部「心理学科」独自問題(小論文)』
実践レベルです。
10年分以上をしっかりと解いて、「解法」をトレースすることが重要です。

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