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青山学院大学 総合文化政策学部 B方式の小論文
入試対策と勉強法

出題傾向・攻略のための勉強法・推奨テキスト

青山学院大学 総合文化政策学部 B方式の小論文

ここでは、青山学院大学の総合文化政策学部を目指す方に対して、小論文の試験の出題傾向や試験合格のための勉強法、さらに、おすすめのテキストをご紹介いたします。なにから始めればいいのかわからない、効率的に勉強したい受験生は、ぜひ参考にしてください。

本大学の「一般選抜」では、「全学部日程」と「個別学部日程」という2種類の試験が実施されていますが、以下の「入試傾向」は、2024年度の「一般選抜(個別学部日程)」の「論述」に準拠しています(ただし、必要に応じてそれ以外・以前の入試問題に言及している場合もあります)。

青山学院大学総合文化政策学部 小論文試験の出題傾向とは

出題範囲(分野)

「出題科目」は、「選抜要項」に「文章やデータを読み、分析する能力、自分の文章を論理的に展開できる力、自由に発想する力、自分の意見や発想を十分に表現する力を総合的に問う」と記されています。具体的には課題文に関して、■読解力(データの解読を含む)と表現力 ■論理的・批判的・多角的な思考力 ■現代の文化事象に関する知識を踏まえた問題発見力と解決提案力等が問われています。尚、2020年度までの「総合文化政策学部総合文化政策学科B方式」の「独自問題(小論文)」と比べ、出題形式・内容でいくつかの相違があるので、注意して下さい。課題文の文章内容は、「政治論」「社会論」「文化論」「国家論」「自由論」「経済論」「災害論」等々と実に多種多様です(2024年度は「道徳論」)。

出題量と時間配分

課題文の文章量は、5000~6000字程度で、他校と比較して標準的です(2024年度は約4800字)。試験時間は80分。2024年度のように大問がなく「論述」(700字程度)のみの年度は、「課題文」を5~6分で読了し、「構成メモ」は30分以上をかけてしっかりと作成し、残りの40分強で、「誤字」「脱字」などに細心の注意を払って、丁寧に論述していきましょう。23・22年度のように大問が2題の年度は大問の「選択肢問題」を30分ほど、大問の「論述」(700字程度)を50分程度で仕上げたい。配点は200点/350点。

出題形式

2024年度は大問なし、ひとつの「設問」で「論述」のみ(「700~800字以内」指定)。23・22年度は大問が2題で、大問は「選択肢問題」で、「小問」は3~5問、解答数は5~8程度、大問は3問の「小問」全てが「要約」及び「見解論述」で、合計「700字以内」指定です。

解答形式

「マーク方式」と「記述式」の併用となっています。
「マーク方式」では「空所補充」や「内容正誤判別」などが問われ、「記述式」では「要約記述」(200字以内)・「反論記述」(200字以内)・「見解論述」(300字以内)が求められます。

青山学院大学総合文化政策学部 小論文試験を攻略するための勉強法

知識

「論述」と「データ分析」なので「知識」は無関係、とは無論なりません。課題文である硬質な「論説文(評論文)」を理解し咀嚼する為には、難解な語句や頻出テーマに関する「キーワード」を読み解く「語彙力」が当然、必要になります。さらに、「要約」や「反論記述」「見解論述」での「誤字・脱字」は確実に「減点要素」になるので、「漢字」ひとつたりとも疎かにはできず、高度な語彙力を養成する必要があるのです。そこで、先ずは「己が実力」を把握することが重要になります。「共通テスト(センター試験)」の「漢字問題」(要は「同音異字」「同訓異字」の判別)が「基礎的語彙力」のひとつのバロメーターになるので、最低10年分以上の過去問をこなしてみましょう。その結果次第で、具体的な学習を進めていきます。

尚、以下のサイトは「漢字問題」だけがまとめられていて便利です。http://www.kanjijiten.net/center/index.html

読解

「論述」という「出題教科」であっても、「課題文」や「図表」が示され、それに就いての「設問」として「反論記述」「見解論述」等があり、「データ分析の正誤判別選択肢問題」(課題文中の「空所補充語句判別選択肢問題」もあり得る)もあるのですから、その点では「現代文」の問題と捉えなくてはいけません。「課題文」の内容をいかに正確に読み取るかが最優先となります。基本は「論説文(評論文)」であって、そこで肝要になるのが、「最重要解法」である「Nの法則」の習得です。本文を「序論」「本論」「結論」に分け、「論旨」が述べられている「序論部」「結論部」の「対応関係」および「本論部」での「段落相互関係」に着目して読解するという手法を完璧に理解、定着させ、応用できるようになるまで問題練習を重ねることが重要になります。読解に際しては「出題の意図・狙い」で指摘されている「人間と社会について論理的に思考・判断」するという視点を意識することが肝要です。尚、具体的解法については本HPの別ページ「大学入試”王道現代文”」をご覧ください。

要約記述

「大問」で課される「要約」の基本は「形式段落」の中心文をつないでいくことですが、「総合文化政策学部B方式」のように長い「課題文」(4000字程度)では字数的に困難なので、「論旨」中心にまとめることを旨として、「意味段落」の「序論部」+「結論部」+α(「本論部」からの補足)という形でまとめていきましょう。尚、今後は単なる「主旨(論旨)要約」ではなく限定的な「論点」「視点」が提示される場合があるかも知れません。そうしたときは、そこに焦点を絞って「主旨(論旨)」をまとめる必要があります。先ずは、「参考書」などを活用して、あらゆる「論点」「視点」を即座に把握できるようになるまで、「現代文」の「解法」に習熟した上で、多くの「問題集」に記されている「要約」や「問題文の要旨」等を活用して「記述練習」を重ねましょう。その際、「文法」「文脈」などの「文章の基本」や、「内容」が正確に伝わっているかどうか等に就いて「添削指導」を受けることが必要です。

反論論述

本方式の「設問」での最大の肝になります。「論理的に可能な反論」と設問に規定されているので、再反論が不可能なほどの確実な論拠を示した上での「反論」にする必要があります。その際にポイントとなるのは、「論点の選択」と「視点の変換」です。「A」に対する「反論B」の場合、いくつかある「A」の「論点」のどれに反論するのか、自らが最も論じやすいものを選択することが肝要になります。そして、「反論B」ではその「論点」に就いて「A」とは異なる「視点」で「論拠」を展開していきましょう。もちろん、「反論記述」といっても要は長文の「内容説明記述」なので(200字以内)、その記述方法はしっかりと押さえておく必要があります。「説明記述」で必要なひとつの要素は通常「20~30字程度」なので、先ず「最も重要な要素」を的確に把握し、その他の「要素」は「設問内容」から必要度の優先順位を特定できるように徹底的に練習することが肝要です。そして、正否の分かれ目となる「最重要な要素」を「文末」として他に「必要な要素」を5~10程度積み上げていく(積上げ方式)という手法を、過去問や練習問題などを通じて完璧にマスターしましょう。

見解論述

「300字以内」という制約の中で「自らの見解」を的確に論じるには、「構成メモ」の作成が不可欠になります。脳内イメージを可視化、客観的に捉える作業です。最重要な「論旨」、説得力溢れる説明に必要な「論点」(提示されているものも含め)や「視点」をアトランダムに記し、整理してチャート化していきます。その上で、「見解」を「頭括型」の「論述」としてまとめるべく各「要素」を取捨選択するのです。その際には、「批判的スタンス」の「視点」を特に意識し、「カウンター」としての「論点」も用意しましょう(前述したように、「出題の意図・狙い」で「批判的・多角的な思考力」が問われています)。そして、絶対に意識しなくてはならないのは、「大問2」の出題形式が「ディベート」そのものだということです。「Aの主張」(問1)→「Bの反論」(問2)→「Cの見解論述」(問3)となっているのです。したがって、それぞれを的確に連関させ、整合性が損なわれないようにしなくてはいけません。そこでは無論、求められている「問題発見力と解決提案力」をいかんなく発揮させることが求められます(同上「出題の意図・狙い」)。尚、実際の「論述練習」では、「添削指導」を受けることが必須です

推奨テキスト

ここからは、勉強に役立つテキストをご紹介します。テキストには相性がありますので、できるかぎり書店で手にとって確かめることをおすすめします。
ここではテキストを知識対策篇、読解力対策篇、要約・反論記述対策篇、見解論述対策篇、ディベート対策篇に分けてご紹介します。

知識対策編

『漢字 一問一答【完全版】』(東進ブックス)→②『現代文最重要語句らくらく練習帳』(学研プラス)→③『新版完全征服 頻出現代文重要語700 [三訂版]』(桐原書店)→④『現代文キーワード読解[改訂版]』(Z会出版)

前項の「大学入学共通テスト(漢字問題)」チェックで、5割未満の場合は①から、6割は②から、7割は③から、8割は④から始めるのがひとつの目安です。反復練習して完全定着させましょう。特に④では、「キーワード編」のみならず「頻出テーマ編」も熟読し、完全に理解することが重要です。

読解力対策篇

①『システム現代文  バイブル編(改訂新版)』(水王舎)…初級レベル。「解法」って何? といった諸君にお薦めの入門書。根本を徹底的に解説しており、マスターすれば「解法」は一通り理解できます。

②『現代文読解力の開発講座(新装版)』(駿台文庫)…中級レベル。文章を客観的に捉える術が丁寧に説明されており、中堅から難関私大へのステップアップ段階の一冊です。

③『現代文と格闘する(三訂版)』(河合出版)…上級レベル。「文章を読み繋ぐ」ことを主眼として、その為のシンプルな「視点」を提案しています。「総合文化政策学部B方式」の「論述」の「問題文」を確実に読解する一冊です。

※尚、②③には「要約問題」があるので必ずこなしましょう(「大問2」の「要約記述」の対策になります)。

要約・反論記述対策編

① 『システム現代文 論述・記述編(改訂新版)』(水王舎)…初級レベル。「説明記述問題」から「要約問題」までを明快に解説し、「要約記述」「反論記述」習熟の為に何を学習すればいいかが分かる一冊です。

② 『得点奪取 現代文[三訂版]』(河合出版)…中級レベル。「記述問題」から「説明・要約問題」までを明快に解説し、「要約記述」「反論記述」のポイントを確実に学ぶ為の一冊です。

③ 『[記述篇]現代文のトレーニング(改訂版)』(Z会出版)…上級レベル。頻出テーマに沿った問題構成で、「完成度」も自ら把握できます。「反論記述問題」の総仕上げへ向かっては不可欠の一冊です。

④  『上級現代文Ⅰ[改訂版]』(桐原書店)…最終レベル。自らの「解答の欠点」を「採点者の視点」でチェックできます。「段落要旨」や「全文要約」の他に「参考図書」も紹介されているので、「総合文化政策学部B方式」の「長文反論記述」対策に万全を期す1冊になっています。

見解論述対策編

① 『吉岡のなるほど小論文講義10[改訂版]』(桐原書店)…初級レベル。「小論文とは何か?」「どのように文章を組み立てたらよいのか?」という基礎・基本を体系的に解説しています。入門から基礎力養成の一冊です。

②  『資料と課題文を攻略して合格答案を書くための 小論文のオキテPRO』(KADOKAWA)…中級レベル。入試で戦える「解き方」が身につきます。「小論文のオキテ」を習得でき、「総合文化政策学部B方式」の「論述」で必出の「図表読み取り」のポイントもつかめる一冊です。

③ 『小論文を学ぶ――知の構築のために』(山川出版社)…上級レベル。「読みと書きの技術論」「小論文に必要な知の構築」「実践演習を通じての知の習得」の3部構成で、「論述」で8割以上の得点ゲットをターゲットに据える一冊です。

④ 『小論文 テーマ別課題文集 21世紀を生きる[改訂版]』(駿台文庫)…最終レベル。「主要頻出テーマ」ごとの「論点整理」「キーワード解説」が充実。万全を期すための一冊です。

⑤ 『文藝春秋オピニオン○○✕✕年の論点100』(文藝春秋/毎年11月発売)…毎年の日本の様々な「争点」が多角的に提起されており、「論点」「視点」の捉え方を習得できます。「時事対策」にも活用でき、「条件」として言及すべき「具体例」のストックにもなる一冊です。

ディベート対策編

①『反論が苦手な人の議論トレーニング』(筑摩書房)…初級レベル。「反論? どうすればいいの?」といった諸君向け。「問題の仕組みを明らかにする」「議論へのツッコミをいれる」「相反する意見をまとめてよりよい解決を提示する」という3つの技法が示されています。

②『即興型ディベートの教科書――東大で培った瞬時に考えて伝えるテクニック』(あさ出版)…中級レベル。賛成側・反対側の「立論」のコツとポイントがつかめて、「ディベート力」が鍛えられる一冊です。

③ 『ザ・ディベート――自己責任時代の思考・表現技術』(筑摩書房)…上級レベル。ディベート本来の「論理的に思考し表現する技術」という特徴が、具体的テーマに沿った形で詳しく説明されている一冊です。

過去問対策編

『青山学院大学 総合文化政策学部B方式』=実践レベル。10年分以上をしっかりと解いて、「解法」をトレースすることが重要です。

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