中央大学 法学部 国語
入試対策と勉強法
中央大学 法学部 国語
ここでは、中央大学の法学部を目指す方に対して、国語の試験の出題傾向や試験合格のための勉強法、さらに、おすすめのテキストをご紹介いたします。なにから始めればいいのかわからない、効率的に勉強したい受験生は、ぜひ参考にしてください。
※本大学では2021年度に大幅な大学入試制度改革が実施されました。それに伴い一般の選抜は、6学部共通選抜・学部別選抜(一般方式/英語外部試験利用方式/大学入学共通テスト併用方式)・大学入学共通テスト利用選抜[単独方式]という3つの選抜方法となっています。
本稿では、法学部の学部別選抜(一般方式)の説明となっています(同方式には「4教科型」と「3教科型」とがありますが、国語の問題は同じです)。また、大学入学共通テスト併用方式とも同じです。尚、本方式の試験は20年度以前の法学部の学部別選抜(一般方式)ともとても類似しています(但し、19年度以前は出題形式・内容は同じながら、学科によって問題そのものは違っていました)。
尚、準拠しているのは基本的に21年度の試験問題です(但し、一部は22年度や20年度以前にも言及しています)。
中央大学法学部 国語試験の出題傾向とは
出題範囲(分野)
試験教科・科目は国語総合です(漢文を除く、20年度以前も同じです)。
「現代文」は2題が基本で、論説文(評論文)がほとんどです。文章内容は本学部らしく法律論・政治論・哲学論をはじめとして、心理学論・進化論・脳科学論・情報論・文明論・科学論・文化論等と多種多様だが、硬質な文章は少なく比較的読みやすいでしょう(21年度は2題ともに哲学論で、藤原辰史「分解の哲学――腐敗と発酵をめぐる思考」と寺田俊郎「人間の尊厳の媒体としての人権」)。知識は小問として扱われ、漢字の書きとりが必出で、他に、語句の意味、四字熟語等からも出題される場合があります。
「古文」は1題で、主に古代~中世の物語が中心で(歌物語、軍記物語、歴史物語を含む)、随筆、紀行文、説話、日記、歌論といった題材(和歌も含まれる)もあります(但し、21年度は江戸後期の歌文集で村上春海「琴後集」)。設問では文語文法から内容解釈までの総合的読解力、そして、歴史的背景を含めた古典常識も問われます。
出題量と時間配分
問題文の文章量は、「現代文」が2題合わせて6000~8000字程度で、他の私大上位校と比較してやや多いでしょう。「古文」は400~1000字ほどと幅があるがほぼ標準的です。
試験時間は60分です。もちろん、決して余裕はないでしょう。正確さとスピードが重要になります。先に「古文」を15分程度で手際よくこなし、説明記述のある「現代文」は45分ほどをかけてしっかりと解いていきましょう。
出題形式
大問3題が定着しています(20年度以前も同様)。
大問一は長めの論説文(評論文)で、小問は原則的に7問で解答数は11~16程度です(そのうち1問が説明記述、5問が漢字の書きとりという形式が定番。2021年度は小問7で解答数15)。
大問二は短めの論説文(評論文)で、小問は4~5問程度です(解答数は5~10ほどで、2012年度以降全てマーク方式。21年度は小問4で解答数8)。
大問三が「古文」で、小問は5~7問ほどです(解答数は7~12。そのうち1~2問が記述方式。ただし、マーク方式だけの年度も多い。21年度は小問6解答数12、全てマーク方式)。
解答形式
マーク方式と記述方式の併用型です。
「現代文」のマーク方式では空所補充語句判別や本文内容内容(非)合致判別(択一式の判別が必出)、内容・理由説明判別、換言説明判別、語句の意味の判別など、記述方式では条件付き説明記述(40~60字程度)が2012年度以降必出、他に空所補充、換言説明等や、抜き出し問題(空所補充・換言説明等)、漢字の書きとり、四字熟語等の知識問題などがあります。
「古文」では文語文法、現代語訳が必出の他、内容解釈・換言説明・主語特定・和歌修辞法などが、マーク方式と記述式で出題されます。択一式の本文内容(非)合致判別も頻出です。また、文学史や古典常識の出題もあります。
中央大学法学部 国語試験を攻略するための勉強法
知識
漢字等の知識問題はGMARCHでは標準的な難易度で、本学部はこれまでは他学部と比較して平易でしたが、最近はなかなか手強い出題もあります(2021年度の「言葉のニュアンスにコウデイする」、20年度の「世界のハケン争い」など。正答は本稿末に記載)。したがって、これまで以上の高度な語彙力が求められます。そこで、先ずは「己が実力」を把握することが重要です。共通テスト(センター試験)の漢字問題(要は「同音異字」「同訓異字」の判別)が基礎的語彙力のひとつの目安になります。最低10年分以上の過去問をこなしてみたい。その結果次第で、具体的な学習を進めていきましょう。
尚、以下のサイトは「漢字問題」だけがまとめられていて便利です。
http://www.kanjijiten.net/center/index.html
「現代文」解法①
論説文(評論文)に特有の解法、そして全てに共通する解法を理解し定着させ、応用するために重要なのは復習の仕方です。「考え方のプロセス」をトレースすることが必須です。特に間違った問題が肝要です。誤ってしまった「分岐点」をしっかりと確認しておきましょう。さらに、いくつもの練習問題を通じて同種の設問に共通する「解き方のプロセス」を身につけましょう。それが解法となります。
尚、「具体的解法」に就いては本HPの別サイト「大学入試”王道現代文”」を御覧ください。
「現代文」解法②
本学部の「現代文」で注意を要するのは、判別しづらい本文内容(非)合致判別問題です(合致は「A」、非合致は「B」という択一式の解答形式にも注意)。2021・20年度は「現代文」の2題でともに出題されています。論説文(評論文)がほとんどなので論旨合致と捉え、基本的には序論部と結論部の趣旨と照合すればよいのです。したがって、そうした選択肢消去のテクニックを習熟するように練習を重ねることが重要です。また、一般的な選択肢設問対策としても、選択肢消去の仕方を習得しておきましょう。換言説明であれば傍線部の原意(要は本来の意味)にこだわった原意消去、理由説明であれば直接的理由として結びつくかどうかによる消去などを常に意識することが肝要です。さらに、空所補充では代入確認を絶対に忘れないように練習を重ねましょう。
「現代文」解法③
本学部で2012年度以降必出の説明記述、その記述方法はしっかりと押さえておく必要があります。説明記述で必要なひとつの要素は通常20~30字程度なので、先ず最も重要な要素を的確に把握し、その他の要素は設問内容から必要度の優先順位を特定できるように徹底的に練習することが肝要です。そして、正否の分かれ目となる最重要な要素を文末として他に必要な要素を積み上げていく(積上げ方式)という手法を、過去問や練習問題などを通じて完璧にマスターしましょう。本学部では40~60字ほどの字数指定が多いので(最近は指定字数が増加傾向)、2~3つ程度の要素でまとめることに慣れましょう。また、本学部では条件付きがほとんどなので、的確に応じるようにしなくてはいけません。
古文
先ずは重要古文単語および文法を徹底的に習得する必要があります。現代語訳をする上での最重要ポイントですし、文法や単語の意味は直接問われます(必出)。特に助動詞、助詞の意味・用法・接続は完全に定着させましょう。また、敬語も必出なので習得が必要です。さらに、文学史も含めた古典常識や和歌修辞法も出題されます。しっかりと確認しておきましょう。また、「古文」でも択一式の本文内容(非)合致判別問題が出題されるので、十分に練習しておきましょう。
推奨テキスト
*テキストには相性があります。できれば書店で手にとって確かめてから選びましょう。
知識編
(1)『入試漢字マスター1800+(四訂版) (河合塾シリーズ)』(河合出版)
(2)『現代文最重要語句(暗記いらずの)らくらく練習帳―熟語・慣用句・評論語句・外来語』(学研プラス)
(3)『新版完全征服 頻出現代文重要語700 三訂版』(ピアソン桐原)
(4)『ことばはちからダ! 現代文キーワード―入試現代文最重要キーワード20 (河合塾シリーズ)』(河合出版)
前項の共通テスト(センター試験)の漢字問題チェックで、5割未満の場合は(1)から、6割は(2)から、7割は(3)から、8割は(4)から始めるのが目安です。反復練習して完全習得しましょう。
尚、文学史、古典常識等に就いては、学校配布の「国語便覧」を活用しましょう。
現代文編
(1)『システム現代文 バイブル編(改訂新版)』(水王舎)
初級レベルです。「解法」って何? といった皆さんにお薦めの入門書です。根本を徹底的に解説しており、マスターすれば解法は一通り理解できるでしょう。
(2)『マーク式基礎問題集 現代文(河合塾シリーズ)〈六訂版〉』(河合出版)
初~中級レベルです。正解の根拠を明確にした詳細な解説に定評があり、入試現代文への突破口を開く一冊です。
(3)『現代文 解法の新技術(大学受験スーパーゼミ徹底攻略)』(桐原書店)
中級レベルです。あらゆる問題形式に対応した解法を明示しています。中堅からGMARCHへのステップアップ段階の一冊です。
(4)『入試現代文へのアクセス 完成編(河合塾シリーズ)』(河合出版)
中~上級レベルです。読解へのアクセスで問題点を喚起し、選択肢設問の消去の根拠も明記されており、解法理解度を自己確認できます。自らの実力を把握することで、中央大学合格に自信が持てる一冊です。
(5)『現代文読解力の開発講座(駿台受験シリーズ)(新装版)』(駿台文庫)
上級レベルです。読解力と解答の論理力を講義形式の解説で養成します。文章を客観的に捉える術が習得でき、本大学法学部合格を確実にする一冊です。
(6)『[記述編]現代文のトレーニング[改訂版]』(Z会出版)
説明記述対策です。頻出テーマに沿った問題構成で完成度を自己採点で把握可能です。中央大学法学部の説明記述をクリアする一冊です。
(7)『中央大学法学部の過去問』
実戦レベルです。10年分以上確実にこなし、解法をトレースしましょう。
古文編
(1)『重要古文単語315(三訂版)』
(2)『標準古文単語650(三訂版)』(ともに桐原書店)
前者を反復して完全定着させた上で、後者を数回丁寧に通読しましょう。それで語彙はほぼ心配ないでしょう。
(3)『ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル(三訂版)』(河合出版)
文法の基本が分かりやすくまとめられています。例文は品詞分解し現代語訳も必ずこなしましょう。
(4)『大学入試 全レベル問題集 古文 4 私大上位・私大最難関・国公立大レベル 新装版』(旺文社)
最難関私大などの良問14題を収録し、分かりやすく解説しています。古文の5つのジャンル別対策が掴める古文ジャンル解説、重要な文法と語句を併記した現代語訳、全ての問題に通じる最強の読解ルール等で、「古文」の読解に自信が持てる一冊です。
(5)『首都圏「難関」私大古文演習(河合塾シリーズ)』(河合出版)
本文と本文解釈を上下に併記し、主語特定・品詞分解・背景知識等の説明があり、応用力が確実に涵養できる一冊です。
(6)『速読古文常識』(Z会出版)
古典常識習得用です。必修300語を収録しており、実戦的トレーニング文章の文脈で効率的に定着可能です。共通テストから難関私大まで対応しています。上記の「国語便覧」と併用することで、より確実に習得できるはずです。センター試験から難関私大まで対応しています。
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