上智大学 共通問題 国語共通問題(TEAPスコア利用型)
入試対策と勉強法
上智大学 共通問題 国語共通問題(TEAPスコア利用型)
ここでは、上智大学の神学部・総合人間科学部・外国語学部・経済学部・文学部・法学部・総合グローバル学部を目指す方に対して、国語の試験の出題傾向や試験合格のための勉強法、さらに、おすすめのテキストをご紹介いたします。なにから始めればいいのかわからない、効率的に勉強したい受験生は、ぜひ参考にしてください。
※本大学では、2021年度より一般選抜を①TEAPスコア利用型(全学統一日程入試)、②学部学科試験・共通テスト併用型、③共通テスト利用型の3方式で実施されていますが、本稿は①の事前に受験したTEAPまたはTEAP CBTのスコア(以前の「TEAP利用型」の出願基準利用から合否判定基準利用に変更)と、本大学独自の教科・科目試験の結果で総合的に合否判定を行う選抜方式についての説明です。
尚、以下の入試傾向は、基本的に2021年度の入学試験に準拠しています(但し、以前の「TEAP利用型」の出題に言及している部分もある)。
上智大学神学部・総合人間科学部・外国語学部・経済学部・文学部・法学部・総合グローバル学部 国語試験の出題傾向とは
出題範囲(分野)
出題科目は「国語総合」です(「古文」「漢文」含む)。
「現代文」は論説文(評論文)1題が基本です。文章内容は文化論・文学論・社会論・言語論・記号論・美術論・教育論等と多種多様ですが、最近はニッチなジャンルの題材が目立ち、特色となっています(2021年度は貨幣の日本史、20年度は気象予報と防災、19年度が流線型の考古学など)。また、図版や写真等が挿入されている場合が多いです(それらに就いて問う設問もある)。いずれにしても、抽象語や専門用語を用いた硬質な文章が多くやや読みづらいでしょう。
知識は小問として出題され、語句の意味・用法、文法などが問われます。
「古文」は1題で、主に中世~近世の物語・説話・紀行文・評論・歌論(当然、和歌も含まれる)などの題材が出題されます。誰もが知っているようなメジャーな作品から初出のものまで実に幅広いです。出題内容も文法から内容解釈までの総合的読解力や、歴史的背景を含めた古典常識等と多岐にわたります。
「漢文」も1題です。題材は史伝、思想、故事・寓話などで(漢詩も頻出)、基本的句法、書き下し、返り点、語句の読み・意味、内容解釈、漢文常識等が問われます。漢文も含めて古典文学史も頻出です。
出題量と時間配分
問題文の文章量は、「現代文」が3000~3500字前後で他の私大上位校と比較して標準的、「古文」は500~1000字ほどです。「漢文」は150~200字程度です。
試験時間は60分です。ほとんど余裕はないはずです。「正確さ」と「スピード」が求められます。先に「古文」「漢文」を35分強で手際よくこなし、「現代文」は25分弱をかけて確実に解いていきましょう。
出題形式
2015年度以降、大問3題が定着しています。
大問一は論説文(評論文)で、小問は10~11問程度です(解答数は10~14)。
大問二は古文で(但し、2つ以上の問題文からなる「古文・漢文融合型」出題の年度もある。直近では2020年度)、小問は8~13問ほどです(解答数は8~15程度)。
大問三は「漢文」で(但し、「古文」が出題される年度もある。直近では2020年度)、小問は5前後です(解答数もほぼ同じ)。
解答形式の特徴
2015年度の「TEAP利用型」導入以降、マーク方式が定着しています。
「現代文」では換言説明、理由説明、内容説明、本文内容(非)合致、不適切説明、空所補充、語句の意味・用法・口語文法など、「古文」では文法、現代語訳、内容解釈、換言説明、主語特定、人物特定、本文合致、和歌修辞、文学史など、「漢文」では句法、語句の意味、内容解釈、不適切説明、書き下し、返り点、漢文常識などが出題されます。
上智大学神学部・総合人間科学部・外国語学部・経済学部・文学部・法学部・総合グローバル学部 国語試験を攻略するための勉強法
現代文 知識問題
「TEAPスコア利用型(全学統一日程入試)」(前身の「TEAP利用型」も含めて)では、漢字等の知識問題が直接問われることは少ないです(但し、2021年度には口語文法の出題があった)。しかし、問題文を正しく理解するためには当然、語彙力が求められます。そこで、先ずは「己が実力」を把握することが重要です。「共通テスト(センター試験)」の漢字問題(要は「同音異字」「同訓異字」の判別)が基礎的語彙力のひとつの目安となります。最低10年分以上の過去問をこなし、その結果次第で、具体的な学習を進めていきましょう。
下のサイトは漢字問題だけがまとめられていて便利です。
http://www.kanjijiten.net/center/index.html
現代文 解法①
論説文(評論文)特有の解法と全てに共通する解法を体系的に理解し定着させ、応用するために肝要なのは「復習」の仕方です。「考え方のプロセス」をトレースすることが必須です。特に間違った問題が肝要です。誤ってしまった「分岐点」をしっかりと確認しておきましょう。さらに、いくつもの練習問題を通じて同種の設問に共通する「解き方のプロセス」を身につけましょう。それが解法となります。
尚、具体的解法については本HPの別ページ、「大学入試”王道現代文”」をご覧ください。
現代文 解法②
必出の本文内容(非)合致問題は判別しづらく要注意です。複数選択もあり、手こずってしまうと時間配分にも影響するので、十分に慣れておくことが重要です。論説文 (評論文)なので、論旨合致と捉えることが必要です。原則的に序論部と結論部の趣旨と照合させて選択肢消去していく練習を繰り返し重ねましょう。
現代文 解法③
設問趣旨が読み取りにくい選択肢設問も対策が必要です。確実に正答とするためには、先ずは設問に対する読解力を養う必要があります。設問はそもそも何を問うているのかを常に正確に把握しながら、問題練習を繰り返すことが重要です。そして選択肢消去の仕方に習熟する学習も重ねましょう。換言説明であれば傍線部の原意(要は本来の意味)にこだわった原意消去、理由説明であれば直接的理由として結びつくかどうかによる消去などを常に意識することが肝要です。
古典
「古文」では、先ず重要古文単語および文法を徹底的に習得しましょう。単語の意味、文法は直接問われますし、現代語訳、内容解釈をする上でも最重要です。特に助動詞、助詞の意味・用法・接続や敬語は完全に定着させましょう。また文学史(頻出)を含めた古典常識や和歌修辞も出題されます。しっかりと確認しておきましょう。
「漢文」では、文の構造、句法、重要単語等の基礎知識を習得した上で、練習問題を通じて読解力を培いましょう。書き下し、返り点等の白文対策も忘れずにしましょう。また漢文常識、思想史・文学史等も確認しておきましょう。いずれにしても、「古文」「漢文」の難易度は高いので万全の準備が不可欠です。
推奨テキスト
ここからは、勉強に役立つテキストをご紹介します。テキストには相性がありますので、できるかぎり書店で手にとって確かめることをおすすめします。
ここではテキストを知識編、現代文編、古典編、漢文編に分けてご紹介します
知識篇
(1)『漢字 一問一答【完全版】』(東進ブックス)
(2)『現代文最重要語句(暗記いらずの)らくらく練習帳―熟語・慣用句・評論語句・外来語』(学研プラス)
(3)『新版完全征服 頻出現代文重要語700 三訂版』(ピアソン桐原)
(4)『現代文キーワード読解[改訂版]』(Z会出版)
前項の「センター試験(漢字問題)」チェックで、5割未満の場合は(1)から、6割は(2)から、7割は(3)から、8割は(4)から始めるのが目安です。反復練習して完全習得しましょう。特に(4)では、「キーワード編」のみならず「頻出テーマ編」も熟読し、完全に理解しましょう。
尚、必須の文学史対策としては、『SPEED攻略 10日間 国語 文学史』(Z会出版)が時系列も理解でき、コンパクトにまとめられているので覚えやすいでしょう。
現代文篇
(1)『システム現代文 バイブル編(改訂新版)』(水王舎)
「解法」って何? といった皆さんにお薦めの入門書です。根本を徹底的に解説しており、マスターすれば解法は一通り理解できるでしょう。
(2)『現代文読解力の開発講座<新装版>』(駿台文庫)
中級レベルです。文章(テクスト)を客観的に捉える術が説明されており、G-MARCHから上智へのステップアップ段階の一冊です。
(3)『入試現代文へのアクセス 完成編』(河合出版)
中~上級レベルです。読解へのアクセスで問題点を喚起し、選択肢設問の消去の根拠も明記されており、解法理解度を自己確認できます。自らの実力を把握することで、上智大学合格に自信が持てる一冊です。尚、説明記述問題は無視して構いません。
(4)『現代文と格闘する(三訂版)』(河合出版)
上級レベルです。文章を読み繋ぐことを主眼として、その為のシンプルな視点を提案しています。上智各学部合格へ最終チェックの一冊です。
※尚、(2)(3)(4)には「要約問題」があるので必ずこなしましょう(内容読解の練習になる)。
(5)『上智大学過去問』
=実践レベルです。しっかりと解いて、解法をトレースしましょう。
古文篇
(1)『重要古文単語315(三訂版)』
(2)『標準古文単語650(三訂版)』(ともに桐原書店)
前者を反復して完全定着させた上で、後者を数回丁寧に通読しましょう。それで語彙はほぼ心配ないでしょう。
(3)『ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル(三訂版)』(河合出版)
文法の基本が分かりやすくまとめられています。例文は品詞分解し現代語訳も必ずこなしましょう。
(4)『古文上達 読解と演習56』
(5)『最強の古文 読解と演習50』(ともにZ会出版)
前者は入試古文の全てを凝縮し、後者はその応用篇です。「古文」への自信がみなぎる二冊です。
漢文篇
(1)『漢文道場[基礎編]』(Z会出版)
送りがな・返り点といった基本ルールから重要な句法まで、基礎力養成の一冊です。
(2)『ステップアップノート10 漢文句形ドリルと演習(河合塾シリーズ)』(河合出版)
基礎定着確認用です。
(3)『漢文(河合塾シリーズ)入試精選問題集9[改訂版]』(河合出版)
読解力アップへの道標です。
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