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慶應義塾大学 総合政策学部 小論文
入試対策と勉強法

出題傾向・攻略のための勉強法・推奨テキスト

慶應義塾大学 総合政策学部 小論文

ここでは、慶応義塾大学の総合政策学部を目指す方に対して、小論文試験の出題傾向や試験合格のための勉強法、さらに、おすすめのテキストをご紹介いたします。なにから始めればいいのかわからない、効率的に勉強したい受験生は、ぜひ参考にしてください。

※以下の「入試傾向」は、原則的に2024年の「一般入試問題」に準拠しています(ただし、必要に応じてそれ以前の入試問題に言及している場合もあります)。

慶応義塾大学総合政策学部 小論文試験の出題傾向とは 

 出題範囲(分野)

総合政策学部の「試験科目」としての小論文は、「発想、論理的構成、表現などの総合的能力を問う」と入学案内に明記されています。総合政策学部は「実践知」を理念とし、「問題発見・解決」にこだわる学生を求めており、入試でも「自主的な思考力・発想力・構想力・実行力の有無」が判定基準になっているのです(同学部HPより)。
「多様で複雑な社会に対してテクノロジー、サイエンス、デザイン、ポリシーを連関させながら問題解決」を図り、「既存の学問分野を解体し、実践を通して21世紀の実学を作り上げること」(同HPより)を目標に掲げる本学部(SFC)では、文理を問わず学際的で多種多様な分野からの出題がありますが、特に同学部の主要テーマである「公共政策」に関する理念や具体的方策を問うものが多いようです。
複数の資料を比較・分析して、「問題発見・解決能力」やそれと結びついた「政策科学の基本的な理解力、デー分析力」などが問われるのです。

出題量と時間配分

「文章(課題文)」(英文の場合もある)や「図表」「図版」等、2~10種類ほどの膨大な「資料」(「文章」だけで1万字以上の年度もある)を読み解いた上で、全問で800~1700字程度の「説明・要約・分析」等+「見解」を論述をすることになります。
試験時間は120分。
資料の読解、比較・分析、論点整理を30分強で終わらせ、「説明・要約問題」などを20分程度でこなし、「見解論述問題」では構成メモを30分程度でしっかりと作成して、残りの40分ほどで丁寧に自らの見解を論述していきましょう。
尚、説明・要約問題などがない年度もあるので、臨機応変に対応することが求められます。

出題形式

複数の資料(2~10点ほど)が示され、それに関しての設問があるという形式は定着していますが、設問数や設問内容は年度によって異なリます(2024年度は、全て「文章」の資料が5点で大問は2題)。
必出は、論点を提起した上で、受験生自身の見解を問う「論述問題」です(400~1700字ほど)。また、資料の内容理解が問われる「説明・要約問題」(200~800字程度)なども出題されます。
尚、図示(チャート、座標等、多種多様)が求められる年度もあります(近年増加傾向)。さらに、数式記入(2015年度)や計算(2018年度)が求められる場合もあるので、要注意です。

 

慶応義塾大学総合政策学部 小論文試験を攻略するための勉強法

前提

総合政策学部の小論文では、必ず「問題の発見・解決」という視点が求められます。それは同学部(SFC)の理念そのものだからです。そして、出題分野は同学部の主要テーマである「公共政策」に関するものが多いので、「公共政策」を中心とした「総合政策学」に就いての高い見識がなければ論述もままならないということになります。「グローバル化と情報化の進展という21世紀的な視点で、政策問題を解決する学問」である「総合政策学」の具体的内容を、情報収集を通じて早い段階から十分に理解しておく必要があるのです。
また、「公共政策」の研究手法に関して理解するとともに、広い意味での「公共政策」の争点(外交政策・エネルギー政策・地球環境問題・憲法改正・社会保障制度改革等)に就いて広い関心を持って臨み、日頃から知識を蓄え、どのような意見の対立があるのか、政党間や立場の対立に留意しながら複眼的に考察できるようにしておきましょう。
さらに、本学部にはどのようなカリキュラムであり、どのような研究が行われているかをリサーチし、本学部の研究領域と学問の方法に慣れ親しんでおくことも肝要です。

知識

資料としての学際的で硬質な文章を理解し咀嚼する為には、難解な語句やキーワードを読み解く知識が必要になります(「公民」の「政治・経済」「現代社会」「倫理」の教科書レベルの知識も必須です)。
また、「論述」での誤字・脱字は確実に減点要素です。したがって、漢字ひとつたりとも疎かにはできず、高度な語彙力求められます。
先ずは「己が実力」を把握することが重要になります。そこで、「センター試験」の漢字問題がひとつの目安となります。最低10年分以上の過去問をこなし、その結果次第で具体的な学習を進めていくのです。
尚、以下のサイトは「漢字問題」だけがまとめられていて便利です。
http://www.kanjijiten.net/center/index.html 

読解

小論文といっても課題文が示され、それに就いての設問として「説明記述問題」・「見解論述問題」があるのだから、その点では現代文の問題と捉えなくてはいけません。課題文の内容をいかに正確に読み取るかが最優先となります。
課題文は原則的に「論説文(評論文)」であって、そこで重要になるのが最重要解法である「Nの法則」の習得です。本文を「序論」「本論」「結論」に分け、論旨が述べられている「序論部」「結論部」の対応関係及び、「本論部」での段落相互関係に着目して読解するという手法です。これを完璧に理解、定着させ、応用できるようになるまで問題練習を重ねることが重要になります。

発想

資料と論点が提示されているとはいえ、それをなぞっただけでは単なる作文になってしまいます。
受験生各位の見解を論述するのですから、当然、独自の発想が必要になります。幅広い議論の可能性を有している中で、如何に説得力のある視点を提起できるかが成否を分けるのです。
そこで、常日頃から現在の政治的・社会的課題に対して、如何なる「新たな解決策」を提示できるのか、研ぎ澄まされた問題意識を持つことが重要になります。身近に溢れる情報を、そうした観点で批判的に捉え発想力を磨き続けるのです。つまり、単なる知識の有無にとどまらない「社会科学的思考のセンス」を身につけることが必要だということです。そのためには、ありふれた日常的な事象に就いて、多角的に考察しようという意思が肝要になります。

論述

自らの見解を的確に論じるには、構成メモの作成が欠かせません。頭の中のイメージを視覚化し、客観的に捉えるという作業になります。
最重要となる論旨、それを説明する為の様々な「論点」「視点」(設問条件も含め)をアトランダムに記し、それらを整理し、チャート化します。その上で、「頭括型」の論述としてまとめるべく各要素を取捨選択するのです。その際には、「批判的スタンス」の要素を特に意識したいです。
「序論」「本論」「結論」のバランスは「1:3:1」が原則。こうした構成メモの作成練習を繰り返すことが重要です。
尚、実際の論述練習では無論、添削指導を受けることが必須となります。

 

推奨テキスト

ここからは、勉強に役立つテキストをご紹介します。テキストには相性がありますので、できるかぎり書店で手にとって確かめることをおすすめします。

「総合政策学」習得対策

(1)『総合政策学――問題発見・解決の方法と実践』(慶應義塾大学出版会)
「今」を分析し、問題解決へ主体的に対応する「実践知」の学問である「総合政策学」を解説しています。

(2)『コラボレーション!――SFCという「融合の現場」』(慶應義塾大学出版会)
研究領域を融合し未来的ビジョンを示す為に、SFCで何をしているかを説明しています。

(3)『入門 公共政策学 ――社会問題を解決する「新しい知」』(中央公論新社)
本学部の主要テーマのひとつである「公共政策」。本書は、「政治学」や「行政学」「経営学」などさまざまな学問の知識を総合化し、問題解決に取り組む新たな新たな学問である「公共政策学」のエッセンスを伝える入門書です。

※尚、2010年度『過去問』の「資料1」に「総合政策」の説明がある。参考にしましょう。

知識対策

(1)『漢字 一問一答【完全版】』(東進ブックス)
(2)『現代文最重要語句らくらく練習帳』(学研プラス)
(3)『新版完全征服 頻出現代文重要語700 [三訂版]』(桐原書店)
(4)『現代文キーワード読解[改訂版]』(Z会出版)。

前項の「大学入学共通テスト(漢字問題)」チェックで、5割未満の場合は(1)から、6割は(2)から、7割は(3)から、8割は(4)から始めるのがひとつの目安です。反復練習して完全定着させましょう。特に(4)では、「キーワード編」のみならず「頻出テーマ編」も熟読し、完全に理解することが重要です。
また、「政治・経済」の教科書は必携です。
勿論、(5)『政治・経済用語集』(山川出版社)等の用語集も準備しておきましょう。

説明・要約問題対策

(1)『システム現代文 論述・記述編(改訂新版)』(水王舎)
初級レベルです。
「記述問題」から「要約問題」までを明快に解説し、「記述」習熟の為に何を学習すればいいかが分かる1冊です。

(2)『得点奪取 現代文 記述・論述対策(三訂版)』(河合出版)
中級レベルです。
「実例答案」をもとに、答案作成のコツを具体的に提示。自己採点ができて、「要約問題」に自信がつく1冊です。

(3)『[記述篇]現代文のトレーニング(改訂版)』(Z会出版)
上級レベルです。
頻出テーマに沿った問題構成で、「完成度」も自ら把握できる。「要約問題」の総仕上げへ向かっては不可欠の1冊になります。

(4)『上級現代文Ⅱ』(桐原書店)
最上級レベルです。
これまでに演習してきた「論述問題」の考え方、解き方が定着しているかどうかをチェックできる。総合政策学部の「要約問題」攻略へ最終段階の1冊です。

見解論述問題対策

(1)『吉岡のなるほど小論文講義10(改訂版)』(桐原書店)
初級レベルです。
「小論文とは何か?」「どのように文章を組み立てたらよいのか?」という基礎・基本を体系的に解説している。入門から基礎力養成の1冊です。

(2)『合格できる小論文』(河合出版)
中級レベルです。
「系統別実践演習問題」を収録し、「自己評価グラフ」で「到達度確認」もできます。総合政策学部「見解論述問題」への完成度を高める1冊です。

(3)『小論文を学ぶ――知の構築のために』(山川出版社)
上級レベルです。
「読みと書きの技術論」「小論文に必要な知の構築」「実践演習を通じての知の習得」の3部構成で、総合政策学部で8割以上の得点ゲットをターゲットに据える1冊です。

(4)『小論文 テーマ別課題文集 21世紀を生きる〈改訂版〉』(駿台文庫)
最終レベルです。
「主要頻出テーマ」ごとの「論点整理」「キーワード解説」が充実しており、万全を期すための1冊です。

「発想」「論点」「視点」対策

(1)『○○✕✕年の論点100』(文藝春秋/毎年11月発売)
毎年の日本の様々な「争点」が多角的に提起されており、「論点」「視点」の捉え方を習得できる。「時事対策」にもなる1冊です。

(2)『NEWSWEEK Japan』(CCCメデイアハウス/週刊)
「政治」「経済」「国際情勢」などのグローバルな「視点」を磨くのに便利です。

(3)『人類はどこへ行くのか』(講談社)
世界史的観点での「論点」の把握方法を学べます。

※尚、新聞は毎日通読し、未知の内容や気になる記事はスクラップしておきたい。また、「朝日新聞」から「産経新聞」まで、主張の異なる各紙の論説を必ず確認しましょう。

過去問対策

『慶応大学総合政策学部(過去問)』
最終レベル。数多く解き、総合政策学部合格への仕上げをしていきます。

※尚、[読解力対策]は割愛しました。不安な人は本サイトの同大学「法学部対策」を参照して下さい。

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