ここでは、明治大学の理工学部を目指す方に対して、数学の試験の出題傾向や試験合格のための勉強法、さらに、おすすめのテキストをご紹介いたします。なにから始めればいいのかわからない、効率的に勉強したい受験生は、ぜひ参考にしてください。

明治大学理工学部　数学試験の出題傾向とは

出題範囲（分野）

例年、確率・場合の数、微分積分（Ⅱ、Ⅲともに）は出題され、図形問題や、ベクトルの出題頻度も高めです。数列に関しては、他の分野と融合して出されることも多いです。数Ⅲの出題は大問3つの内で1題＋α（小問集合）程度とみて良いでしょう。
難易度は、公式適用問題や『４STEP』（数研出版）などの教科書傍用で取り上げられている様な問題も多く、単一分野からの出題が多いですが、一部、他分野との融合問題や、解法で場合分けを要するなどの問題も出題されています。

出題量と時間配分

近年では3題構成で時間は90分となっています。問題毎に難易度差があるので、目標点と学力によって戦略が分かれます。数学があまり得意ではない人は簡単な問題に時間を使ってミスなく確実に解くことです。数学が得点源の人は、簡単な問題をいかに早く正確に解き、難易度が高めの問題に時間を残して1問でも多く正解を出すことがカギとなるでしょう。

出題形式

例年大問1は例年単純な小問集合であることが多いです。他の大問に関しては、一つのテーマを設けており、小問による誘導がなされる出題が特徴的です。誘導の形式は明確に小問として切っているものと、文章中のカッコを埋めさせていく形式があります。いずれの形式でも前半は易しい問題が中心で、解きやすいことが多いので、そのような問題での取りこぼしは避け、着実に得点していきましょう。後半に関しては、誘導をうまく使えるか否かで難易度が大きく変わってくる問題も多いので、普段の演習から設問の構成についても視野に入れた学習が重要となります。

解答形式

例年第1問がマーク（選択肢ではなく、該当する数字をマークする形式）、第2問、第3問が途中経過なしの記述という構成となっています（ただし2020年までは第3問は途中経過あり）。本学では途中経過は考慮されないので、答えを正確に出す力が求められます。

明治大学理工学部　数学試験を攻略するための勉強法

本学においては、典型問題を解けるようになることが何よりも肝要です。そのために、基礎的な計算力の強化と、典型的な問題演習を軸に学習を進めていきましょう。

まずは、教科書の例題や練習問題をこなしつつ、教科書傍用問題集で定着を図りましょう。その際に間違えた問題や解き方がすぐに出てこなかった問題にはチェックを入れておき、繰り返し解くようにしましょう。

次に、本学入試でも見られる、教科書や教科書傍用問題集のレベル以上の、一工夫が必要な問題演習に入ります。のちに述べる『チェック＆リピート』(Z会)シリーズなどを用いて、様々な標準的な問題を経験していきます。解法が思い浮かばないときは、解説を見て理解できたら、伏せて、再度自分の手で最後まで解くと言った作業を行いましょう。

最後に過去問演習についてですが、過去問にはできる限り早く触れておきましょう。夏休み明けまでには、既習範囲だけでもいいのでどのような問題が出ているのかを把握しておいた方がよいでしょう。それを踏まえたうえで学習した方が効率はよくなります（例えば、証明問題に時間かけても無駄だとわかります）。全分野の解法暗記がひと段落付いたら、本格的に過去問演習に入り、そこで発見できた苦手分野などを復習して補っていけばよいでしょう。他大の過去問については（共通テストではなくセンター試験は数Ⅲがありませんが有用）、近しいレベルのものは良い練習になるので積極的に取り組みましょう。

推奨テキスト

ここからは、勉強に役立つテキストをご紹介します。テキストには相性がありますので、できるかぎり書店で手にとって確かめることをおすすめします。

（１）『チャート式解法と演習数学(黄色)』（数研出版）
典型問題のインプット用です。
公式をしっかり覚えた後に、あまり考え込まずにサクサクと進めましょう。分からなかったら見る、そして後で必ずリベンジする精神で臨みましょう。問題数は多いので、高1の時から、教科書と並行して使用しましょう。

（２）『Z会数学基礎問題集 チェック&リピート』（Z会）
一工夫を要する問題の習得用です。
典型と応用の間位の問題が多く収録されています。自分の数学力に自信のない人（要するに応用が利かない人）ほど目を通しておきたい問題集です。こちらも、考え込まずにサクサク進めて繰り返しましょう。

（３）『合格する計算Ⅲ』（文英堂）
本書により、計算力と思考力を鍛えます。
数Ⅲは特に、計算力が肝なので、本書は試金石となるでしょう。
また、予備校でしか聞けない講師独自の公式のイメージも満載されており、この一冊を仕上げれば、本学の問題文の展開への対応力が養成されるでしょう。
今回割愛しましたが、そういう意味でⅠＡⅡＢ編も一見の価値があります。

（４）『標準問題精講ⅠA、ⅡB、Ⅲ』（旺文社）
本学レベルの実力を養います。
教科書レベルと本学レベルを橋渡ししてくれる参考書です。
公式を原理から解説してくれ、トピック『研究』では発展分野に関する知見は、問題文への読解力までも養成してくれる豪華さです。
特にⅢは、本学の高度なレベルに対応できる仕様となっています。