立命館大学 共通問題 国語共通問題
入試対策と勉強法
立命館大学 共通問題 国語共通問題
ここでは、立命館大学の法学部・産業社会学部・国際関係学部・文学部・映像学部(文系型)・経済学部・スポーツ健康科学部・食マネジメント学部・経営学部・政策科学部・総合心理学部(文系型)を目指す方に対して、英語の試験の出題傾向や試験合格のための勉強法、さらに、おすすめのテキストをご紹介いたします。なにから始めればいいのかわからない、効率的に勉強したい受験生は、ぜひ参考にしてください。
※本稿は基本的に2022年度入試に準拠しています(但し、一部は21年度以前の入試内容にも言及し、参考にしている)。
本大学の「一般入試」は、「全学統一方式(文系・理系)」・「学部個別配点方式(文系型)」・「学部個別配点方式(理科1・2科目型)」・「理系型3教科方式」・「IR方式(英語資格試験利用型)」・「薬学方式」・「共通テスト併用方式(5・3教科型)」・「共通テスト併用方式(数学重視型)」・「共通テスト併用方式(情報理工学部型)」・「後期分割方式」・「『経営学部で学ぶ感性+共通テスト』方式」・「『共通テスト+面接』グローバルコース方式」・「共通テスト方式(7・5・3教科型)」・「共通テスト方式(後期5・4・3教科型)」と、日程・受験科目ともに実に多種多様な入試パターンが用意されています。受験生にとっては有難い限りですが、複雑でもあるので、しっかりと情報を確認しましょう。尚、本稿では、上記各学部の「学部個別配点方式(文系型)」の「国語」の試験問題について主に説明しています(但し、本大学すべてに共通する「入試傾向」にも言及している)。ちなみに、同方式の「試験教科」は3教科で、「英語」・「国語」+「地理歴史」または「公民」または「数学」のいずれか1教科選択です(「経済学部・経済専攻」は「英語」・「国語」・「数学」)。
立命館大学法学部・産業社会学部・国際関係学部・文学部・映像学部(文系型)・経済学部・スポーツ健康科学部・食マネジメント学部・経営学部・政策科学部・総合心理学部(文系型) 国語試験の出題傾向とは
出題範囲(分野)
試験科目は、文学部が「国語総合」・「現代文B」・「古典B」です(「漢文」の独立問題あり。ただし「現代文」1題との選択)。
それ以外の学部は「国語総合」・「現代文B」・「古典B」です(「漢文」の独立問題なし)。
「現代文」は論説文(評論文)2題が基本です(但し、「文学部」はうち1題が「漢文」との選択科目)。2010年度以降出題された文章内容は、哲学論(頻出)、歴史論、文学論、情報環境論、芸能論、芸術論、倫理学論、言語学論などと多種多様で、硬質の文章もあり、やや読みづらいでしょう。尚、かつては小説の出題もありましたが(2011・13年度他)、現在の入試方式になってからは未出です。22年度は歴史論の小山聡子「もののけの日本史――死霊、幽霊、妖怪の一〇〇〇年」と、文学論の大塚英志「文学国語入門」でした。
「知識」は小問扱いです。漢字の読み・書きは必出で(「漢字の同音異字判別」もある)、他に語句の意味判別や文学史などの総合的知識問題も出題されます。22年度は漢字の読み・書き、語句の意味判別、文学史でした。
「古文」は1題です。主に古代~中世の物語(歴史物語、擬古物語など含む)、説話、日記、仮名草子等の題材(「和歌」も含まれる)がこれまで出題されています。22年度は鎌倉時代成立の世俗説話集で橘成季編纂「古今著聞集」でした。設問は内容解釈、現代語訳、内容説明、本文内容合致、主語判別、敬語判別、文学史などです。
「漢文」も1題です(文学部のみの選択科目)。説話、思想書、日記、随筆、漢詩などの題材です。22年度は明治時代の漢学者の著作で信夫恕軒「恕軒遺稿」でした。設問は語句(漢字)の読み(ほぼ必出)、書き下し文判別、内容説明、内容合致などです。
出題量と時間配分
問題文の文章量は、「現代文」が合計で7000~8000字程度で他の私大上位校と比較してやや多めです(22年度は約7100字)。「古文」は1500~2000字程度で、他校と比べてやや多めです(22年度は約1600字)。「漢文」は200字ほどで標準的です(22年度は約200字)。
試験時間は80分です。私大上位校の中では長い部類ですが、解答数が多いのでさほど余裕はありません。配点が60点の「現代文」2題(「文学部」はうち1題について「漢文」選択も可能)を50分弱で確実に解いて、40点の「古文」は30分強でこなしましょう。
出題形式
2010年度以降、以下の形式で定着しています。
大問は4題です。
大問一は論説文(評論文)で、小問は10問程度です(解答数は12~13)。22年度は10問で13でした。
大問二も論説文(評論文)で、小問は5問です(解答数も5)。22年度も同じでした。
大問三は「古文」で、小問は7~8問です(解答数は12~17)。22年度は8問で17でした。
大問四は「漢文」、小問は4問です(解答数は5)。22年度も同じでした。
※大問の選択としては、文学部は「一・二・三」または「一・三・四」、その他の学部は「一・二・三」。
尚、文学部で大問二・四の両方を解答した場合、高得点の方を採用します。
解答形式
2010年度以降、以下の形式で定着しています(22年度も同様)。
「マーク方式」と「記述方式」の併用型です。
「学部個別配点方式(文系型)」の特徴は、脱文挿入問題が頻出していることです。解法に則して読み解かないと挿入箇所判別が難しいので注意しましょう。また、「現代文」・「古文」ともに文学史がほぼ必出だということにも留意しましょう。
「現代文」のマーク方式では、脱文挿入箇所判別(頻出)、内容説明判別、理由説明判別、換言説明判別、具体例判別、本文内容(非)合致判別などと、文学史判別(ほぼ必出)、空所補充の語句判別、漢字の同音異字判別等、記述方式では抜き出し、漢字の読み書き(必出) などの出題があります。
「古文」のマーク方式では内容解釈判別、内容説明判別、主語判別、敬語判別、空所補充の語句判別、本文内容合致判別、文学史判別(ほぼ必出)など、記述方式では現代語訳(必出。2問でともに10字程度)が出題されます。
「漢文」のマーク方式では書き下し文判別、空所補充の語句判別、本文内容合致判別など、記述方式では語句(漢字)の読み(必出)が出題されます。
立命館大学法学部・産業社会学部・国際関係学部・文学部・映像学部(文系型)・経済学部・スポーツ健康科学部・食マネジメント学部・経営学部・政策科学部・総合心理学部(文系型) 国語試験を攻略するための勉強法
※本大学は学習のポイントとして、「現代文」では「普段から評論文を読み、頻出概念や比喩的な言い回しに慣れておくこと」「ある程度の長さの評論文を短時間で理解する訓練をすること」「漢字については、同音異義語に注意し、丁寧かつ正確に書くように心がけること」「文学史については、単なる作者や作品名の暗記ではなく、文学史の流れとして学習すること」などとアドバイスし、「古文」では「基礎的な語彙や文法の知識を身につけ、動作主や敬語表現にも留意して丁寧な読解を心がけること」「和歌の技法・形式にも注意しておくこと」、「漢文」では「基礎的な語彙の意味をきちんと理解して、文章全体を読み取る力を養うこと」を指摘しています(本大学HP「入試案内」[過去問題・講評・一般選抜]より抜粋)。この内容に留意して学習しましょう。
知識
本方式の漢字の読み書きは比較的難易度が高いです。たとえば、2022年度の「仏の力を様々な目的のために回向する儀式」・「ウトましくなってしまった」や、21年度の「ナチス一団の顛末であるとみなす」・「諸世界における存否を見る」です(「正答」は本稿末に記載)。当然ながら、万全の準備が必要です。そこで、先ずは「己が実力」を把握することが重要です。「共通テスト(センター試験)」の漢字問題(要は同音異字、同訓異字の判別)が基礎的語彙力のひとつの目安になります。最低10年分以上の過去問をこなしましょう。その結果次第で、具体的な学習を進めていきましょう。
尚、以下のサイトは漢字問題だけがまとめられていて便利です。
http://www.kanjijiten.net/center/index.html
「現代文」解法①
論説文(評論文)特有の解法、そして全てに共通する解法を体系的に理解し定着させ、応用するために重要なのは復習の仕方です。「考え方のプロセス」をトレースすることが必須です。特に間違った問題が肝要です。誤ってしまった分岐点をしっかりと確認しておきましょう。さらに、いくつもの練習問題を通じて同種の設問に共通する「解き方のプロセス」を身につけましょう。それが解法となります。
尚、具体的解法については本HPの別ページ「大学入試”王道現代文”」をご覧ください。
「現代文」解法②
本方式の「現代文」で注意を要するのは、脱文挿入箇所判別問題です。脱文中の指示語、接続詞そして内容等に着目して候補を絞る学習をすることが肝要です。その上で、本文の挿入箇所候補前後の文脈を読み取り、内容的つながりを確認することを身につけましょう。もちろん、その他の選択肢判別問題の学習も忘れてはいけません。そこでは、選択肢消去の解法を習得しておきましょう。換言説明であれば傍線部の「原意」(要は本来の意味)にこだわった「原意消去」、「理由説明」であれば「直接的理由」として結びつくかどうかによる消去などを常に意識することが肝要です。
「現代文」解法③
頻出の抜き出し問題に対する準備も必須です。多様な内容が問われますが、とにかく基本練習を徹底させましょう。先ずは抜き出すべき内容を設問等から的確に把握した上で、抜き出し範囲を絞り込みます(原則的には同一意味段落)。そして、条件に合致する抜き出し候補を探します(候補はひとつとは限らないので要注意)。こうした練習を積み重ねることが肝要です。
古文
先ずは重要古文単語および文法を徹底的に習得する必要があります。現代語訳の記述をする上での最重要ポイントですし、文法や単語の意味は内容解釈判別でも不可欠となります。特に助動詞、助詞の意味・用法・接続は完全に定着させましょう。また、敬語も必須なので習得が必要です。さらに、和歌修辞法も含めた古典常識の知識も必要となります。当然、文学史も確実に定着させましょう。
漢文
文学部志望者は必修事項です。文の構造、句法、語句の読み・意味、返り点・書き下し文等の基礎的知識はしっかりと習得しておきましょう。
推奨テキスト
ここからは、勉強に役立つテキストをご紹介します。テキストには相性がありますので、できるかぎり書店で手にとって確かめることをおすすめします。
ここではテキストを知識対策編、現代文対策編、古文対策編、漢文対策編に分けてご紹介します。
知識対策編
(1)『入試漢字マスター1800+(四訂版) (河合塾シリーズ)』(河合出版)
(2)『現代文最重要語句(暗記いらずの)らくらく練習帳―熟語・慣用句・評論語句・外来語』(学研プラス)
(3)『新版完全征服 頻出現代文重要語700 三訂版』(ピアソン桐原)
(4)『現代文キーワード読解[改訂版]』(Z会出版)
前項の「共通テスト(センター試験)の漢字問題」チェックで、5割未満の場合は(1)から、6割は(2)から、7割は(3)から、8割は(4)のみが目安です。反復練習して完全習得させます。特に(4)では、「キーワード編」のみならず「頻出テーマ編」も熟読し、完全に理解しましょう。
尚、文学史対策としては、『SPEED攻略10日間 国語 文学史』(Z会出版)が時系列も理解でき、コンパクトにまとめられているので覚えやすいでしょう。
現代文対策篇
(1)『システム現代文 バイブル編(改訂新版)』(水王舎)
初級レベルです。解法って何? といった皆さんにお薦めの入門書です。根本を徹底的に解説しており、マスターすれば解法は一通り理解できます。
(2)『マーク式基礎問題集 現代文(河合塾シリーズ)〈六訂版〉』(河合出版)
初~中級レベルです。正解の根拠を明確にした詳細な解説に定評があり、入試現代文のマーク方式問題への突破口を開く一冊です。
(3)『現代文 解法の新技術(大学受験スーパーゼミ徹底攻略)』(桐原書店)
中級レベルです。あらゆる問題形式に対応した解法を明示しています。中堅から関関同立へのステップアップ段階の一冊です。
(4)『入試現代文へのアクセス 完成編(河合塾シリーズ)』(河合出版)
中~上級レベルです。読解へのアクセスで問題点を喚起し、選択肢設問の消去の根拠も明記されており、解法理解度を自己確認できます。自らの実力を把握することで、立命館合格に自信が持てる一冊です。
(5)『現代文読解力の開発講座(駿台受験シリーズ)(新装版)』(駿台文庫)
上級レベルです。読解力と解答の論理力を講義形式の解説で養成します。文章を客観的に捉える術が習得でき、厄介な脱文挿入箇所判別問題がある本学部合格を確実にする一冊です。
(6)『立命館大学本学部の過去問』
実戦レベルです。10年分以上確実にこなし、解法をトレースしましょう。
古文対策編
(1)『重要古文単語315(三訂版)』
(2)『標準古文単語650(三訂版)』(ともに桐原書店)
前者を反復して完全定着させた上で、後者を数回丁寧に通読しましょう。それで古文の語彙はほぼ心配ありません。
(3)『ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル(三訂版)』(河合出版)
文法の基本が分かりやすくまとめられています。例文は品詞分解し現代語訳も必ずこなしましょう。
(4)『大学入試 全レベル問題集 古文 4 私大上位・私大最難関・国公立大レベル 新装版』(旺文社)
最難関私大などの良問14題を収録し、分かりやすく解説しています。古文の5つのジャンル別対策が掴める「古文ジャンル解説」、重要な文法と語句を併記した「現代語訳」、全ての問題に通じる最強の「読解ルール」等で、「古文」の読解に自信が持てる一冊です。
(5)『速読古文常識』(Z会出版)
古典常識習得用です。必修300語を収録しており、実戦的トレーニング文章の文脈で効率的に定着可能です。共通テストから難関私大まで対応しています。
尚、和歌修辞法等に就いては、学校配布の『国語便覧』も活用しましょう。
漢文対策編
(1)『漢文道場[基礎編]』(Z会出版)
送りがな・返り点といった基本ルールから重要な句法まで、基礎力養成の一冊です。
(2)『ステップアップノート10 漢文句形ドリルと演習(河合塾シリーズ)』(河合出版)
基礎定着確認用です。
※「攻略のための学習法[知識]」での「漢字の読み書き」の正答
2022年度の「回向」=「えこう」⇒仏教用語で「死者の成仏を願って仏事供養をすること。自
分の修めた功徳 (くどく) を他にも差し向け、自他ともに悟りを得るための助けとすること」
という意味も押さえておきましょう。
「ウトましく」=「疎(ましく)」⇒「疎ましい」は「好感がもてず遠ざけたい。いやである。いと
わしい。異様で恐ろしい。気味が悪い。不気味である」という意味です。
21年度の「顛末」=「てんまつ」⇒「事の最初から最後までの事情。一部始終」ということです。
「存否」=「そんぴ」⇒「そんひ」ではないので要注意です。「存在するかしないかということ」です。
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