東京工業大学 前期日程 数学
入試対策と勉強法
東京工業大学 前期日程 数学
ここでは、東京工業大学前期日程を目指す方に対して、数学の試験の出題傾向や試験合格のための勉強法、さらに、おすすめのテキストをご紹介いたします。なにから始めればいいのかわからない、効率的に勉強したい受験生は、ぜひ参考にしてください。
東京工業大学前期日程 数学試験の出題傾向とは
出題範囲(分野)
出題範囲は、数学Ⅰ、数学A、数学Ⅱ、数学B(数列、ベクトル)、数学Ⅲです。数学Ⅲの極限、微分、積分に関する出題が非常に多く、これらの分野からは複数題出題されることが多いです。その他の分野では、整数、確率の問題が頻出です。出題分野に偏りが見られますが、あまり出題されていない分野を軽視してよいわけではありません。
出題量と時間配分
近年は180分で大問が5題出題されています。大問1題あたりの時間は36分であり、かなり長いといえるでしょう。1題1題にじっくり時間をかけて取り組むことになるので、高い集中力を切らさずに解き続ける忍耐力も必要といえます。
出題形式
かつては、小設問に分かれていないシンプルな問題が多かったですが、近年は小設問に分けられている問題が多くなっています。しかし、問題の全体像を意識して解く必要があることには変わりはありません。また、解法の指針や方向性から考えていく力も依然として必要とされます。
解答形式
すべて記述式の問題です。ハードな問題が多いですが、どの問題も部分点をもらうチャンスがあるともいえるので、粘り強く取り組みましょう。もちろん、考え方や式などは、採点者に伝わるようにきちんと記述しなければなりません。
東京工業大学前期日程 数学試験を攻略するための勉強法
東工大の問題は、高度な思考力と計算力が必要な問題が多いです。このような問題に対応するためには、一つ一つの問題にじっくり時間をかけて考える練習が必要になります。少しだけ考えてすぐに諦めてしまうような取り組み方では、思考力はなかなか身につかないでしょう。
時間のことはあまり気にせずに、じっくり取り組むことを大切にしましょう。東工大入試に向けて、本格的な問題演習をする段階になると、かなりの時間が必要になるので、基礎固めはなるべく早めに終わらせるとようにしましょう。
もちろん、基礎固めをいい加減に済ませてよいわけではありません。しかし、必要以上に基礎固めにこだわってしまうと、学習進度が遅くなり、結果的に実戦的な演習時間が不足することにもつながるので注意が必要です。
極限、微分、積分
いうまでもなく極限・微分・積分に関する問題は最頻出であり、重点的に演習しなければなりません。
特に、定積分に関する問題(絶対値を含む定積分、定積分で表される関数、定積分と不等式、定積分と数列・漸化式の融合など)、極限に関する問題(はさみうちの原理、数列や確率との融合問題など)はよく出題されています。
また、図形的な色合いの強い問題も見られます。高難度の問題も含めて多くの問題に触れておくとよいでしょう。
整数
近年になって、整数に関する問題がよく出題されています。方針を立てにくい問題もあり、思考力が問われます。また、類題の経験の有無によって、解きやすさが大きく変わることもあるので、多くの問題に触れておきたいところです。
確率
場合の数や確率の問題は理解度の深さと応用力がポイントになります。原理は深く理解し、いろいろな考え方で問題に取り組んでみるとよいでしょう。柔軟な発想はそのような努力から生まれてくることでしょう。
補足
東工大では、本校らしい問題だけではなく、他大学の過去問の類題が出題されることがあります。他の難関大の問題に取り組むのもよいでしょう。
推奨テキスト
ここからは、勉強に役立つテキストをご紹介します。テキストには相性がありますので、できるかぎり書店で手にとって確かめることをおすすめします。
(1)『青チャート』(数研出版)
(2)『赤チャート』(数研出版)
網羅系参考書として有名なテキストである。通常であれば、『青チャート』で問題ないでしょう。
問題量が非常に多いので、すべての問題を解く必要性はありません。教科書傍用問題集などで基礎の反復練習を十分にこなしてあれば、やさしい例題は飛ばして構わないでしょう。
1度で全てを完璧にするよりも、必要に応じて参照にするという使い方がよいでしょう。
学校や塾によっては『赤チャート』を進められるケースもあるかもしれません。こちらは内容が重厚なので、先に進むのにかなり苦労する可能性があります。進行状況や使い方を相談しながら使用するようにしましょう。
『赤チャート』の巻末にある総合演習は良問が多いので、高3の夏以降になったら取り組んでみるとよいでしょう。
(3)『大学への数学 1対1対応の演習』(東京出版)
チャート式のような網羅系参考書を軽めに済ませた人は、このテキストをやってみるとよいでしょう。特に数学Ⅲの極限・微分・積分は、繰り返しの学習が重要なので、余力のあるうちに取り組んでおきたい一冊です。
(4)『合格る計算 数学Ⅲ』(文英堂)
「合格る」と書いて「うかる」と読みます。このテキストは、数学Ⅲの計算力強化にとても役に立ちます。解き方のコツが丁寧に説明されており、計算の上手・下手にまで触れている希少なテキストである。計算力強化を目的としたテキストなので、なるべく早い時期から取り組むことが大切です。
特に東工大は数学Ⅲの計算力も重要になるので、たかが計算と甘く見ないで、しっかりと計算力をつけておきたましょう。
(5)『理系数学の良問プラチカ 数学ⅠAⅡB』(河合出版)
標準的な良問を多く扱っており、ⅠAⅡBの総復習として使ってみるとよいでしょう。数学Ⅲの負担を考えると、なるべく早い時期から取り組み、高3の夏までには一通り終えたいところです。
(6)『大学への数学 数学Ⅲスタンダード演習』(東京出版)
基本~標準レベルの問題がある程度解ける受験生が対象であり、様々な使い方ができるでしょう。
使用例①
本格的な過去問演習に入る前段階の演習として(難易度Bだけでも)取り組み、解けなかった問題の復習や難易度Cの問題演習を過去問演習と同時進行で行います。
使用例②
高3の夏休み頃からの数学Ⅲのメイン問題集として使います。
使用例③
苦手分野を中心にくりかえし練習します。
(7)『やさしい理系数学』(河合出版)
(8)『ハイレベル理系数学』(河合出版)
『やさしい理系数学』の方でも、問題はそれほどやさしくはないでしょう。『ハイレベル理系数学』よりはやさしいですが、かなり難しい部類に入る問題集です。
この問題集は、一通りの内容を学んだ後に、総合演習として取り組むべきものです。良質な問題が多く、別解が豊富に掲載されており、いろいろな考え方を学ぶことが出来るでしょう。
数学が非常に得意である場合や、時間に余裕がある受験生は『ハイレベル理系数学』に挑戦してみるのもよいでしょう。
(9)『大学への数学 この問題が合否を決める!』(東京出版)
毎年、東京出版から発行される、『合否を分けたこの1題』のセレクト版であり、難関大で合否を分けるような問題のみをピックアップしてあります。このテキストで、難関大で合否の分かれ目になるような問題を演習することは大変意義があります。
東工大の問題だけでなく、他大学(特に旧帝大、早慶など)の問題も含めて積極的に取り組んでおくとよいでしょう。
(10)『東工大の数学20ヵ年』(数学社)
過去20年分の過去問が掲載されており、多くの過去問に取り組むことができます。問題の難易度も表記されているので、参考にするとよいでしょう。
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