早稲田大学 政治経済学部 英語
入試対策と勉強法
早稲田大学 政治経済学部 英語
ここでは、早稲田大学の政治経済学部を目指す方に対して、英語の試験の出題傾向や試験合格のための勉強法、さらに、おすすめのテキストをご紹介いたします。なにから始めればいいのかわからない、効率的に勉強したい受験生は、ぜひ参考にしてください。
政経学部では2021年度入試より選抜方法が変わり、共通テストに加え、学部試験として「総合問題」が課されることになりました。総合問題では大問が3つ出題され、本稿では英語にかかわる大問2及び大問3について解説します。
早稲田大学政治経済学部 英語試験の出題傾向とは
出題範囲(分野)
大問2は読解問題となっていますが、表やデータの読み取りを合わせた形式となることもあり、この辺りは大問1の出題内容とかかわっていると思われます。またこれまでと異なり長めの日本語による記述を要求されます。大問3は従来も出題されていた意見論述型の自由英作文となっています。出題英文は政経学部にふさわしい現代的な政治・社会・経済に関わるトピックとなっています。
出題量と時間配分
大問2の読解問題の語数にはやや幅があり、表やグラフが多く用いられているときのほうが英文の語数は少ないようですが、トータルでの処理時間に差はないといえます。60分は確保しておきたいです。大問3の自由英作文は形式上は従来型の意見陳述型の問題ですが、以前は典型的な現代的トピックであったため、トピックつぶしをすることでほぼ覚えている内容を吐き出してくるだけで足りることも多かったですが、2021年の出題を見ると、現場で考えざるを得ない出題の仕方に変化したようにも見えます。時間配分としては15~20分となるでしょう。
出題形式
まだ出題形式が変更したばかりで大問構成以外は安定しているわけではありません。前述のとおり大問2で表やグラフが用いられれば、本文と照らし合わせながら記述させる問題が出されます。また、200語程度の日本語による記述も求められることもあります。自由英作文については、あるトピックに対する賛否について理由を少なくとも2つ挙げて述べるということが要求されているのは従来と同様の出題形式です。
解答形式
解答形式が安定していないため設問の指示を丁寧に読み取る必要があります。数行に及ぶ設問文のものもあるため、問われていることを解釈するのにもやや時間がかかることも想定しておきましょう。長めの記述問題があるかどうかで本文の読みそのものにどれだけ時間をかけられるかも決まるので、本文の読み取り前に必ず設問形式・解答用紙を見ておよその戦略を立てましょう。
早稲田大学政治経済学部 英語試験を攻略するための勉強法
読解問題
英文量にはやや幅がありますが、手間のかかる設問処理に多くの時間を割かなくてはならず英文の読み取りそのものに多くの時間をかけるわけにはいかないため、速読能力を鍛える必要があります。意味のかたまりごとに前から読み下していく事ができなければ時間内に設問処理まで含めて解答を終わらせることは出来ないでしょう。句・節ごとに意味をとらえ、ニュアンスの分かるものは日本語に訳さず読み進める力を身につけましょう。
一定レベル以上の英文解釈能力を身につけたら、句・節ごとにスラッシュを入れながら前から訳し下すトレーニングをしましょう(スラッシュ・リーディング)。最初のうちはやや多めにスラッシュを入れることになるでしょうが、慣れてくればそれほど入れずに前から訳し下していくことができるようになります。併せて行いたいのが音読です。一度解き、しっかり復習した英文を用いて、必ず英文音読の時間を設けるようにしましょう。音読することで、強制的に前から読み下す習慣を身に付けることが出来きます。その際には必ず意味のかたまりごとに内容を把握する意識を持つようにしましょう。漫然と読んでいては効果が半減してしまいます。音源付きの長文問題集であれば、それを利用することでさらに効果を高めることが出来ます。
さらに、各パラグラフのトピックを意識しながら読み進められるとよいでしょう(パラグラフ・リーディング)。英語はワンパラグラフ・ワンアイデアというルールを守った書き方がされているため、この特質を利用することで、長い英文でも途中で内容の流れを見失わなくて済みますし、設問を解くときに根拠となる箇所を発見しやすいのです。ディスコースマーカーと呼ばれるつなぎ言葉にも意識を払うとより論旨の把握が楽になります。reader friendlyな文章が良い文章であるとされる英文の特質を理解していると、効率的な読解が可能になります。
自由英作文
まずは英文エッセイの基本的な構成・書き方を身に付ける必要があります。Introduction(導入・主旨)→Body(内容)→Conclusion(結論)という3部構成をおさえ、それぞれのPartの内容を書くにあたっての典型的なフレーズを身につけておくことで、現場では純粋に内容面のみを考えることが出来ます。
書きたい英語ではなく、書ける英語、論理を一貫させられる内容を選択するのも重要です。いずれにしても実際に手を動かして書くトレーニングを重ねましょう。
単語・イディオム
難解な単熟語が頻繁に用いられた英文が素材になっているわけではありませんが、知っていたほうが類推する箇所を減らせるのもまた事実です。このレベルの大学を目指す以上は多くの受験生も高いレベルの単語を身につけているため、余力があれば上級レベルの単熟語に対応できる教材を利用しましょう。
推奨テキスト
ここからは、勉強に役立つテキストをご紹介します。テキストには相性がありますので、できるかぎり書店で手にとって確かめることをおすすめします。
ここではテキストを英文解釈編、長文読解編、単語・イディオム編、自由英作文編に分けてご紹介します。
英文解釈
(1)『英文解釈の技術100』(桐原書店)
英文構造の把握を身につけるための良書です。この1冊を7~8割程度消化したら、あとは速読のトレーニングをすることに注力しましょう。
(2)『ポレポレ英文読解プロセス50』(代々木ライブラリー)
講義仕立てで読みやすく、量も絞ってある分、時間をかけずに終えることが出来ます。『英文解釈の技術100』をこなす時間がない人はこちらでも良いでしょう。
(3)『Rise構文解釈1・2』(Z会出版)
『2』までやれば英文解釈に不安はなくなりますが、どちらかと言うと、国立大との併願者向けです。
長文読解
(1)『パラグラフリーディングのストラテジー1・2・3』(河合出版)
ある程度の英文解釈力が身についたら取りくんでおきたいシリーズです。速読するためのエッセンスが詰まっています。パラグラフリーディングの基本を『1』で身につけ、それ以降でトレーニングする形です。
(2)『全レベル問題集:英語長文6』(旺文社)
(3)『イチから鍛える英語長文700』(Gakken)
(4)『英語長文PREMIUM問題集:Advanced/Top』(東進ブックス)
いずれも音源付きであり、出版も新しいため最新のトピックを知る上でも役に立ちます。ある程度の長さと難易度に慣れるために夏には取り組み始めたい一冊です。
単語・イディオム
(1)『速読英単語[必修編・上級編]』(Z会出版)
学校使用の単語帳を用いるのが効率的ではありますが、使いづらかったり相性が悪かったりするのであれば、CD音源付きで速読の練習も兼ねられるこちらを利用すると良いでしょう。『上級編』まで回せれば単語力に不足はないでしょう。
(2)『解体英熟語』(Z会)
ボリュームはありますが、テキストの後ろにある前置詞・副詞の「整理ノート」がよくまとまっており、効率的に覚えられるだけではなく、未知のイディオムもニュアンスを類推することができるようになります。
(3)『システム英単語Premium(語源編)』(駿台文庫)
語源ごとに編集された単語帳です。単語としてはやや難易度の高いものが多いですが、語源については分かりやくまとまっているため、自分の使っている単語帳では覚えにくい単語があるときに参考書のように利用するとよいでしょう。
英作文
(1)『英作文ハイパートレーニング自由英作文編』(桐原書店)
自由英作文の構成の仕方、基本フレーズを修得することが出来ます。政経学部志望者ならば、ぜひ取り組んで欲しい一冊です。
(2)『英作文のトレーニング[自由英作文篇]』(Z会出版)
やや上記のテキストと説明の仕方が異なるところがあるものの、学習した手順をさらにこちらで深めることが出来ます。
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