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早稲田大学 スポーツ科学部 小論文
入試対策と勉強法

出題傾向・攻略のための勉強法・推奨テキスト

早稲田大学 スポーツ科学部 小論文

ここでは、早稲田大学のスポーツ科学部を目指す方に対して、小論文の試験の出題傾向や試験合格のための勉強法、さらに、おすすめのテキストをご紹介いたします。なにから始めればいいのかわからない、効率的に勉強したい受験生は、ぜひ参考にしてください。

※本学部では「入試制度改革」に伴い2021年度より「共通テスト+小論文方式」となり、「個別学力試験」は「小論文」だけに変更されました(以前は「外国語」「国語or数学」と「小論文」)。今後もさらなる模索があり得るので、情報の更新には注意しましょう。尚、以下の「入試傾向」は、2021年度までの「入学試験」に準拠しています。

早稲田大学スポーツ科学部 小論文試験の出題傾向とは

出題範囲(分野)

「出題科目」は「小論文」です。

本学部が掲げる「スポーツ科学」の「3つのニーズ」は、「社会的ニーズ」(高齢化・少子化など社会構造の変化が進む中での健康増進の観点からのニーズ)、「スポーツニーズ」(競技スポーツや生涯スポーツのさまざまな場面での障害の管理やコンディショニングなどのニーズ)、「アカデミックニーズ」(スポーツというテーマを通して、自然科学系および人文・社会科学系の幅広い学問領域を総合的・学際的に学ぶことのニーズ)です。それを踏まえて、「新たな入試制度」では「スポーツ科学に強い関心を持ち、スポーツを科学的に探究していく高い学力」が求められています(本学部HP参照)。したがって、こうした観点からの多種多様な分野からの出題になります。

確かに、2021・22年度はともにスポーツに直接関連する「図表」に関する出題でした。しかし、上記の「アカデミックニーズ」を勘案すれば、20年度以前に多く出題されていたスポーツ以外のさまざまな学問領域分野も決して無視できません。

出題形式および出題量と時間配分

2017年度までは「課題文型」が多く1000~2000字程度の文章量でしたが、以降は「テーマ型」(短文含む)と「資料型」がメインになっています。試験時間は90分です。「課題文」「テーマ」「資料」の読解、分析、論点整理をした上での「構成メモ」を40分程度でしっかりと作成、残りの50分ほどで丁寧に自らの「見解」を論述していきましょう

解答形式

2017年度までは「801字以上1000字以内」の指定でしたが、以降は「601字以上1000字以内」指定となっています。尚、「論述」に「条件」が課される年度があります(「書き出し」の指定、2つ以上の論述内容の指示など)。的確に対応することが求められます。

 

早稲田大学スポーツ科学部 小論文試験を攻略するための学習法

前提

スポーツ科学部の「小論文」では、前述のように「スポーツ科学に強い関心を持ち、スポーツを科学的に探究していく高い学力」が問われています。したがって、「スポーツ科学」に就いての高い見識がなければ論述もままならないということになります。先ずは本学部にはどのようなカリキュラムであり、どのような研究が行われているかをリサーチし、本学部の研究領域と学問の方法を十分に理解し習熟することが肝要です。そして、より幅広い「スポーツ科学」の情報収集を通じて、自らの知見を磨いておきましょう。

知識

「課題文」や「テーマ」「資料」を理解し咀嚼する為には、難解な語句や「キーワード」を読み解く「知識」が必要になります。また、「見解論述」での「誤字・脱字」は確実に「減点要素」、「漢字」ひとつたりとも疎かにはできず、高度な語彙力を養成する必要があります。

その為にも、先ずは「己が実力」を把握することが重要です。「共通テスト(センター試験)」の「漢字問題」(要は「同音異字」「同訓異字」の判別)が「基礎的語彙力」のバロメーターとなります。その結果次第で、具体的な学習を進めていきましょう。

尚、以下のサイトは「漢字問題」だけがまとめられていて便利です。
http://www.kanjijiten.net/center/index.html

発想

「課題文」や「テーマ」「資料」あるいは「論点」が提示されているとはいえ、それをなぞっただけでは単なる「作文」になってしまいます。受験生各位の「見解」を論述するのだから、当然、独自の「発想」が必要です。幅広い議論の可能性を有している中で、如何に説得力のある「視点」を提起できるかが成否を分けます。

そこで、常日頃から現在の社会的課題やさまざまな事象に対して研ぎ澄まされた問題意識を持つことが重要です。身近に溢れる情報を、そうした観点で批判的に捉え「発想力」を磨き続けましょう。つまり、単なる知識の有無にとどまらない「自然科学・社会科学的思考のセンス」を身につけることが必要だということです。そのためには、ありふれた日常的な事象に就いて、多角的に考察しようという意思が肝要になります。

論述

「自らの見解」を的確に論じるには、「構成メモ」の作成が不可欠です。脳内イメージを視覚化、客観的に捉える作業です。最重要な「論旨」、説明に必要な「論点」「視点」を無作為に記し、整理してチャート化します。その上で、「見解」を「頭括型」の「論述」になるように各「要素」を取捨選択します。「序論」「本論」「結論」は「1:3:1」が基本です。こうした「構成メモ」の作成練習を重ねましょう。

尚、「資料型」の論述では「データのもつ事実を解釈し、自身の主張を論理的に展開する力」(2022年度の本学部公表の「出題意図」)が評価されるので留意しましょう。

もちろん、「論述練習」では「添削指導」を受けることが必須です。

 

推奨テキスト

ここからは、勉強に役立つテキストをご紹介します。テキストには相性がありますので、できるかぎり書店で手にとって確かめることをおすすめします。
ここではテキストをスポーツ科学習得編、知識編、見解論述編、発想・論点・視点編に分けて紹介しています。

「スポーツ科学」習得編

(1)『教養としてのスポーツ科学――アクティヴ・ライフの創出をめざして(改訂版) 』(大修館書店)
本学部「スポーツ科学学術院」編集です。「スポーツ科学」に関する教養を広く伝えるためのテキストです。スポーツ医科学、健康スポーツ、アスレティックトレーニング、スポーツコーチング、スポーツビジネスなどを解説しています。

(2)『なるほど最新スポーツ科学入門』(化学同人)
オリンピック金メダリストをはじめとする豪華執筆陣が、スポーツをする・見る・支えるという観点からスポーツ科学にまつわる内容をさまざまな分野から解説しています。

(3)『スポーツ科学の教科書――強くなる・うまくなる近道』(岩波書店)
運動能力向上や健康増進に欠かせない基礎知識を一問一答式で分かりやすく説明しています。

知識編

(1)『漢字 一問一答【完全版】』(東進ブックス)
(2)『現代文最重要語句(暗記いらずの)らくらく練習帳―熟語・慣用句・評論語句・外来語』(学研プラス)
(3)『新版完全征服 頻出現代文重要語700 三訂版』(ピアソン桐原)
(4)『現代文キーワード読解[改訂版]』(Z会出版)

前項の「センター試験(漢字問題)」チェックで、5割未満の場合は(1)から、6割は(2)から、7割は(3)から、8割は(4)から始めるのが目安です。反復練習して完全習得させます。特に(4)では、「キーワード編」のみならず「頻出テーマ編」も熟読し、完全に理解しましょう。

見解論述編

(1)『吉岡のなるほど小論文講義10(改訂版)』(桐原書店)
初級レベルです。「小論文とは何か?」「どのように文章を組み立てたらよいのか?」という基礎・基本を体系的に解説しています。入門から基礎力養成の一冊です。

(2)『資料と課題文を攻略して合格答案を書くための 小論文のオキテPRO』(KADOKAWA)
中級レベルです。入試で戦える「解き方」が身につきます。「小論文のオキテ」を習得でき、スポーツ科学部「見解論述問題」への完成度を高める一冊です。

(3)『小論文を学ぶ――知の構築のために』(山川出版社)
上級レベルです。「読みと書きの技術論」「小論文に必要な知の構築」「実践演習を通じての知の習得」の3部構成で、本学部で8割以上の得点ゲットをターゲットに据える一冊です。

(4)『小論文 テーマ別課題文集 21世紀を生きる〈改訂版〉』(駿台文庫)
最終レベルです。「主要頻出テーマ」ごとの「論点整理」「キーワード解説」が充実しています。万全を期すための一冊です。

(5)『早稲田大学スポーツ科学部(過去問)』
実践レベルです。数多く解き、「解法」をトレースして応用できるようにします。

「発想」「論点」「視点」編

(1)『文藝春秋オピニオン○○✕✕年の論点100』(文藝春秋/毎年11月発売)
毎年の日本の様々な「争点」が多角的に提起されており、「論点」「視点」の捉え方を習得できます。「時事対策」にもなる一冊です。

(2)『ニューズウィーク 日本版』(CCCメデイアハウス/週刊)
「政治」「経済」「国際情勢」などのグローバルな「視点」を磨くのに便利です。

(3)『興亡の世界史 人類はどこへ行くのか』(講談社)
文明の来し方とこれからを「人類史」の視座から多角的に論じており、世界史的観点での「論点」の把握方法を学ぶことができます。

※尚、新聞は毎日通読し、未知の内容や気になる記事はスクラップしておきましょう。また、「朝日新聞」から「産経新聞」まで、主張の異なる各紙の論説を必ず確認しましょう。

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