指導実例インタビュー
宮本先生
指導実例インタビュー
宮本先生
合格実績(五十音順)
お茶の水大(理)・慶應大(総合政策・環境情報・理工)・中央大(理工・法)・津田塾大・東京大(文科一類・文科三類・理科一類・理科二類)・東京工業大(工)・東京理科大(経営・理第一・理工)・東北大(歯)・法政大(情報・理工・工)・明治大(農・理工)・立教大(理)・早稲田大(法・政経・教育・人間・基幹理工・創造理工・先進理工) 他多数
東大といえどやはり基礎が重要!
指導を始める前の状況
■指導開始時期: 高2の9月
■指導科目: 数学、物理
■指導回数: 週1回2時間
代ゼミに通うN君は理系ながら英語が得意教科。高2の模試で偏差値70を超えていました。(高3の模試に比べるとかなり甘く出ますが)
また化学も教科書傍用問題集をまじめにこなし、代ゼミの有名講師の授業を楽しみに受講しているような優秀な生徒さんでした。
ただ物理と数学が不得意教科で、代ゼミの授業にもあまり身が入らない様子でした。
そこで数学と物理は代ゼミをやめて家庭教師でやっていく、と本人が決めたそうです。東大に合格するために今から何をやればよいのかを教えて欲しいという要望のもと指導を開始しました。
指導内容
■成績推移: 開始時偏差値65(河合塾全統高2模試)→最高時偏差値72(河合全統記述)
状況を確認すると、数学にせよ物理にせよ手を広げすぎている印象を受けました。
数学は学校の教科書傍用問題集、『青チャート』、『一対一対応』、『やさしい理系数学』、代ゼミのテキスト等をところどころ手をつけ、やりっぱなしです。
物理も同様。東大合格者の合格体験記などを読みすぎ、『難問題の系統とその解き方』のような難しい問題集をところどころやっていました。
これでは実力試験などでは成果が出ないのも当然です。N君とよく話し合い、高2のうちはまず基礎を徹底的に身につけることにしました。
前年度の東大の入試問題を例に、「受験までにこれだけやればこの問題とこの問題ができて何割取れる」「さらにこれだけやればたぶんこの問題とこの問題もできるから何割に届くよ」ということを具体的に説明しました。
本人も納得したうえで基本のマスターに取り組んでくれました。
実際に使った教材は、教科書傍用問題集です。数学ⅠAⅡB、物理も力学、波動の分野をやりました。高3春休みまでに一問残らず自力で解けるようにしたのです。
さらに高3の6月くらいまでに同じく傍用問題集で数Ⅲと物理の電気も全問解けるようにしました。その結果、5月の河合塾のマーク模試では数学と物理も9割弱の得点率でした。
そして6月、河合塾の東大オープンを受けましたが数学と物理は全く歯が立たず、この2教科が足を引っ張ったせいでE判定でした。
そのあと数学は『10日あればいい数学演習編』という薄い入試問題集を繰り返し解き、自力で全問解けるようにしました。
物理は問題集『名問の森』をやはり全問できるようにしました。この時点で夏休みが終わり9月に入った頃です。
東大入試に対しての到達度で言うと、数学は東大の過去問を正答することはできなくても解答を読めば理解することができるレベルになっていました。物理は全体の3分の1くらいは解けるレベルであったと言えます。
第2回の東大オープンではやはりE判定しか出ませんでしたが、これは想定内でした。
ここで本来ならばもう一冊ずつくらい東大レベルの難易度の問題集をやるべきなのですが、残り時間がなかったことと、N君と私の信頼関係が安定してきたことがあり、彼の能力を考えると、いきなり過去問でもやり方次第ではより早く力を養成できると判断し、問題集を一冊飛ばして過去問演習に入りました。
数学は早稲田、物理は東工大の問題が解きやすかったので、まずこの二校の過去問を問題集代わりに活用です。
1回目はほとんど解けず、2回目にも間違えた問題は、何がわからなかったかをよく考えてそれをポイントとしてノートにまとめてさせました。そのあと3回目にはかなりの問題が解けるのですが、それでも間違える問題は捨て問とみなし、それ以上の深追いはさせませんでした。
そのあと数学は慶応・東工大の順に、物理は慶応・早稲田の順に、同じく3回ずつ解きポイントノートを作って毎日寝る前にそのノートを見直してもらいました。理系教科であっても、大切なことをノートにまとめ、それを何度も見直すという学習は大いに有効なのです。
11月からいよいよ東大の過去問演習に入ります。数学も物理も5割弱くらい解けるようになっていました。東大の過去問はできるだけ多くやろうと考えていましたが、センター過去問も同時にやらねばならず結局7年分にとどまりました。
センター試験は数学も物理も90点台、全科目では8割ちょうどくらいでした。東大受験生の中では低めの数値です。センター後に東大過去問の2回目と3回目を行い、8割くらいは自力で解けるまでに仕上げました。
本番では数学は3問完答できたそうです。
結果
■進学先: 東京大(理科一類)
■他の合格校: 早稲田大(創造理工)、慶應義塾大(理工)
生徒とのエピソード
はじめは受験情報を集めすぎていて浮き足だった印象を持ちましたが、裏を返せばそれだけやる気があるということなので、生徒にあったレールを敷いてあげれば必ず合格できると思いました。
「そんなことで東大に受かるはずがない」というN君の先入観を崩し、私が説く「基本の重要性」を納得させることがカギでした。N君は自分が納得しないことはやらないという頑固な面がありましたが、納得した後はブレることなく私の指示通りに最後まで貫徹してくれました。
頑固ですが論理的に考える生徒でしたので、東大過去問を分析して具体的なプランを示せば納得するだろうし、納得さえすれば後はついてきてくれるだろうと私が予想した通りでした。
東京大学を目指す受験生へのアドバイス
東大といえどももちろん基本は大切です。高2までに基本をきっちり身につけてください。
高3になったら、実際にどんな問題が出るのかを体験するのがよいと思います。
『大学への数学』という月刊誌の3月号から5月号までにその年の有名大学の実際の問題が掲載されるので、それを解いてみるのもよいかもしれません。『一対一』や『スタンダード演習』や『青チャート』など有名問題集はいろいろありますが、実際に出る問題に触れることが重要だと思います。
数学なら6問中3問完答すればまず大丈夫なので、その3問のレベルを早い時期に知ることが重要なのです。
あと受験数学には独特な解法があります。これを身につけることです。『大学への数学』の日々の演習やスタンダード演習などでそういった解法を学ぶこともできますし、東大・京大・東工大などの過去問から直接学ぶこともよいでしょう。
宿題をできなかった自分を許せない! お茶の水女子大に合格!
指導を始める前の状況
■指導開始時期: 高3の9月
■指導科目: 数学、化学
■指導回数: 週1回2時間
Iさんはまじめで努力家でした。
ただ、勉強が定期試験ごとにやっているだけで、受験勉強としては場当たり的。受験に向けての穴のない体系的な勉強ができていませんでした。
しかし2週間ほど様子を見たところ、非常にまじめに宿題をこなし負けず嫌いな性格であることがわかり、必ず伸びる生徒だと確信しました。受験の経験がないので何をどうやればいいのかわかっておらず、それを教えてあげればよい生徒でした。
家庭教師を希望したきっかけは、定期試験で点数を取れるのに実力テストや模試では結果が出ないので不安になったからだと話してくれました。
指導内容
■成績推移: 開始時偏差値55(河合全統マーク)→最高時偏差値65(河合全統記述)
お茶大は東大などに比べれば難しい問題は出ませんが、受験者のレベルは高いので取りこぼしには気をつける必要があります。
Iさんはそれまでの場当たり的な勉強のせいもあり、得意分野と不得意分野がありましたので、まず全体をまんべんなくできるようにする必要がありました。
そこで数学は学校の教科書傍用問題集を 1Aから3まで一問残らず自力で解けるようにしました。かなりがんばってくれましたが、この時点ですでに9月になっていました。
化学はリードα化学を一問残らずできるようにしました。これも9月くらいまでに完成させることができ、河合塾の記述模試でも数学と化学は偏差値 65くらいが取れるようになりました。
そのあと数学は『10日あればいい数学』の演習篇を 1A、 2B、 3とやりました。化学は『化学重要問題集』です。これらは完全には仕上げることができませんでしたが、半分ちょっとくらいの問題に絞ってやり、やった問題は全問自力で解けるように、というスタンスです。
過去問は十分やる時間がありませんでしたが、受験校の二年分ずつくらいの過去問をやって出題形式に慣れてもらいました。
結果
■進学先: お茶の水女子大
■他の合格校: 日本女子大、立教大(理)
生徒とのエピソード
宿題を完遂できないことはほとんどない生徒でしたが、わずか数回、時間が足りずできなかったことがありました。その時のもうほとんど泣き出さんばかりのIさんの表情が印象的です。やれなかった自分が歯がゆかったのか、非常に悔しかったのだと思います。そのような性格ですから、大変な努力家でした。
そうしたIさんの努力によって、見事、お茶の水女子大の合格を勝ち取りました。
「お茶の水女子大学を目指す受験生へのアドバイス」
教科書傍用問題集を隅から隅まで完全に解けるようにすることがまず重要です。これだけで河合塾の記述模試では偏差値 65近く取れるようになるのです!
みんなが解ける問題をとりこぼさないよう気をつけて下さい。お茶大はそれほど難問は出ませんし、出たとしても必ずしも得点する必要はありません。
くどいようですが、基本を大切にし取りこぼしをしないよう日頃から意識して学習してください。計算ミスをしないように普段から一行ずつ、一文字ずつ計算ミスチェックをする習慣もつけてください。
解法とポイントをまとめたノートを作成。早稲田大学大に合格!
指導を始める前の状況
■指導開始時期: 2年生の3月
■指導科目: 数学
■指導回数: 週2回(1回2時間)
英語と物理と化学は得意でしたが数学だけが苦手意識があり模試でも点が取れていませんでした。好きなことはやるけれど嫌いなことはやらないという性格で、聞くと中受のときから算数が苦手だったようです。
性格は受け答えもはきはきした、快活でよく笑う素直な性格の生徒さんでした。
お父さまが建築設計事務所を経営なさっており、本人さんも高校生としては建築に詳しく、建築家の名前も何人か知っているような生徒さんでした。早稲田出身の建築学科に好きな建築家が多かったので、早稲田の建築学科に行きたいという強い希望を持っており、早稲田の建築学科出身であるわたしに指導が任されました。
家庭教師を考えた理由としては、河合塾の授業を受けていても成績が上がっている実感が持てなかったことと、自分に合った勉強のやり方を教えてほしかったそうです。ご両親も、何をどうすれば早稲田に行けるのかわからないので、教えてほしいとのことでした。
指導内容
数週間みさせていただくと、数学を理屈がわかっていないのにそういうものだと思い込むことで、なんとなく解いていることがわかりました。中受の算数にはたしかにそのような側面があり、それでなんとかなってしまう面もありますが、大学受験の早慶レベルですとそれでは太刀打ちできません。
本人とご両親にお話して、週1回の授業を2回に増やしていただき、教科書をつかって数Ⅰから例題を解き直しました。
暗記することは非常に得意ですが、論理を追って考えることが少し苦手な生徒さんでした。
この生徒さんには、理屈を考える訓練が最も有効だろうと考え、授業内で公式をすべて証明するようにし、次回の授業で、自分でも証明することができるようになっているかどうか確かめました。問題を解く時にも、論理展開を意識させるために、計算や答えだけでなく論理展開もきちんとノートに書かせるようにし、宿題もノートを詳しくみて、論理に飛躍がないかどうかをチェックしました。
学習状況の変化と合格までの成績推移
教科書傍用問題集を使って基礎レベルの内容を半年かけて掘り下げました。その結果9月のマーク模試では数学も八割ほどとれるようになり、本人も自信をつけてきました。
9月からは大学への数学別冊「新数学スタンダード演習」という問題集を、わたしが選んだ問題だけに絞って進めました。ここで入試レベルに必要なパターン問題を習得してもらい、バウムクーヘン分割や平面と点の距離の公式など、教科書傍用問題集レベルでは出てこないが、難関大学の入試問題にはよく出る便利な解法をノートにまとめていきました。二ヶ月でやるには大変な量でしたが、9月までに非常に成績が伸びたことと、わたしがこの生徒にはこの問題という、正に今必要な問題だけを選んだこともあり、新しいことを学ぶ喜びがあったのだと思います。9月からの数ヶ月は睡眠時間も削って非常によく勉強してくれました。わたしとしても、これだけやってくれれば合格できるだろうという確信を持っていました。
11月から過去問を解き始めました。東京理科大、早稲田、慶応、東北大、名古屋大、大阪大、東大の過去問を3年分ずつ解き、センター試験の後に2回目3回目と解き直し、100問弱の問題を全問自力で解けるようにしました。そこでもポイントをまとめたノートを作りました。
最後の河合塾全統記述模試では、数学は200点中170点ほど取れるようになっていました。もう数学は不得意分野ではなく、得意分野に変わっていました。早稲田の建築学科の判定もB判定が出たので、まず大丈夫だろうと確信いたしました。
結果
■結果(進学先) : 早稲田大学創造理工学部
■結果(他の合格校): 東北大学工学部、明治大学理工学部、東京理科大工学部など
生徒とのエピソード
絵を描くのが好きな生徒さんで部屋の中に自分で描いた絵がたくさん張ってありました。子供の頃から美術教室に通っていたそうです。そのことと、暗記力が非常に優れていたため、右脳の発達した生徒さんである印象を受けました。論理展開が苦手なのは本を読む習慣があまりないからではないかと考え、その生徒さんが好きだと言っていた建築家が書いた本を何冊か紹介して、読書も宿題として出すようにしました。
文章を読むことと数学を解くことは、論理を追うという点では非常によく似ていることはよく知られています。数学を解くことで本が読めるようになり、本を読むことで数学が解けるようになったところもあったと思います。
同じ志望校(早稲田大学)を目指す受験生へのアドバイス
早稲田大学の理工系学部の数学は、東大、京大、東工大の数学よりは簡単ですが、教科書傍用問題集だけで太刀打ちできるほど簡単ではありません。難問対策をきちんとしておかなければ、合格点を取ることはできないでしょう。
しかし、まずは基本が大切です。ここ二年ほどは難化傾向が続いていますが、それまでは数年間非常に易化していました。問題が易しいということは、早稲田に合格する受験生のレベルを考えると、非常に高得点が求められているということです。まずはスタンダードな問題を取りこぼさないことが重要です。そのためには、学校で配られたもので構わないので、教科書傍用問題集を全問自力で解けるようにしてください。
その次に入試レベルの問題をやりますが、大学への数学別冊「新数学スタンダード演習」をⅠAⅡB、Ⅲと2冊やるのがよいでしょう。この問題集はまさに早稲田理工系のレベルにぴったりの問題集です。問題量が多いですが、できれば全問自力で解けるようにしてください。
指導者がいる場合は必要な問題を選んで解いていくという方法もよいでしょう。
「一対一対応の数学」を解く受験生も多いですが、高2までに教科書傍用問題集を全問自力で解けるようにしている受験生であれば高3の4月から「一対一」をやってその後「新数学スタンダード演習」をやってもいいです。高2までに教科書傍用問題集を数Ⅲまで全問自力で解けるようにしていない受験生は、高3になってから「一対一」と「新数学スタンダード演習」を両方やることは時間的に難しいかもしれません。その場合「新数学スタンダード演習」のみをやるとよいでしょう。
もちろん過去問をやることも大切です。はじめは難しくて解けないかもしれませんが、何年分か解いているうちにだんだんコツがわかってきます。「新数学スタンダード演習」まで解いている受験生であれば真新しい発想はほとんど出てきません。知っている知識をいかに使うかを学ばなくてはなりませんが、過去問で演習することによって自然にわかることが多いので、是非やってみてください。
また、過去問は教科書傍用問題集をほぼ解けるようになった時点でやってみると、まだほとんど解けはしませんが、解答を読めば理解することはできるようになっているので、その時点で入試までのおおよその勉強のイメージをつかむことができます。
基本を徹底的に鍛えた後に過去問で演習。慶應義塾大学に合格!
指導を始める前の状況
■指導開始時期:高校2年生の11月
■指導科目: 物理、化学
■指導回数: 週1回(1回2時間)
河合塾MEPLOに通っていて数学と英語はよくできる生徒さんでした。物理と化学は学校の定期テストの勉強をする程度で本格的な受験勉強は始めていませんでした。体験授業を経て家庭教師で物理化学は進めていくことになりました。MEPLOの物理化学は難しそうで、ついていく自信がなかったので、自分の学力に合わせて成績を伸ばしてもらえそうな家庭教師を頼んだというお話でした。もともと東大理科一類志望でしたが、古文と漢文が学校の定期テストでも苦手で、慶應の理工を第一志望に変えてのスタートでした。
わたしが解説したことに対する理解力が非常に速く、頭の回転の速い生徒さんだなという印象を受けました。MEPLOに通っていて雙葉生であり、頭の回転も速いので、東大を第一志望にし続けていてもおかしくないのに、早々と見切りをつけて実際に自分が受かりそうな大学に志望を変えたという話を伺って、非常に謙虚な性格である印象を受けました。謙虚な生徒さんは言うことをよく聞いてくれることが多いので、成績もすぐ伸びるだろうと思いました。
慶應を第一志望にしたのは、雙葉の先輩が何人も通っているからということも理由のひとつでした。
指導内容
学校で配られた教科書傍用問題集を、まずは全問自力で解けるようにすることを目指しました。学校で習ったところの基本はきちんと理解していましたが、学校の進度が物理と化学に関してはあまり早くなかったので、先取り学習をしながら前の分野の復習もしていきました。飲み込みが非常に早く、高3の5月くらいまでには物理も化学も一通り終えることができました。そこから2回目、3回目と問題集を解き直しましたが、2ヶ月くらいで全問題を自力で解けるようになっていました。
5月のマーク模試では、物理と化学は7割弱しか取れませんでしたが、夏休みのマーク模試では物理も化学も9割を超えましたので、教科書傍用問題集は卒業し、夏休み後半から「物理重要問題集」と「化学重要問題集」を始めました。この問題集はどちらも1ヶ月で一通り解いてしまいました。教科書傍用問題集で基本を徹底的に鍛えましたので、入試問題集も難なくこなすことができました。
10月のはじめくらいには「重要問題集」も全問自力で解けるようになっていました。
秋の河合塾記述模試では、物理と化学の偏差値も70近く取れるようになっており、英数物化の総合偏差値は70を超えていました。合格判定もA判定が出ました。
10月から「化学の新演習」と「難問題の系統とその解き方 物理」を始めましたが、あまり深入りはせず、「化学の新演習」については慶応の化学でよく出題される有機の構造決定、反応速度、平衡、電池と電気分解の章のみを解き、「難問題の系統とその解き方 物理」は電磁気の章の例題40題ほどだけを解くことにしました。各問題の中でも設問の後半は非常に煩雑なものが多くあり、やらなくてもよいだろうと判断した問題は飛ばしました。
それと並行して10月から過去問を解き始めました。慶應、上智、東京理科大、横浜国大の赤本を全問自力で解けるようにしました。センター試験は9割弱取れ、国立は予定通り横浜国大に出しました。センターが終わったあとは、受験校の赤本は仕上げてしまっていたので、早稲田の化学と、東大の物理と化学を解きました。早稲田の物理は独特な問題が多く含まれているので慶應の対策には向いておらず外しました。慶應理工の物理化学は、東大の物理化学に全体的な雰囲気が少し似ています。直前期に東大の物理化学に触れたこともあって、慶應の本番は問題が少し易しく感じられたと言っていました。
結果
■結果(進学先) : 慶應大学理工学部学門5
■結果(他の合格校): 横浜国立大学理工学部情報工学科、上智大学理工学部情報理工学科、東京理科大学工学部情報工学科
生徒とのエピソード
この生徒さんは、受ければたぶん東大にも合格することができたのではないかと思えるほど、能力のある生徒さんでした。そのような話も何度かしたことがありますが、いつも「東大にギリギリで滑り込むより慶應に優雅に受かりたいです」と言っていたことが印象的でした。おそらく大学に入ってからも勉強をがんばっているのではないかと想像されます。
同じ志望校(慶應義塾大学)を目指す受験生へのアドバイス
慶應の理工の物理と化学は、非常に思考力を要求される難問が多く出題されますが、早稲田の物理のような見たことがない設定の超難問が出題されるわけではありません。難問の中では比較的オーソドックスな、東大の物理化学に少し雰囲気が似ています。ただし、東大の物理化学のように問題文を読むことによって法則性を類推しなければ解けないような問題はなく、努力がきちんと得点に反映される良質な問題で構成されています。
数学もそうですが、こちらは独特な穴埋め形式の問題が多く、これには慣れが必要です。しかも数学も物理も化学も計算が非常に煩雑な問題が多いです。ですから「重要問題集」レベルの問題集をやった後は、なるべく多くの過去問を解くことをお勧めします。できれば、少し古い赤本や青本も買って、十年分くらいの過去問を解いておくとコツをつかみやすいでしょう。