指導実例インタビュー
宇野先生
指導実例インタビュー
宇野先生
合格実績(五十音順)
青山学院大(文・文化政策)・慶應大(商・文)・上智大(外国語・経済・国際教養・総合人間・文・法・理工)・中央大(文)・東京大(文科一類)・東京外語大(言語文化)・東京工業大(工)・東京理科大(理工)・一橋大(商)・法政大(経営・経済・社会・文・法)・明治大(経営・文)・横浜国大(経営)・立教大(観光・文・法)・早稲田大(教育・国際教養・社会・商・政治経済・人間・文・文化構想) 他多数
英語の発想に基づいた文法と語法を学び直し、上智の外国語学部へ合格!
指導を始める前の状況
■指導開始時期: 高3の7月
■指導科目: 英語
■指導回数: 週1回2時間
ご両親が外資系企業にお勤めのご家庭で、海外への転勤も度々あることから幼少より英語に触れる機会も比較的多く、英語に対する興味がとても強い生徒でした。
通っている高校は県内でも1,2を争う進学校で、英語科の指導については東大、京大などの難関国公立大合格を目標とする指導が行われていました。
従って毎日出される課題は、難関国立大の入試で出題された英文の和訳問題や、洋書の短編小説の内容理解を問う問題といったものが多く、文章内の語彙も文型も複雑で、レトリックも豊富なことから各英文の意味を理解するために多くの思考力が必要でした。
一方、生徒の志望校である上智大で出題される英語は難関国立大とはタイプが大きく異なり、英語圏では一般の人たちが読むレベルの英語を試験時間内で大量に読んで正しく理解し、即答することが求められています。
生徒や保護者様もそのギャップには気づいておられて、このままでは十分な準備ができないまま本番を迎える恐れがあることから、個人指導を依頼することになりました。
生徒は毎日課される大量の英語の課題に対して疑問を感じてはいましたが、学校での成績を下げるわけにもいかず、毎日の課題に一生懸命に取り組んでいる状態でした。
指導内容
学校の成績や評価を下げることなく志望大学の入試の準備ができるように、まず学習計画を短期と長期に分けて策定しました。
限られた勉強時間や労力を少しでも有効に活用するために、勉強方法についても様々な記憶法やノートの取り方、付箋の活用法、反復学習方法などを学んでもらいました。
上智大学外国語学部の英語入試問題では、次の分野の知識や力が求められます。
1.日本の難関大を目指す受験生が学ぶ語彙に加えて、英語圏の人たちが日常使う語彙や慣用表現の知識
2.英語の構文分析力
3.翻訳力
4.英語の発想に基づく文法・語法の知識
5.英語圏の一般的な評論文を理解できる読解力
6.リスニング力及びスピーキング力
語彙力の増強のために、高校で指定している単語集と熟語集を継続して使うことにし、その単語集と熟語集に準拠したドリルを導入して、日常の単調な語彙学習にやりがいを感じられるようにしました。さらに、英語を第二外国語として学んでいる海外の学習者向けの慣用表現集も導入しました。
授業中に遭遇した未知の単語については、語形成と語源の話をして、未知の単語に対して意味を推理する力を高めてもらいました。
長文読解の精度を高めながら同時に速度を上げるためには、構文分析力と翻訳力の養成を段階的に行います。
そのために6段階に難易度の分かれたレベル別問題集を使用して、単語単位の読解から文単位の読解、次に段落単位の読解ができるようになるまで練習を行いました。
上智の英語では、正確な文法や語法知識を使って答えにたどり着ける問題が少なくありません。そこで生徒の理解や知識が不十分な単元を生徒と話し合いながら選択し、英語の発想に基づいた文法と語法の知識を再度学びなおしてもらい、新たに習得したそれらの知識を各種問題に対して常に活用できるような練習も行いました。
英文読解力の養成にはアメリカの大手メディアがネットで公開している記事も利用しました。話題になっている時事問題や社会問題に関連する記事を読んでもらうと同時に、内容について話し合ったりもしました。その過程で、最新の時事問題に関する知識や時事英語も学んでもらいました。
英語は音声に親しむと、文字で読んでいる英語が頭の中で音声化し理解の速度が速まります。
この生徒は音声英語に親しんでいる生徒であったことから、読解演習で使用した文章は全て音読してもらいました。海外の時事問題を扱った際には英会話で意見の交換を行いました。その際に、英語圏での典型的な話の構成順序なども学んでもらい、書かれた文章に対応する段落構成に関する知識の定着にも役立てました。
学習状況の変化と成績の推移
■成績推移: 開始時偏差値61(河合塾全統記述模試) → 最高時偏差値 72
8月第2回河合塾全統記述模試 英語61.3
語彙学習に対する興味が増したことによって、新出単語は積極的に学ぶようになりました。単語と熟語のドリルは2周目に入っていました。模試で長文を読んだ時に意味のわからない単語が減りました。
読解の仕方についても、以前は文構造を無視して文中の意味の分かる単語の意味を適当につなぎ合わせて文意を決めていたために、理解したと思った意味が原文と異なっていることが多々ありましたが、レベル別の教材を使用して構文読解練習をレベル3まで積み重ねたことによって、原文の意味を正確につかめるようになってきました。
これによって以前は苦手だった内容一致問題で得点ができるようになりました。ただ、試験問題の英文の構造と内容をつかむのに依然として時間がかかっており、最後の問題まで十分に考える余裕はまだない状況でした。
10月第3回河合塾全統記述模試 英語72.4
レベル別読解演習も最終レベルに入り、さらに精度の高い内容理解ができるようになりました。
筆者の言いたいことを段落ごとに把握し、以後の段落で述べられる内容を読む前に推理する力も備わってきました。
その結果、2度読みすることもなくなり、試験時間内に全ての問題に対して慌てず解答することができるようになりました。
この時期に受けた全統模試で、英語の偏差値が70を超えました。それ以降は、最後の仕上げとして、過去5年分の過去問を使用して、所定時間内に解答する練習を行いました。単語ドリルと熟語ドリルの反復学習は引き続き行い、これまで書きためた授業ノートの総復習は必ずやるように指示しました。
結果
■結果(進学先): 上智大(外国語)
■結果(他の合格校): ほか未受験
生徒とのエピソード
高校の各授業で出される課題の量は非常に多く、睡眠時間が4時間を切る時も頻繁にあったことから、授業中に眠くなることもありましたが、自ら顔を洗いたいと申し出ていました。週単位の学習計画を立てて毎日の睡眠時間を何とか7時間確保できるようにしましたが、その日の課題の量が大きく変動するので計画通りにいかないこともありました。
それでも次第に夜型から朝型に変えることができるようになり、気持ちも楽になったとのことです。睡眠不足は学習効率の大敵ですので、うまく改善が出来て良かったと思います。
上智大学を目指す受験生へのアドバイス
約30ページに及ぶ問題冊子に掲載される全8問全て文章題で、選択式のテストとはいえ、選択肢も全て英語で書かれており、様々な角度から英語の総合力について問われます。
出題される英文は難解ではありません。しかし英語の母国語話者の発想に基づく文法と語法の知識の習得は全問題に有効な得点力として必要ですし、構文分析力を養って理解度を向上させ、構文分析作業の習熟、語彙の増強、翻訳力、段落構成の知識によって読解の速度も向上させる必要があります。
書かれた英文の理解の速度を上げるにはリスニングとスピーキングの練習も必要でしょう。