医大・医学部受験プロ家庭教師 川崎医科大学 物理の入試対策と勉強法
医大・医学部受験専門プロ家庭教師が語る

川崎医科大学 物理
入試対策と勉強法

特徴と時間配分

出題範囲(分野)

力学および電磁気学を中心だがすべての範囲が万遍なく出題されます。最新年度では原子物理は出題されていません。問題は総じて平易で、公式の意味をきちんと理解していれば解ける問題が中心となっています。

出題量と時間配分

理科2科目120分です。物理に60分をあてたとして、大問5題を解くことになりますが、一つ一つの大問は大問というほどややこしい問題ではないので、時間的に少々ゆとりはあるでしょう。だからこそ、失点は命取りになります。

出題形式

大問5題構成となっています。各設問すべて複数からの選択肢から選んでマークする出題形式となります。あまり受験生が判断に迷うような選択肢はなく、きちんと解けばすぐに選べるようになっています。しかし、設問によっては選択肢が12個というものもあるので、選択ミスには気を付けましょう。

解答形式

すべて選択式です。記述式ではありませんが、やはりきちんと計算しなければ選択できないわけであり、選択肢だからといって易しいというわけではありません。グラフを選ばせる問題もよく出題されているので、共通テストの問題などで慣れておくことも有効です。

攻略のポイント

まずは基礎を固めることである
そのためには、まずは定義や公式を理解した上でしっかりと覚えることです。これがなかなか難しいです。理解するというのは、「自分の言葉で説明する」、「図で表す」、「他の公式同士のつながりを考える」など、様々な方法で公式を「考える」ということです。公式を覚えて、問題をただただ解きまくるといった学習ではなかなか物理の点数を上げることは難しいでしょう。一見、面倒だと思う作業を地道にやっておくことが、物理攻略の重要な出発点となります。

次に問題演習
物理で登場する公式や概念はそれほど膨大ではありません。それらを、完全に理解したら、次は問題演習に入ります。問題をやることで、基礎が理解できているかが確認できるからです。基礎の新たな面の発見につながることもあります。そういった意味で、問題演習も重要な作業となります。問題演習は、ただただ多くの問題を解くのではなく、1冊の問題に絞り、1つの問題を解いたら、他の方法で解いてみる、問題の現れる現象を深く調べてみるなど、多角的に検討します。その作業が、新たな問題を解くためのカギとなっていきます。問題を見たときに、どのようなプロセスで解いていくか、いわゆる問題解決能力を身につけないと、いつまでたっても新たな問題が解けるようにはなりません。何度も強調しますが、ともかく1冊の問題集に絞ること。それを徹底的にやりこむことが物理の得点力を伸ばすのに非常に重要となります。

計算力がないと時間制限内に自分で正解にたどり着けない
立式だけを行い、やり方がわかったら細かな計算を最後までやらないといった受験生を多く見かけます。必ず最後まで答えを出すことです。そうしないと、あっという間に計算力が落ち、試験になったとき、一向に点数がとれなくなります。どのように工夫すれば、より効率よく計算できるかを自分なりに研究することも大切です。しかし、自分ではなかなか効率よい計算にたどりつかないこともあるでしょう。そのときは、いつも習っている先生に自分の解き方を客観的に見てもらい、アドバイスをもらうのが一番の方法です。

過去問演習
標準レベルの単元別の問題集を解き終えた後は過去問演習を行います。ペース配分や回答形式に慣れることが重要です。本学の問題では、解答の過程も書かなければならない問題が多いので答えの正否だけではなく、解答を書く練習も忘れてはなりません。

推奨テキスト

(1)『セミナー物理基礎+物理』(第一学習社)
定番の教科書傍用の問題集です。基礎事項の定着に向いているので、はじめにやるテキストとして最適です。まずは基本問題をしっかり解いていきましょう。基本問題をきっちり解けるようになったら、発展問題に進みましょう。指導者がついている方向きです。市販されていないので手に入らない人はインターネットで落札するか、『リードα』などの学校で配られる問題集でもよいでしょう。

(2)『物理のエッセンス(力学・波動)』(河合出版)
(3)『物理のエッセンス(熱・電磁気・原子)』(河合出版)
こちらも基礎事項の定着に用いる問題集です。問題を解く前の説明が詳しいので、読み物として読みながら問題を解いていきましょう。物理的なものの見方・思考法を身に着けるのにとてもよいでしょう。独学の人はセミナーよりもこっちが使いやすいかもしれません。最低でも2~3周は解いてみましょう。

(4)『良問の風』(河合出版)
一通りの基礎が定着したら、この問題集に進みましょう。問題数が比較的少なく典型問題が網羅されているので、使いやすく達成感を得られます。問題編と回答編が分かれているので一気に解いていくのによいでしょう。最低2周は解くといいでしょう。
余力のある人は同じ出版社の『名門の森』(河合出版)に進むとよいでしょう。
こちらは手ごたえのある難問がそろっています。じっくり考えながら解いていきましょう。

(5)『物理重要問題集−物理基礎・物理』(数研出版)
基本から難問まで幅広く扱われている定番問題集です。典型的な問題はすべて入っていると考えてよいでしょう。この問題集の最大の特徴は、初見ならば絶対引っかかるトラップ問題がすべて網羅されていることです。一度引っかかっておけば本番で引っかかることがないので安心です。問題演習の仕上げとして使っていきましょう。まずはA問題だけを1~2周やり、B問題に進むといいでしょう。

テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。

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