医大・医学部受験プロ家庭教師 川崎医科大学 英語の入試対策と勉強法
医大・医学部受験専門プロ家庭教師が語る

川崎医科大学 英語
入試対策と勉強法

特徴と時間配分

出題範囲(分野)

大問として、文法・イディオム等知識問題が1題、語句整序問題が1題の出題が続いていましたが、2021年は語句整序が長文中での出題となり、大問3題の構成となりました。長文の素材としては医系のものが扱われることが多いです。全体としては標準的な知識・理解が問われており解きやすい問題と言えます。もっとも、長文の1題は英文が長く、速読能力が必要です。

出題量と時間配分

試験時間は80分です。大問1の短文空所補充問題は12~13分(大問2で語句整序が問われる場合は大問1と2を合わせて語句整序は17~18分程度)で終わらせ、読解問題2題に65分以上(大問2整序出題の場合は55~60分)残したいところです。長文読解は時間をかけただけ精度が増します。知識系の大問1をできるだけ早く終わらせるために知識の精度の高さを目指しましょう。

出題形式

読解問題に関しては、基本的には小問の並びと英文の流れが基本的には同一なので、1~2パラグラフ読むごとに選択肢をいくつか検討するという方法で進めれば、記憶が新鮮なうちに選択肢の正誤を判断できます。2つ目の長文のほうが長いため、時間配分でも意識しておきましょう。

解答形式

全てマークシート形式となっています。長文問題で英問英答となっており、読まなくてはならない英文は、トータルではかなりの分量となっています。読み取りに思っている以上に時間がかかるので、前述した時間配分のとおり、やや多めの時間を確保しておきましょう。

攻略のポイント

読解問題

読解問題の出来が合否を左右する出題となっています。したがって、読解力向上に向けた取り組みに時間をかけましょう。試験時が80分であることを併せて考えれば、速読能力の向上も必須です。意味のかたまりごとに前から意味をとっていく事ができなければ時間内に設問処理まで含めて解答を終わらせることは出来ません。句・節ごとに意味をとらえ、ニュアンスの分かるものは日本語に訳さず読み進める力を身につけましょう。

一定レベル以上の英文解釈能力を身につけたら、句・節ごとにスラッシュを入れながら前から訳読み下すトレーニングをしましょう(スラッシュ・リーディング)。最初のうちはやや多めにスラッシュを入れることになるでしょうが、慣れてくればそれほど入れずに前から読み下していくことができるようになります。併せて行いたいのが音読です。一度解き、しっかり復習した英文を用いて、必ず英文音読の時間を設けるようにしましょう。音読することで、強制的に前から読み下す習慣を身に付けることが出来ますし、日本語を介在させなくとも内容が頭に入ってくるようになる英文が増えてくることになります。その際には必ず意味のかたまりごとに内容を把握する意識を持つようにしましょう。漫然と読んでいては効果が半減してしまいます。音源付きの長文問題集であれば、それを利用することでさらに効果を高めることが出来ます。

文法・語句整序

大問1・2で問われる事項は標準的なものであるため、後述のようなインプット系の問題集を一冊完成させれば完答を目指せます。もっとも、かなり短い時間で解き切ることが要求されることになるため、高い精度で完成させましょう。語句整序が出題される年もあるため、こちらもしっかり対策が必要です。場当たり的な解き方ではなく、他動詞の性質や節の個数を意識した英文の骨組みから組み上げる手順をしっかり確立しておきましょう。

単語・イディオム・会話表現

単語レベルは標準的で、英文の素材に医療系のものが出題されることが多いですが、医歯薬系の単語を覚えなくてはならないほどの出題はありません。オーソドックな受験用単語帳を1冊完成させれば十分です。語彙・イディオムについても標準的な知識ではあるものの、ほぼ毎年出題されるためしっかり対策しておく必要があります。

推奨テキスト

[英文解釈]

(1)『入門英文解釈の技術70』(桐原書店)
英文構造の把握を身につけるための良書です。この1冊を7~8割程度消化したら、あとは速読のトレーニングをすることに注力しましょう。

(2)『ポレポレ英文読解プロセス50』(代々木ライブラリー)
講義仕立てで読みやすく、量も絞ってある分、時間をかけずに終えることが出来ます。(1)をやる時間がない人はこちらでも良いでしょう。

[長文読解]

(1)『パラグラフリーディングのストラテジー1・2』(河合出版)
ある程度の英文解釈力が身についたら取りくむべきシリーズで、速読するためのエッセンスが詰まっています。パラグラフリーディングの基本を1で身につけ、2でトレーニングする形。3もありますが難関国公立向けであるため、こちらについては国公立と併願する生徒向けです。

(2)『全レベル問題集:英語長文4・5』(旺文社)
(3)『イチから鍛える英語長文500』(Gakken)
(4)『英語長文PREMIUM問題集:Standard/Advanced』(東進ブックス)
いずれも音源付きであり、出版も新しいため最新のトピックを知る上でも役に立ちます。ある程度の長さと難易度に慣れるために夏には取り組み始めたい一冊です。

(5)『私立医大の英語(長文読解編)』(教学社)
医療系のテーマに絞った長文問題集です。最新医療の時事問題、医学・生物学など医学部で出題されること多いテーマをバランスよく扱っています。また、イラストを用いて背景知識を説明してくれているページは読み物としても面白いです。長文のレベルにややムラがあるが、医学部受験生はぜひ取り組んで欲しい一冊です。

(6)『過去問』
当然ながら、最高の実践的トレーニングとして最も重要なものです。近年の1年分については、レベル・形式を把握するために早い時期に解いておきましょう。

[文法・語法]

(1)『頻出英文法・語法問題1000』(桐原書店)
文法・語法系のインプット教材としてはややボリュームがありますが、比較的説明が厚めなので自分で進めやすいでしょう。もっとも、学校などでNEXTSTAGEやVINTAGEなどを利用していれば、これらのテキストもよくまとまっているため、学校の進行に合わせてそれらを使った方が効率はよいでしょう。

(2)『英文法ファイナル問題集[標準編]』(桐原書店)
全10回のテスト形式です。範囲指定のない形で問題が作られているため、知識の定着度を図るのに良いでしょう。語句整序も各回に出題されているため、苦手な設問形式をピックアップして取り組むという使い方も可です。

[単語・イディオム]

(1)『速読英単語[必修編]』(Z会出版)
学校使用の単語帳を用いるのが効率的ではありますが、使いづらかったり相性が悪かったりするのであれば、CD音源付きで速読の練習も兼ねられるこちらを利用すると良いでしょう。上級まで回せれば単語力に不足はありません。

(2)『解体英熟語』(Z会)
ボリュームはありますが、テキストの後ろにある前置詞・副詞の整理ノートがよくまとまっており、効率的に覚えられるだけではなく、未知のイディオムもニュアンスを類推することができるようになります。

(3)『システム英単語Premium(語源編)』(駿台文庫)
語源ごとに編集された単語帳です。単語としてはやや難易度の高いものが多いですが、語源については分かりやくまとまっているため、自分の使っている単語帳では覚えにくい単語があるときに参考程度に利用するとよいでしょう。

テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。

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