獨協医科大学 化学
入試対策と勉強法
特徴と時間配分
出題範囲(分野)
本学の化学は2005年以来大問5問の構成です。
各大問の主題として、近年は、第1問は化学全体からの小問集合、第2問は理論、第3問は無機、第4問が有機、第5問が高分子という構成となっています。それゆえ、偏りのない化学全体の対策が重要です。
問題自体の難易度としては、近年は医学部レベルとしては少し易し目のものが中心ですが、中に難しいものが混ざります。時間が厳しいこともあり、難しい問題は必ず解く必要はなく、うまく避けて合格点をとることが非常に重要です。
出題量と時間配分
理科は2科目で120分です。
大問5題の合計で設問数はおよそ30問です。単純計算して、化学にかけられる時間は60分で、大問一つあたり12分、1問当たりの平均2分程度です。全体の分量を考えると時間的には厳しい問題セットといえます。
小問ごとの難易度の見極めとスピード感が要求される試験です。70%を目標としたいところです。
出題形式
第1問は化学全体からの小問集合です。第2問~第5問は、それぞれの分野について、一つの話題をもとに展開されます。長文問題といえる問題は少ないです。
問題用紙の最初には、必要となる原子量や、気体定数、ファラデー定数、常用対数のlog2、log3、…、log7の値や√2、√3の値などが小数第2位までコラムで与えられています。はじめに、何の数値が与えられているか、必ずチェックするようにするべきです。
解答形式
全問マークシート方式です。
答えだけを答えるマーク式は途中経過を問われないので、自己流の解き方でも正解できる可能性があります。逆に部分点が期待できない点が要注意です。正攻法で攻めるかどうかの判断も経験と過去問による訓練が求められます。
攻略のポイント
第1段階:まずは基礎知識の定着、基礎の理解が重要です
化学の学習においては、まずは基礎知識の定着が重要です。いつどこで聞かれても、知識が自由に引き出せるようにしっかりと定着させます。そのためには同じ教材を何度も復習することが効果的です。教材は、教科書を読んで自分でまとめたノートでもいいですし、市販のもので良さそうなものがあれば、それで構いません。
問題演習は、基礎知識が身についたかどうかのチェックと考えておきましょう。「問題集を何周もして自然と基礎知識を身につけよう」という発想は危険です。覚える量がたくさんあるため、なかなか定着しません。
また、各分野には計算問題もありますので、それぞれに出てくる用語の意味や定義、考え方などをしっかりと理解しておくことは非常に重要です。理解出来たら『セミナー化学』(第一学習社)などの傍用問題集で問題演習を行い、理解度を確認しましょう。
基礎知識の定着や基礎の理解がなかなかうまくいかない場合には、個別指導によるサポートによって、正しい化学の学習方法を導いてもらうのも非常に効果的です。
第2段階:次は入試レベルに到達するまで知識量を増やし、理解を深めていこう。
教科書レベルの基礎知識の定着と理解がある程度進んできたら、問題集・参考書のレベルを上げていきます。知識量を増やし、さらに少し難しい内容についても理解を深めていきます。
獨協医科大学の場合、合否を分ける重要な段階は、傍用問題集の発展レベルか『化学重要問題集』(数研出版)などのA問題のレベルです。この段階までしっかりと解けるように問題演習を繰り返しておきましょう。
理解が進まない場合には、『鎌田の理論化学の講義』(旺文社)などの参考書も併用するといいでしょう。わかりやすく解説してくれています。
第3段階:過去問演習
過去問演習はどの大学においても重要です。過去問に取り組み、出題形式、時間制限などを把握し、どのように取り組むかを考えておくことはとても有効です。特に、埼玉医科大学は時間的に厳しいので、合格ラインに届くような問題の取捨選択の仕方を考えておきましょう。
推奨テキスト
(1)『教科書』(各出版社)
(2)『セミナー化学基礎・化学(セミナー化学)』(第一学習社)
(3)『エクセル化学・総合版(エクセル化学)』(実教出版)
(4)『リードα』(数研出版)
第1段階用です。教科書と定番の教科書傍用の問題集です。教科書の例題とともにこの基本例題、基本問題をマスターするのが第1の段階です。基礎的な力をしっかりと養っておきましょう。傍用問題集は学校で配られたものでかまいません。
(5)『理論化学のスピードチェック(シグマベスト)』(文英堂)
(6)『無機化学のスピードチェック(シグマベスト)』(文英堂)
(7)『有機化学のスピードチェック(シグマベスト)』(文英堂)
第1段階用です。基礎知識の定着のために用いる教材として市販のおすすめのものです。何度も繰り返して復習してください。
(8)『鎌田の理論化学の講義(大学受験Doシリーズ)』(旺文社)
(9)『福間の無機化学の講義(大学受験Doシリーズ)』(旺文社)
(10)『鎌田の有機化学の講義(大学受験Doシリーズ)』(旺文社)
第2段階のフォロー用参考書です。ポイントをわかりやすく解説してくれています。
(11)『化学重要問題集−化学基礎・化学(重問)』(数研出版)
(12)『鎌田の化学問題習(大学受験Doシリーズ)』(旺文社)
第2段階の問題集です。『重要問題集』は医学部の入試標準レベルの定番問題集です。
<番外編>
(1)『図録』(各出版社)
無機化学のさまざまな「色」の暗記には誰しも苦労します。また、化学は本来なら実験によって学ぶべきものですが、受験科学に登場する有名実験といえども実際に経験した方は少ないでしょう。追体験的な意味でビジュアル的要素の本書は必須です。
(2)『化学の新研究』(三省堂)
本学突破のためには必ずしも必要とはいえませんが、発展レベルまで高校化学のほぼすべての内容を網羅しています。わからないことがあったときに調べる辞書が欲しい人にはおすすめです。
テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。
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