出題範囲（分野）

最新の出題範囲は、文字を含んだ連立不等式、記数法（n進法）、文字を含んだ確率、平面ベクトル、複素数、数列、漸化式、数学的帰納法、曲線の長さ、置換積分など、多岐に渡っています。処理方法を知らなければ、そのまま捨て問になるでしょう。また、マーク式の場合、通常では証明問題は出題されにくいですが、本校ではマーク式であるにもかかわらず、穴埋め形式で数学的帰納法による証明問題が出題されています。1日目と2日目の2回チャンスがありますが、出題範囲に関してどちらも同じです。

出題量と時間配分

1日目・2日目ともに出題量としては大問4問構成です。そして、時間は60分でかなり短いと言えるでしょう。通常は比較的易し目の大問を10分前後で解いて、余った時間は比較的難しい大問の方にまわすということをします。ということは、本校を受験予定の人は、過去問をできるだけ多く解いて各大問の難易度について自分なりの感覚をつかんでおくべきです。そうすればその感覚は、そのまま本番での時間配分において大いに役立ってくれるはずです。

出題形式

最新の出題形式は大問4問構成のうち、第１問は小問２問構成という形式です。マークすべき箇所は多いです。イメージとしては、センター試験の数学の問題に近いと言えます。したがって、出題形式としてはマーク式の試験として通常の形式であると言えます。ただし、第４問においてマーク式であるにもかかわらず、数学的帰納法による証明問題が穴埋め形式で出題されています。マーク式でも証明問題が出題されることもある、ということを肝に銘じ証明問題対策も手を抜かないようにしましょう。

解答形式

まず、本校の試験は記述式ではなくマーク式です。マーク式のメリットは、途中経過を問われないので自己流の解き方でも正解をもらえる点にあります。またマーク部分のカタカナの桁数から正答の桁数もわかるので、計算ミスにも気づきやすい点もあります。さらには問題によって、仮の答えをマーク部分に「代入」して前後の条件と合致するか否かをチェックすることで正答を予測するという荒技もなくはありません。この方法も、適当な数を書くだけよりはいいかもしれません。一方で、マーク式のデメリットは、やはり部分点が入らないことでしょう。求められている答えを正しく求める必要があります。

基本の学習
まずは、基本的な定義・定理・公式などをしっかりと理解しておくことです。時間はかかるかもしれませんが、特に定理や公式の証明まで地道なことをしっかりやっておく必要があります。

典型的な問題演習
参考書・問題集の例題にある、いわゆる典型問題は、解答を見ずに解けるようにしておきましょう。解き方がわからなければ解答を参考にするのはよいですが、解答を理解して終わりといった連続では、自分の力で問題を解けるようになりません。解答を理解したら、一度本を閉じ、自分の力で最後まで答えを出すところまで学習することが重要です。

計算力・処理能力の強化
本校に限らず、医学部全般に共通していることではありますが、計算力・処理能力が非常に重要になります。計算の部分だけを取り出して練習するよりも、問題演習の中の複雑な計算を含めて最後まで粘り強く取り組むことが必要です。また、計算をやみくもにやっていくのではなく、常に「どのようにしたらより素早く計算できるか」を意識して研究を重ねることが必要です。一人の力ではなかなか気がつかないことは多いので、学校の先生や通っている塾予備校の信頼できる先生に途中経過を逐次チェックしてもらうことは非常に有効です。より、効率の良い、高度な計算テクニックをできるだけ取り入れましょう。また、問題演習をしていると、つまらない計算ミスなどをしてしまうことはある。そのときに、ミスを軽視せず、真摯に向き合うことが大切です。自らの手で正解を求められるまで格闘することが、計算力や処理能力の向上につながります。地道な努力を怠ってはなりません。

過去問演習
過去問なので、もう出題されない。確かにそうなのですが、出題の傾向をつかんでおくことは非常に重要です。過去問10年分をやるという事までは必要ありませんが、3～4年分は取り組み、この大学がどのようなレベルの問題を求めているのかを理解しておきましょう。

まずは、各分野において、標準的レベル以上の実力をつけることを考えるべきでしょう。苦手分野を作ってはいけません。苦手分野があれば、その分野は最後まで自分の足を引っ張るでしょう。早めに、短期集中で、苦手分野を克服するべきです。

（１）『青チャート』（数研出版）
問題量が非常に多いので、すべての問題を解く必要性はありません。例題などを中心に、取り組んでいきましょう。獨協医科大の入試に対応するためには、『青チャート』のレベルの問題をスラスラ解けるようにしておく必要があります。

（２）『Z会数学基礎問題集　チェック＆リピート』（Z会出版）
学んだ内容の定着度を確認するのに有効です。また、苦手分野の確認・復習にも効果的です。

（３）『合格る計算　数学Ⅲ』（文英堂）
このテキストは、数学Ⅲの計算力強化にとても役に立ちます。解き方のコツが丁寧に説明されており、計算の上手・下手にまで触れている希少なテキストです。計算力強化を目的としたテキストなので、なるべく早い時期から取り組むことが大切です。

（４）『チョイス新標準問題集』（河合出版）
基本事項がある程度身に着いた段階で取り組んでみるとよいでしょう。このレベルの問題をくりかえし解くことで、獨協医科大の問題に対応できるようになります。ただし、併願校によっては、この問題集は早期に終わらせておかなければならないので、取り組み方に注意する必要があります。

（５）『大学への数学　一対一対応の演習　数学Ⅲ微積分編』（東京出版）
標準レベルの良問が多いです。解説が問題のすぐ下に書かれてしまっているので、まずはそれを見ずにしっかりと自分で問題に取り組んでから、解答を参照しましょう。

テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。