医大・医学部受験プロ家庭教師 福岡大学 物理の入試対策と勉強法
医大・医学部受験専門プロ家庭教師が語る

福岡大学 物理
入試対策と勉強法

特徴と時間配分

出題範囲(分野)

力学、電磁気、熱力学、波動から3問が出題されます。今のところ原子物理は出題されていません。ただしこの出題形式はいつ変更されるかわからないので、原子の分野も押さえておいた方がいいかもしれません。

出題量と時間配分

理科2科目120分です。分量もそれほど多くないので時間的にはやや余裕があるでしょう。落ち着いてじっくり計算していきましょう。たまに通常とは異なる設定の問題をありますので、じっくり問題文を読みましょう。各小問は連続しているので、序盤に計算ミスをすると後半で大きな時間的ロスにつながるので要注意です。

出題形式

大問は3題です。最新年度では第1問は熱力学、第2問は電磁気、第3問が力学で、大問そのもので一つの問題になっています。内容的には、数式を求めさせる問題が多いですが、数値を計算させる問題、定性的な分析をさせる問題や、グラフを選択させる問題なども出題されます。

解答形式

問題ごとに回答形式が異なっています。第1問の熱力学は数式を計算させて答えをたくさんある選択肢から選ばせる形式です。選択肢は問題ごとに設定されていることもありますが、問題の末尾に40個ほどの選択肢を並べてそこから選択させる形式のときもあります。第2問の電磁気は誘導による数式の一部を選択肢から選ばせる形式です。第3問の力学は記述で、答えだけを解答欄に記入させる形式です。

 

 

攻略のポイント

まずは基礎を固めることである
そのためには、まずは定義や公式を理解した上で、しっかりと覚えましょう。これがなかなか難しいです。理解するというのは、「自分の言葉で説明する」、「図で表す」、「他の公式同士のつながりを考える」など、様々な方法で公式を「考える」ということです。公式を覚えて、問題をただただ解きまくるといった学習ではなかなか物理の点数を上げることは難しいでしょう。一見、面倒だと思う作業を地道にこなしておくことが、物理攻略の重要な出発点となるでしょう。

次に問題演習
物理で登場する公式や概念はそれほど膨大ではありません。それらを、完全に理解したら、次は、問題演習に入ります。問題を解くことで、基礎が理解できているかが確認できるからです。基礎の新たな面の発見につながることもあります。そういった意味で、問題演習も重要な作業となります。問題演習はただただ多くの問題を解くのではなく、1冊の問題に絞り、1つの問題を解いたら、他の方法で解いてみる、問題の現れる現象を深く調べてみるなど、多角的に検討しましょう。その作業が、新たな問題を解くためのカギになります。問題を見たときにどのようなプロセスで解いていくか、いわゆる、問題解決能力を身につけないと、いつまでたっても新たな問題が解けるようになりません。何度も強調しますが、ともかく1冊の問題集に絞りましょう。それを徹底的にやりこむことが物理の得点力を伸ばすのに非常に重要となります。

計算力がないと時間制限内に自分で正解にたどり着けない
立式だけを行い、解き方がわかったら細かな計算を最後までしないといった受験生を多く見かけます。必ず最後まで答えを出しましょう。そうしないと、あっという間に計算力が落ち、試験になったとき、一向に点数がとれなくなります。どのように工夫すれば、より効率よく計算できるかを自分なりに研究することも大切です。しかし、自分ではなかなか効率よい計算にたどりつかないこともあるでしょう。そのときは、いつも習っている先生に、自分の解き方を客観的に見てもらい、アドバイスをもらうのが一番の方法です。

過去問演習
標準レベルの単元別の問題集を解き終えた後は過去問演習を行いましょう。ペース配分や回答形式に慣れることが重要です。本学の問題では、解答の過程も書かなければならない問題が多いので、答えの正否だけではなく、解答を書く練習も忘れてはなりません。なお、他の同レベルの私立医学部の過去問を解いておくのもいいでしょう。

推奨テキスト

(1)『セミナー物理基礎+物理』(第一学習社)

定番の教科書傍用の問題集です。基礎事項の定着に向いているので、はじめにこなすテキストとして最適です。まずは基本問題をしっかり解いていきましょう。基本問題をきっちり解けるようになったら、発展問題に進みましょう。指導者がついている方向けです。市販されていないので手に入らない人インターはネットで落札するか、『リードα』などの学校で配られる問題集でもよいでしょう。

(2)『物理のエッセンス(力学・波動)』(河合出版)
(3)『物理のエッセンス(熱・電磁気・原子)』(河合出版)

こちらも基礎事項の定着に用いる問題集です。問題を解く前の説明が詳しいので、読み物として読みながら問題を解いていきましょう。物理的なものの見方・思考法を身に着けるのにとてもよいでしょう。独学の人はセミナーよりもこちらが使いやすいかもしれません。最低でも2~3周は解いてみましょう。

(4)『良門の風』(河合出版)

一通りの基礎が定着したら、この問題集に進みましょう。問題数が比較的少なく典型問題が網羅されているので、使いやすく、達成感を得られるでしょう。問題編と回答編が分かれているので一気に解いていくのによいでしょう。最低2周は解くといいでしょう。
余力のある人は同じ出版社の『名門の森』(河合出版)に進むとよいでしょう。
こちらは手ごたえのある難問がそろっています。じっくり考えながら解いていきましょう。

(5)『物理重要問題集−物理基礎・物理』(数研出版)

基本から難問まで幅広く扱われている定番問題集です。典型的な問題はすべて入っていると考えてよいでしょう。この問題集の最大の特徴は、初見ならば絶対引っかかるトラップ問題がすべて網羅されていることです。一度引っかかっておけば本番で引っかかることがないので安心です。問題演習の仕上げとして使いましょう。まずはA問題だけを1~2周やり、B問題に進むといいでしょう。

 

テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。

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