医大・医学部受験プロ家庭教師 岩手医科大学 数学の入試対策と勉強法
医大・医学部受験専門プロ家庭教師が語る

岩手医科大学 数学
入試対策と勉強法

特徴と時間配分

出題範囲(分野)

岩手医科大学の入試問題の4年前あたりは標準レベルの問題が中心で、解きやすい問題ばかりでしたが、傾向は変わり、とくにベクトルの問題で図形的な考察が要求される問題が登場するなどが目立つようになりました。

出題量と時間配分

試験時間は英語と合わせて120分で、大問題数は3題です。従来は難問や時間のかかる問題は出題されておらず、基本~標準レベルの問題が中心であり、問題数もそれほど多くありませんでしたが、近年では全体的な問題のレベルが上がり、時間的な余裕はないでしょう。

出題形式

大問が3題あり、1題は微分積分、もう1題は確率、残る1題はその他の分野から出題されています。各大問は、いくつかの小問に分かれており、誘導形式になっている問題が多いです。序盤でミスをすると、その大問の大半を失うことがありますので、慎重に解くよう心がけましょう。

解答形式

すべて空欄補充式の問題です。空欄には整数しか入りませんが、桁数までは分からないようになっています。最終的な答えのみが採点対象であり、途中式などは一切採点されませんので、つまらないミスなどにはくれぐれも注意しましょう。

攻略のポイント

基本の学習
まずは、基本的な定義・定理・公式などをしっかりと理解しておくことです。時間がかかるかもしれませんが、特に定理や公式の証明まで地道なことをしっかりやっておく必要です。

典型的な問題演習
参考書・問題集の例題にあるいわゆる典型問題は解答を見ずに解けるようにしておきましょう。解き方がわからなければ解答を参考にするのはよいですが、解答を理解して終わりといった連続では、自分の力で問題は解けるようになりません。解答を理解したら、一度本を閉じ、自分の力で最後まで答えを出すところまで学習するのが重要です。

計算力・処理能力の強化
本校に限らず、医学部全般に共通していることではありますが、計算力・処理能力が非常に重要です。計算だけを取り出して、練習するよりも、問題演習で複雑な計算が出てきても最後まで粘り強く取り組むことが必要です。また、計算をやみくもに解いていくのではなく、常に、「どのようにしたらより素早く計算できるか」を意識して研究を重ねることです。一人の力ではなかなか気がつかないことは多いので、学校の先生や、通っている塾予備校の信頼できる先生に途中経過を逐次チェックしてもらうのは非常に有効です。より、効率の良い、高度な計算テクニックをできるだけ取り入れましょう。

また、問題演習をしていると、つまらない計算ミスなどをしてしまうことはあります。そのときに、ミスを軽視せず、真摯に向き合うことが大切です。自らの手で正解を求められるまで格闘することが、計算力や処理能力の向上につながります。地道な努力を怠ってはなりません。

過去問演習
過去問なので、もう出題されません。確かにそうなのですが、出題の傾向をつかんでおくことは非常に重要です。過去問を10年分などこなすというのは必要ありませんが、3~4年取り組み、この大学がどのようなレベルの問題を求めているのかを理解しておきましょう。

前述の通り、岩手医科大の入試問題の難易度は少し上がってきています。それでも、標準的な問題は多く、素早く解答できる問題も目立つのでそこは素早く処理したい高得点を取る必要があります。近年では空間図形など図形の少々難易度の高い問題が目立つので、十分な対策をしておきましょう。

推奨テキスト

(1)『青チャート』(数研出版)
いわゆる網羅系参考書です。問題量が非常に多いので、すべての問題を解く必要性はありません。例題などを中心に、問題を選んでいけばよいでしょう。特に、ベクトルや空間図形の項は練習問題までしっかりやっておきましょう。

(2)『Z会数学基礎問題集 チェック&リピート』(Z会出版)
教科書レベルから入試の基本レベルの問題への橋渡しを目的とした問題集です。初めはやや解きにくく感じる問題もあるでしょうが、なるべくスラスラ解けるようにしておきましょう。また、学んだ内容の定着度の確認に利用するとよいでしょう。

(3)『数学基礎問題精講』(旺文社)
基本レベルの問題をわかりやすく説明してあります。苦手分野の典型的問題を確認したり、演習量を増やしたいときに利用できます。このテキストは、隅々まで取り組むよりは、気になった問題のみに取り組むという使い方の方がよいでしょう。ただし、数学Ⅲについては多めに演習しておくとよいでしょう。

(4)『チョイス新標準問題集』(河合出版)
基本事項がある程度身に着いた段階で取り組んでみるとよいでしょう。このレベルの問題をくりかえし解くことで、岩手医科大の問題に対応できるようになります。ただし、併願校によってはこの問題集は早期に終わらせておかなければならないので、取り組み方に注意する必要があります。

(5)『合格る計算 数学Ⅲ』(文英堂)
「合格る」と書いて「うかる」と読みます。このテキストは、数学Ⅲの計算力強化にとても役に立ちます。解き方のコツが丁寧に説明されており、計算の上手・下手にまで触れている希少なテキストです。計算力強化を目的としたテキストなので、なるべく早い時期から取り組むことが大切です。

 

テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。

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