自治医科大学 化学
入試対策と勉強法
特徴と時間配分
出題範囲(分野)
高校化学の全分野から広く出題されています。他の医学部では出題頻度の低い無機化学についても理論化学の計算問題や有機化学と同じぐらいの分量が出題されています。故に受験生は全ての分野を偏りなく学習しておくことが求められます。
出題量と時間配分
問題数は選択式問題が全25問、試験時間は2科目で80分なので化学に半分の40分を使えると考えた場合1問あたり2分以下で解いていかなければならない計算になります。知識問題でも瞬間的に解ける問題はあまり多くないので、問題量に対して時間はかなり短いといえるでしょう。
出題形式
独立した小問が25問というのはかなり独特の出題形式といえるでしょう。また計算問題についても答えの値を選択肢から選ぶタイプとなっています。正誤の組み合わせを選ぶ問題もあり、一つでも間違えるとその問題は0点になってしまうので正確な知識が求められます。
解答形式
先述した、計算問題も解答の値を選択肢から選ぶというところが最大の特徴です。また選択肢に並んでいる値も微妙なものはほとんどなく値自体が大きく異なるものが並んでいることが多いです。つまり本学の計算問題においては細かい計算をする必要性はなく概算で素早く答えを求めることが重要です。
攻略のポイント
例年、高校化学の全範囲から出題されるので手を抜いてもいい分野は存在しません。時間をかければほとんど解けるという印象を持てるような問題が多いために「自治医の化学は簡単」と結論づけてしまうのは早計です。そもそも各都道府県から1~2名しか合格できない特殊な募集方法であることを考えれば満点に近い得点を狙いましょう。そのためには計算問題において概算で素早く正答を出す技を身に着けましょう。以下にその技の取得方法の一例を示していきたいと思います。
学習初期の段階ではひたすら面倒な計算も地道に解いていく、その際に数値がたくさん出てくる計算(気体や溶液分野)はなるべく少数を分数に直して約分できるものは約分して簡単な数値に直してから計算をするなど、少しでも計算の負担を減らすことを常に意識すべきです。
慣れてきたら近い値は同じでなくても仮で約分するようにして概算の感覚を磨いていきましょう。
また、よく見かける分子量や式量なども覚えてしまいましょう。特に数値の大きいものはその場で分子量などを求めると計算ミスが起こる可能性が上がってしまうので積極的に覚えていきましょう。例として、グリセリンの分子量は92、アミノ酸の共通部分の式量は74など、「覚えよう」という意識をもって問題を解くのと、ただ目の前にある問題を解くのとでは大きな差ができるので日々の小さな意識を変えていくことで成果は変わってくることを肝に銘じましょう。
さらに資料集などでまとめて扱われている「有用な化学物質の工業的製法」の様に共通項目でつながっている内容はまとめて理解するようにすると定着しやすいでしょう。
推奨テキスト
(1)『セミナー化学』(第一学習社)
基本的な問題をベースに構成されている問題集です。まずはこれに自力で取り組みましょう。その際に不明箇所を明らかにしながら進めていき、不明箇所に関してはその都度確認を行い決して曖昧なまま放置しないことです。だだし入手が難しい場合には以下の代替となりうる問題集でもよいでしょう。
(2)『化学の新標準演習』(三省堂)
セミナー化学が入手できない場合にはこちらを代替させても良いでしょう。問題のレベルは非常に素直な問題が多くそれほど考え込まずに進めていける問題が多いと思うので使いやすい問題集といえるでしょう。
(3)各社から出版されている写真がふんだんに掲載されている『資料集』
問題集は時期によって使用するものが変わったり、過去問演習になったりしますが、『資料集』は全ての期間で使用します。常に手の届くところに置いて、わからない用語などが出てきたらすぐに索引を使って調べ、一度調べた内容にはマーカーや付箋でしるしを付けていきます。するとやがてどのあたりにどんな内容が書かれているかがわかってきて、調べるときにも索引に頼らずに調べられるようになります。
(4)『化学重用問題集』(数研出版)
年度ごとに毎年数問が入れ替わり常に最新の入試傾向を反映させようとしている稀有な問題集です。どの問題集にも言えることだとは思いますが、すべての問題をカバーでき、かつ分量が多すぎない問題集は無いことを考えれば現状での第一の選択肢として推奨したい問題集です。ただし問題の難易度が比較的高い問題に対する解説が「このぐらいはわっかているだろう」という想定で書かれているためにそういった時にアドバイスをもらえる指導者の下で学習すれば効果は保証できます。
テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。
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