順天堂大学 化学
入試対策と勉強法
特徴と時間配分
出題範囲(分野)
他の医学部同様高校化学の全範囲からの出題となっており特に化学平衡に絡めた問題が多くみられます。それぞれの問題ごとの難易度は決して高くないものの、制限時間との兼ね合いを考えるとかなり厳しい戦いを強いられる覚悟が必要です。
出題量と時間配分
理科2科目で120分、大問1がマーク式の選択問題で計算問題の答えも選択肢から選ぶ形式でマークの数は20問強です。大問2が記述式でやや考えさせられる問題も含まれており、出題量としてはかなり多いです。
出題形式
大問1はいわゆる単純な小問集合的な問題ではなく、一つのテーマについて7~8問の問いに答える中分類の問題が3問ほどで構成され、計算結果も選択肢から選ぶタイプです。大問2にはグラフを作成する問題などが含まれるケースも見られます。
解答形式
上記出題形式であることと、時間制限の厳しさから前半の計算問題では比較的数値に幅があることが多いので細かく計算する必要はない場合が多く、概算で素早く計算結果を出せればよいでしょう。一方後半では理由を答えなければならないケースも見られます。
攻略のポイント
問題量の多さという特殊性もあるため、一般的な化学の受験対策と同じように基本的な問題を仕上げ、その後にやや応用的な問題を仕上げ、その後に過去問演習という順序で取り組むと、自分では準備が出来ている状態で「さあ過去問演習だっ!」と意気込んでみたものの、時間が厳しすぎて気持ちが萎えてしまう危険性があるので、基本問題が仕上がった時点で既習分野について本学の過去問に少しずつ触れながら、時間対策にも気を配って学習を進めていきましょう。
また、頻出の分野の問題に関しては半ば反射的に解法が思い浮かぶ状態にまで習熟していくことが望ましいでしょう。一例として、酸化還元分野における「チオ硫酸ナトリウム」に関しては半反応式が書けるに越したことはありませんが、少なくとも「1価の還元剤」であることは当たり前のように答えられるようにしておきましょう。今の例のような習熟している者にとっては当たり前になっている知識の部分で考え込んでしまうようだと、時間との勝負に打ち勝つことはできないので、日々の学習の中で新たに出会った知識などについては貪欲に吸収する姿勢をもちましょう。
さらに現在問題集などを自力で解き進めている受験生には、各問題集の解答は書籍という形態をとっているために厳密な解法しか載っていないことも多く、本学をはじめとする医学部入試で必須の概算で素早く答えを出す方法や知識として知っていれば選択肢を減らせる方法などはほとんど掲載されていないので、そのあたりまでフォローができ、さらには本人の実力に応じて捨てるべき問題の提示ができる指導者の下で学習を進めることが望ましいでしょう。
推奨テキスト
(1)学校で配られているような『セミナー化学』『エクセル化学』などの基本的な問題をベースに構成されている問題集
まずはこれに自力で取り組みましょう。その際に不明箇所を明らかにしながら進めていき、不明箇所に関してはその都度確認を行い決して曖昧なまま放置しないようにしましょう。
(2)各社から出版されているほぼ全編カラーの化学の『資料集』
化学の学習の際には学習スタートの時点から受験直前まで常に傍らに置いておきましょう。最後の方のページに索引がついているので知らない語句や知識などに出会ったときには迷わず調べる習慣をつけましょう。
(3)『化学重用問題集』(数研出版)
年度ごとに毎年数問が入れ替わり常に最新の入試傾向を反映させようとしている稀有な問題集です。どの問題集にも言えることだとは思いますが、すべての問題をカバーでき、かつ分量が多すぎない問題集は無いことを考えれば現状での第一の選択肢として推奨したい問題集です。ただし問題の難易度が比較的高い問題に対する解説が「このぐらいは解っているだろう」という想定で書かれているためにそういった時にアドバイスをもらえる指導者の下で学習すれば効果は保証できます。
(4)『順天堂大学赤本』(教学社)
こちらは外せないでしょう。過去問は買ってはみたものの結局あまり使わないまま本番入試にしまうケースもあるようですが、本学の特徴的な出題方式は市販の問題集だけでは対策が十分には出来ないことを肝に銘じましょう。特殊であればあるほどその傾向をつかむことでライバルたちに差をつけることができるわけですからコストパフォーマンスの面でも優れており、早い段階から既習分野のチャレンジ問題として使い倒しましょう。
テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。
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