医大・医学部受験プロ家庭教師 順天堂大学 生物の入試対策と勉強法
医大・医学部受験専門プロ家庭教師が語る

順天堂大学 生物
入試対策と勉強法

特徴と時間配分

出題範囲(分野)

私大医学部でよくみられる医学関連に特化した出題ではなく、進化や生態系も含めバランスよく全体から出題されます。出題内容は知識問題が多く、教科書レベルの簡単なものが多いですが、多くの受験生が無視するような細かい知識も聞いてくることがあります。

出題量と時間配分

理科2科目120分で大問4つです。1科目あたり60分の計算ですが、時間はかなり楽でしょう。もう一方の理科(化学だろう)が時間的に厳しいことを考えると、生物で時間を稼ぐ戦略は有効です。知識問題の大問は時間稼ぎの場所なので考え込まずに進めましょう。また、最後に出題されることの多い考察問題は設問の難易差が激しいので、解るところを埋めていき、他の理科の時間を確保することが賢明でしょう。

出題形式

初め3つの大問が知識問題を主体とする穴埋めや正誤です。そして最後の大問では実験考察問題が出題されることが多いですが、年によっては知識よりの問題であることもあります。出題に当たって図や表が与えられることも多く、特に考察問題では図の読み取りが考察の前提になっています。

解答形式

前半3つの大問はマーク式であり、一つのマーク欄に2つマークするように指定している問題もあります。また、同じものを繰り返し利用してよい設問も存在します。最後の大問は記述式であり、理由を論述させる問題も出題されます。また、字数制限や漢字指定などもみられます。

攻略のポイント

本学においては、何よりも知識の整理がものをいうでしょう。他の医学部と同じですが、まずは教科書レベル、つまり、落としてはいけない問題をしっかりとれるように対策し、図表などの細かい知識を入試直前まで繰り返し覚えていきましょう。

基本知識のインプットは、嫌がる受験生も多いですが、教科書及び傍用問題集によって行っていくのが良いでしょう。そもそも入試問題は教科書を参考にして出題されることが多いです。また、参考書は日々更新される生物の知見に追いつけていないものも散見されます。ただ、教科書でいまいち押さえきれない部分があれば、分かりやすさを売りにしている参考書をあくまで参考として読んでみるのもよいでしょう。知識のインプットでは、まず全体的な仕組みや意義を把握し、その後、細かいタンパク質名や生物名などを整理していけばよいでしょう。傍用問題集に関しては間違えた問題は印をつけておいて、1週間後にでも再チャレンジしましょう。

上記が終わると、入試基礎レベルの問題演習を回せるので、たくさん演習しつつ図表(資料集)で知識を補填していきましょう。本学ではまんべんなく前半に出題されることや、論述式の問題も出題されることから、特定分野に限らず(苦手分野から逃げず)、また、しっかりと紙に答えを書いてみましょう。頭になんとなく答えをイメージし、解答を見て終わり、という勉強法はむしろ記述力に絶対の自信がある層のみに許された方法であり、実際に書いてみると思った以上に書けない(書くのに時間がかかる)受験生が多いでしょう。

最後に、過去問についてですが、遅くとも夏休みには必ず1年分ぐらいは解いて、問題出題のされ方や難易度を確認しましょう。本格的な過去問演習もどんなに遅くても11月には取り組み始められるような計画を立てましょう。

推奨テキスト

(1)『リードLightノート生物基礎』(数研出版)
(2)『リードLightノート生物』(数研出版)
対象:教科書を読み終わった初学者、基礎の漏れをチェックしたい方
教科書に載っている知識や、もはや知識に分類しても良いような典型問題が扱われています。教科書でその単元を読んで、本問題集で定着を確かめましょう。考える代物でもなく、わからなければすぐ答えを見ていいので、その場で覚えて、後日また解きなおしてみましょう。

(3)『田部の生物基礎をはじめからていねいに』 (ナガセ)
対象:堅い文章にアレルギーの方
軽妙な語り口、豊富なカラー使用でスラスラと解説している参考書です。どうしても教科書のような文体はなじめないという人におすすめです(ただし、最終的に入試問題は教科書と同様に堅いので慣れなければならない)。

(4)『生物(生物基礎・生物)基礎問題精講』(旺文社)
対象:リードLight終了レベル
問題数は少ないですが、解説が丁寧であり、問題が解けていても解説は流し読みすることをお勧めします。記述問題に関しては、制限字数も考慮して書く練習が本学では必要です。

(5)『生物重要問題集−生物基礎・生物』(数研出版)
対象:問題を沢山こなしたい方
基本から難問まで幅広く扱われています。本学は難しい問題も出ますが、基本問題も多いので、まずは簡単な問題から片付けて難しい問題に臨みましょう。実験考察問題はその場で考える問題なので、答えをすぐ見ないで考えましょう。また、そのような問題を解くときには考えをメモや図示で整理しながら臨みましょう。

(6)『大森徹の生物 計算・グラフ問題の解法』(旺文社)
対象:計算や図表の読み取りが苦手な方
扱っている図表は資料集に比べれば少ないですが、有名図表は網羅されています。図表に関する解説もしっかり載っているため理解を深められるでしょう。また、計算についても有名問題は押さえられています。

テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。

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