順天堂大学 数学
入試対策と勉強法
特徴と時間配分
出題範囲(分野)
第1問は3つの小問から構成されており、それぞれ、積分、確率、数列と極限、からの出題でした。小問とはいえ、その中で、さらに細かい問題に分かれており、問題間の関係、微妙な違い、関連した内容、などが問われています。第1問では、どの分野から出題されるかはわからないので、幅広く準備しておく必要があります。
第2問は「平面図形と平面ベクトル」、第3問は「逆関数と数列」の融合問題でした。いろいろな分野の内容が融合された問題の出題が、医学部などの難関大学の入試では多く見られます。日頃から、融合問題の演習をしておく必要があります。
出題量と時間配分
2024年の数学の試験時間は70分でした。この試験時間に対して大問が3問ありました。前述したように、第1問は、3つの異なる分野から出題された小問ないし中問形式であり、答えるべき問いの数でいえば、13個もの問いがありました。ヒントを活用して、要領よく解き進めることが大事、と思います。解き方にすぐに気づいたとしても、計算自体に、それなりの時間がかかると思います。第1問の3つの小問に、それぞれ10分ずつ、合計30分程度は想定してもいいかもしれません。
残りの大問2つに、40分を充てることになります。20分ずつが妥当と思われますが、小問単位で、難しい問題は程よいところで切り上げ、時間はかかりそうだが正解を得られる可能性が高い問題に時間を使った方がいいかもしれません。
出題形式
出題形式についてまず注意すべきは、大問3問構成という点です。この大問数は一見少ないですが、負担が軽いわけではありません。前述したように、第1問には、小問というよりも、中問規模で別分野の問題が3題もあります。これらに加えて、他に大問が2題あることになります。通常の大問3問構成よりも、量的には多いと考えるべきでしょう。
解答形式
解答形式にも注意が必要です。第1問と第2問は、マークシートの形式ですが、第3問だけは記述形式です。つまり、第1問と第2問については、記述方法の妥当性にとらわれることなく、正しく、かつ、速く解くことが求められています。第3問は、記述形式ですので、ある程度は妥当な記述方法に沿って記述する必要があります。学校の定期テストの段階から、妥当な記述方法を意識した準備をしておくべきです。
攻略のポイント
全体的に問題の難易度は高いといえますが、基本的な問題も出題されていますので、基本的な問題から、幅広く準備しておく必要があります。そのため、後に紹介している網羅系の問題集をまずは、できるだけ早く終わらせるべき、と思います。
網羅系の問題集の1周目を終えた後は、間違えた問題に対して、その復習、つまり、2周目・3周目を行いながら、できるだけ早く、赤本などの過去問演習にとりかかるべき、と思います。なぜなら、基本的な部分は、網羅系の問題集を複数回復習することで十分ですし、応用的な部分は、実際の大学の過去問で練習する方が、より実践的かつ効果的と考えるからです。もし、他の問題集にも手を出すのであれば、大学の過去問をやって、そのレベルや傾向などを知ってからでいい、と思います。この順番を逆にすると、その他の問題集の演習効果が半減するだけではなく、過去問を知るための最適なタイミングを逃してしまい、いつまで問題集だけをやるのですか? という状態になってしまう恐れがあります。また、通常、受験予定の大学は複数あると思いますので、各大学の数年分の過去問をすべて合わせると、かなりの数になります。その演習時間もかなりの時間になりますので、他の問題集にかける時間をそれほどはとれないでしょう。このように、まずは、過去問中心主義で考えるべき、と思います。このことには、過去問の演習というプロセスを通して、自分に合う大学・合わない大学の判断も、早めにできる、という重要な意味合いもあります。
受験勉強の最終目標は、受験校に合格することですが、それを除けば、受験校の過去問と同等レベルの問題を解けるようになることにあります。そのために、中心に考えるべきは、やはり受験予定校の過去問演習です。前述の網羅系の問題集の演習は、あくまで受験予定校の過去問演習において、その解説を理解できるようになるための準備にすぎません。そのような意味において、まず網羅系の問題集をこなして、その後に受験予定校の過去問演習をこなすこと、そして、その上で自分に足りず、かつ網羅系の問題集でも足りないと判断した部分については、その部分をカバーするその他の問題集を解いてみるという順番が正解ではないか、と思います。さらに、その上で、大手予備校の模擬試験で、実戦経験を積んでいくべき、と考えます。
推奨テキスト
(1)『青チャート・数学ⅠA・ⅡB・ⅢC』(数研出版)
この『青チャート』に代表されるような、チャート系の問題集は、いわゆる「網羅系の問題集」の代表格です。
いわゆる「網羅系の問題集」として利用できるための要件は、3点ある、と思います。
1つ目は、当然ですが「内容が網羅的であること」です。そうでなければ、十分な準備はできません。
2つ目は「解説が詳しいこと」です。これは、解説が詳しくなければ、自習ができないためです。
そして、3つ目は「掲載されている問題の難易度が、易しい問題から難しい問題まで、幅広く揃っていること」です。例えば「★マークの数」などによって、難易度表示されているものがいいと思います。その方が、自習をしやすいからです。このチャート系の問題集は、この3要件を満たしていると思いますので、推奨できます。
また、例えば『青チャート』でいえば、問題は「基本例題」と「重要例題」などの区別がありますが、難関大学に対応するためには、「基本例題」だけではなく、「重要例題」までしっかり理解するようにしてください。また、1周だけではなく、解けるようになるまで、何周も繰り返すことが大切です。
(2)『フォーカスゴールド・数学ⅠA・Ⅱ・BC・Ⅲ』(啓林館)
数学の「網羅系の問題集」として、他に知られたものが、この『フォーカスゴールド』のシリーズです。上記の『青チャート』などのチャート系を、かなり意識した作りになっていると思いますが、この『フォーカスゴールド』も、上記の3要件を満たしていると思いますので、「網羅系の問題集」として、利用できると思います。また、『フォーカスゴールド』は、マスター編、チャレンジ編、実践編、に分かれていますが、まずはマスター編だけでいいですので、何周も繰り返してしっかり理解するようにしてください。
(3)『ニューアクションレジェンド・数学ⅠA・ⅡB・Ⅲ・C』(東京書籍)
数学の「網羅系の問題集」として、比較的最近、知られてきたものが、この『ニューアクションレジェンド』のシリーズです。その作り自体は、上記の『青チャート』や『フォーカスゴールド』と大差はない、と思います。このシリーズも、上記の3要件を満たしていると思いますので、「網羅系の問題集」として、利用できると思います。
ここまで、3つの種類の「網羅系の問題集」をご紹介してきました。どれにするかで迷う人もいるかと思いますが、もし学校で配られたものがある場合で、特に使いたくない理由もない場合は、そのシリーズでいいように思います。そうでない場合は、実際に、これらの問題集を手にとって、自分に合いそうなものを選んでみてください。内容に大きな違いはない、と思います。
(4)『大学過去問題集(赤本)』(教学社)
前述しましたように、できるだけ早く、受験予定校の過去問演習をやってみることが大切です。「解ける」必要はありません。今後の勉強方針を決定するために「やってみる(≒問題と解説を読んでみる)」ことが大事になります。過去問は、いわゆる『赤本』が良いと思います。前年の本がまだ出版されていない場合は、その前年の本で良いと思います。受験勉強においては「敵を知る」、つまり「受験校を知る」ことがとても大事になります。できるだけ早めに、「やってみる」ようにして下さい。
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