金沢医科大学 物理
入試対策と勉強法
特徴と時間配分
出題範囲(分野)
原子物理以外の力学、電磁気、熱力学、波動から満遍なく出題されます。原子物理は2019年で出題されましたが、2020年以降出題されていません。しかし、来年度原子物理からの出題もありうるのでしっかりと対策を行っておきましょう。
出題量と時間配分
理科2科目90分です。選択式なので一見簡単に見えるのですが、少々重い計算問題もあるので注意が必要です。手早い計算を心がけていきましょう。ひとつの大問の中では小問が連続していますが、ひとつ解けない小問があっても次以降の小問が解けることがあるので、とりあえず全ての問題に手をつけてから、出来なかった問題に戻る方がよいでしょう。
出題形式
例年大問3~4題構成でしたが、最新年度は第1問と第4問は力学、第2問は熱力学、第3問は波動、第5問は電磁気という構成でした。内容は数式を求めさせる問題がほとんどですが、定性的な問題や、グラフを選択させる問題もありました。数値計算では約分できず割り算を実行しなければならないこともあるので要注意です。
解答形式
全て選択式です。数式を求める問題では数式全体を選択させる場合と、数式の一部だけを選択肢から選ばせる問題があります。1問あたりの選択肢の数がかなり多いので、選択ミスに気をつけましょう。数値計算問題では数値を指数表記で穴埋めさせる形式が多いです。計算に入る前に解答欄の数を数えて有効数字を確認しましょう。
攻略のポイント
まずは基礎を固めることである
そのためには、まずは定義や公式を理解した上で、しっかりと覚えましょう。これがなかなか難しいです。理解するというのは、「自分の言葉で説明する」、「図で表す」、「他の公式同士のつながりを考える」など、様々な方法で公式を「考える」ということです。公式を覚えて、問題をただただ解きまくるといった学習ではなかなか物理の点数を上げることは難しいでしょう。一見、面倒だと思う作業を地道にこなしておくことが、物理攻略の重要な出発点となります。
次に問題演習
物理で登場する公式や概念はそれほど膨大ではありません。それらを、完全に理解したら、次は、問題演習に入りましょう。問題をこなすことで、基礎が理解できているかが確認できるからです。基礎の新たな面の発見につながることもあります。そういった意味で、問題演習も重要な作業となります。問題演習はただただ多くの問題を解くのではなく、1冊の問題に絞り、1つの問題を解いたら、他の方法で解いてみる、問題の現れる現象を深く調べてみるなど、多角的に検討しましょう。その作業が、新たな問題を解くためのカギになってきます。問題を見たときにどのようなプロセスで解いていくか、いわゆる、問題解決能力を身につけないと、いつまでたっても新たな問題が解けるようになりません。何度も強調しますが、ともかく1冊の問題集に絞りましょう。それを徹底的にやりこむことが物理の得点力を伸ばすのに非常に重要となります。
計算力がないと時間制限内に自分で正解にたどり着けない
立式だけを行い、やり方がわかったら細かな計算を最後までやらないといった受験生を多く見かけます。必ず最後まで答えを出しましょう。そうしないと、あっという間に計算力が落ち、試験になったとき、一向に点数がとれなくなります。どのように工夫すれば、より効率よく計算できるかを自分なりに研究することも大切です。しかし、自分ではなかなか効率よい計算にたどりつかないこともあるでしょう。そのときは、いつも習っている先生に、自分の解き方を客観的に見てもらい、アドバイスをもらうのが一番の方法です。
過去問演習
標準レベルの単元別の問題集を解き終えた後は過去問演習を行います。ペース配分や回答形式に慣れることが重要である。本学の問題では、解答の過程も書かなければならない問題が多いので、答えの正否だけではなく、解答を書く練習も忘れてはなりません。
推奨テキスト
(1)『セミナー物理基礎+物理』(第一学習社)
定番の教科書傍用の問題集です。基礎事項の定着に向いているので、はじめにこなすテキストとして最適です。まずは基本問題をしっかり解いていきましょう。基本問題をきっちり解けるようになったら、発展問題に進みましょう。指導者がついている方向けです。市販されていないので手に入らない人はインターネットで落札するか、『リードα』などの学校で配られる問題集でもよいでしょう。
(2)『物理のエッセンス(力学・波動)』(河合出版)
(3)『物理のエッセンス(熱・電磁気・原子)』(河合出版)
こちらも基礎事項の定着に用いる問題集です。問題を解く前の説明が詳しいので、読み物として読みながら問題を解いていきましょう。物理的なものの見方・思考法を身に着けるのにとてもよいでしょう。独学の人はセミナーよりもこっちが使いやすいかもしれません。
(4)『名門の森』(河合出版)
手ごたえのある難問がそろっています。じっくり考えながら解いていきましょう。センスを問われる問題が多く、解法を間違えると計算不能になる問題が多いです。最適解を短時間で見つける練習になるので、最低でも2~3周は解きましょう。
難しいと感じる方はまず同じ出版社の『良門の風』(河合出版)からはじめるといいかもしれません。こちらは問題数が比較的少なく典型問題が網羅されています。難易度的に早解きの練習に使うのもいいでしょう。
(5)『物理重要問題集−物理基礎・物理』(数研出版)
基本から難問まで幅広く扱われている定番問題集です。おそらく一番売れている問題集でしょう。典型的な問題はすべて入っていると考えてよいでしょう。この問題集の最大の特徴は、初見ならば絶対引っかかるトラップ問題がすべて網羅されていることです。一度引っかかっておけば本番で引っかかることがないので安心です。AB両方の問題を2周程度はこなしておきましょう
テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。
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