慶應義塾大学 英語
入試対策と勉強法
特徴と時間配分
出題範囲(分野)
読解問題3題、自由英作文1題の計4題の問題構成が続いています。記述問題の比率が高く国立型の問題といえます。読解問題の英文は年により長短に差がありますが3題トータルで1500~1800語程度であるものの語彙レベルは高く、また内容真偽や和訳問題も難易度が高いです。自由英作文については書くべき内容が思い浮かびやすいものが多いですがどう書くべきかすぐには思いつかないものが出題されることもあります。
出題量と時間配分
試験時間は90分です。読解問題は600~800語程度のものが多いです。自由英作文に15分確保し、読解問題3題を75分で解くことになりますが、英文が短めであったり、記号問題の比率が高めの読解問題は15~20分程度で解き、英文和訳・和文英訳が多い問題にはやや多めの時間を確保するように現場で調整する必要があります。
出題形式
英文和訳・英作文・説明問題など記述問題を中心にその内容真偽や語彙について幅広く問われています。国立型の出題と言え、速読も重要ですが精読力がより強く問われる出題といえます。自由英作文は100語程度の記述が求められています。
解答形式
前述のとおり記述問題が多く出題され、難関国立と同様の対策が必要です。和文英訳も長文の中で複数出題され時間がかかります。年によっては説明問題も出題されるため、本文を読む前に設問に目を通し、本文を読みながら答えの候補を探すことで効率と制度を上げましょう。
攻略のポイント
読解問題
トータルの英文量はそれほど長いわけではありませんが、記述問題部分に十分な時間をけるためにはそれ以外の部分を速読出来る能力を鍛える必要があります。意味のかたまりごとに前から訳し下していく事ができなければ時間内に設問処理まで含めて解答を終わらせることは出来ないでしょう。句・節ごとに意味をとらえ、ニュアンスの分かるものは日本語に訳さず読み進める力を身につけましょう。
一定レベル以上の英文解釈能力を身につけたら、句・節ごとにスラッシュを入れながら前から訳し下すトレーニングをしましょう(スラッシュ・リーディング)。最初のうちはやや多めにスラッシュを入れることになるでしょうが、慣れてくればそれほど入れずに前から訳し下していくことができるようになります。併せて行いたいのが音読です。一度解き、しっかり復習した英文を用いて、必ず英文音読の時間を設けるようにしましょう。音読することで、強制的に前から読み下す習慣を身に付けることが出来ます。その際には必ず意味のかたまりごとに内容を把握する意識を持つようにしましょう。漫然と読んでいては効果が半減してしまいます。音源付きの長 文問題集であれば、それを利用することでさらに効果を高めることが出来るでしょう。
また、本学部では精読力の向上が欠かせません。難関国公立大学対策用の問題集を用い、高い英文解釈能力と下線部からだけではなく内容の流れから下線部分の英文の意味を限定していくという作業をトレーニングする必要があります。
自由英作文
まずは英文エッセイの基本的な構成・書き方を身に付ける必要があります。Introduction(導入・主旨)→Body(内容)→Conclusion(結論)という3部構成をおさえ、それぞれのPartの内容を書くにあたっての典型的なフレーズを身につけておくことで、現場では純粋に内容面のみを考えることが出来ます。書きたい英語ではなく、書ける英語、論理を一貫させられる内容を選択するのも重要です。いずれにしても実際に手を動かして書くトレーニングを重ねましょう。
単語・イディオム
単熟語のレベルが高いのが医学部の特徴です。常に語彙のレベルをあげる勉強をしておかなくてはなりません。ただ、同時に、意味を知らなくても前後の流れや語源からおよその意味を類推する力を身につけておきましょう。また、アクセントも出題される年があるため、意味を覚えると同時にアクセントまで必ず意識をするようにしましょう。
推奨テキスト
*テキストには相性があります。できれば書店で手にとって確かめてから選びましょう。
英文解釈
(1)『英文解釈の技術100』(桐原書店)
英文構造の把握を身につけるための良書です。この1冊を7~8割程度消化したら、あとは速読のトレーニングをすることに注力しましょう。
(2)『ポレポレ英文読解プロセス50』(代々木ライブラリー)
講義仕立てで読みやすく、量も絞ってある分、時間をかけずに終えることが出来るでしょう。(1)をやる時間がない人はこちらでも良いでしょう。
(3)『Rise構文解釈1・2』(Z会出版)
2までやれば英文解釈に不安はなくなるでしょう。精読力が問われる本学部を受験するのであればここまでやっておきましょう。
長文読解
(1)『パラグラフリーディングのストラテジー1・2』(河合出版)
ある程度の英文解釈力が身についたら取りくむべきシリーズで、速読するためのエッセンスが詰まっています。パラグラフリーディングの基本を1で身につけ、2でトレーニングする形です。難関国公立向けであるため3までやっておきましょう。
(2)『全レベル問題集:英語長文6』(旺文社)
(3)『イチから鍛える英語長文700』(Gakken)
(4)『英語長文PREMIUM問題集:Advanced/Top』(東進ブックス)
いずれも音源付きであり、出版も比較的新しいものであるため最新のトピックを知る上でも役に立ちます。ある程度の長さと難易度に慣れるために夏前には取り組み始めましょう。
(5)過去問
当然ながら、最高の実践的トレーニングとして最も重要なものです。近年の1年分については、レベル・形式を把握するために早い時期に解いておきましょう。
単語・イディオム
(1)『速読英単語[必修編・上級編]』(Z会出版)
学校使用の単語帳を用いるのが効率的ですが、使いづらかったり相性が悪かったりするのであれば、CD音源付きで速読の練習も兼ねられるこちらを利用すると良いでしょう。上級まで回せれば単語力に不足はありません。
(2)『解体英熟語』(Z会)
ボリュームはありますが、テキストの後ろにある前置詞・副詞の整理ノートがよくまとまっており、効率的に覚えられるだけではなく、未知のイディオムもニュアンスを類推することができるようになります。
(3)『システム英単語Premium(語源編)』(駿台文庫)
語源ごとに編集された単語帳です。単語としてはやや難易度の高いものが多いですが、語源については分かりやくまとまっているため、自分の使っている単語帳では覚えにくい単語があるときに参考程度に利用するとよいでしょう。
英作文
(1)『英作文ハイパートレーニング自由英作文編』(桐原書店)
自由英作文の構成の仕方、基本フレーズを修得することが出来ます。政経受験者であるならぜひ取り組んで欲しい一冊です。
(2)『英作文のトレーニング[自由英作文編]』(Z会出版)
やや(2)と説明の仕方が異なるところがあるものの、学習した手順をさらにこちらで深めることが出来ます。
(3)『英作文のトレーニング〔実践編〕』(Z会出版)
和文英訳対策として用いたい一冊です。一つの設問に対して複数回答が用意されており、また、日本語的に考えると間違えやすい表現なども随時指摘があるため、自由英作文対策としても役立ちます。
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