慶應義塾大学 数学
入試対策と勉強法
特徴と時間配分
出題範囲(分野)
大問が4題で、1番は小問集合です。2番以後は大問になります。確率漸化式の文章題がよく出題されますが、出題されない年もありました。2021年はデータの分析が出題され、意表をつかれた受験生も多くいたことと思います。どこが出題されるかわからないので、全分野について高いレベルの学力を身につけておく必要があります。
出題量と時間配分
100分ありますが、この難易度の問題を解き切るのに100分は非常に短いと言えるでしょう。慶應医学部受験生であれば150分ほどあれば8割くらい解答することができそうですが、100分だと5、6割ではないでしょうか。7割解ければかなり差をつけられると思います。
出題形式
穴埋めですが、問題の感じは非常に本格的で正統的です。余裕のある受験生は東大、京大過去問にも慣れておくと本学の問題に取り組みやすくなるでしょう。
解答形式
小問集合、大問ともにほとんど穴埋めです。とはいえ一つ一つの問題はかなりの思考力と計算力を必要とされ、量も多く、ノートに解くなら1題につき4ページくらいは使うくらいの解答量の問題です。穴埋めですので部分点がなく、これだけの問題をミスなしで解くには普段からこのレベルの問題でミスなしに解く練習が必要になります。
攻略のポイント
まずは教科書傍用問題集などでパターン問題をマスターしましょう。このレベルでは苦手分野があってはなりません。全分野まんべんなく解けるようにしてください。これを高2まで、おそくとも高3の1学期までには完成(全問自力で解けるようにする)させてください。これが全勉強量の中で半分以上7割くらいを占めると思ってください。
次に少し難しめのパターン問題の演習、パターンの組み合せの練習をしてください。標準レベルの受験用問題集でいいと思います。これをできれば半年以内にやってください。青チャートの重要例題くらいのイメージです。
ここまでこなせていれば、過去問をやっても4割くらいは解けるようになっていると思います。慶應医学部といえども超難問ばかり出題されるわけではなく、半分以上は大学への数学の分類でAかBレベルです。
このレベルの問題をきっちり得点することが合格するには絶対に必要です。
ただ、慶應医学部受験生であればこのレベルの学習は当然できているはずです。ここから他の受験生と差をつけ合格するための勉強がはじまりますが、これには大学への数学のスタ演や新数学演習などもありますが、過去問を利用することをおすすめしたいです。実際の入試問題は、どうしても市販の問題集とは「ノリ」といいますか「雰囲気」が違っています。ですので過去問を問題集かわりにぜひ使ってみてください。
慶應医学部の過去問はもちろん最低5年はやってほしいですが、他にも慈恵医大と日本医大の過去問には共通したものがあるように思えます。こちらの過去問も最低5年分はこなしてほしいです。さらに東大の過去問も解いてみるといいでしょう。確率漸化式の文章題は東大でも頻出ですし、積分の体積を求める問題も東大でよく出題されます。問題の難易度は東大の方が少し難しいので、東大数学に慣れておくと慶應医学部の数学にも自信を持って取り組めるようになると思います。
推奨テキスト
(1)『4STEP』(数研出版)
少し難しめの教科書傍用問題集です。*マークのみをこなしてもよいでしょう。典型問題、パターン問題はこれで習得できますが、応用力、思考力もつくことを期待できます。
(2)『サクシード』(数研出版)
少しやさしめの教科書傍用問題集です。典型問題がぎっしりつまった無駄のないパターン習得には最適な問題集です。
他にも『4プロセス』や『クリアー数学』など教科書傍用問題集は各種あります。学校で配られたものをこなせばよいでしょう。
何をこなすかよりもそれをどこまでこなしたかが重要です。問題集をどれにするかにこだわることにはさほど意味はありません。
(3)『チェック&リピート 数学Ⅰ・A/Ⅱ・B/Ⅲ』(Z会)
学校で配られた教科書傍用問題集を何かしらの理由でこなせないか、飽きてしまった方にはおすすめしたい一冊です。ムラがなく全分野にわたって典型問題が網羅されており、パターン習得には非常によく作られた問題集です。
(4)『カルキュール 数学Ⅲ』(駿台文庫)
数Ⅲは計算ができればなんとかなるところがあるので、この問題集を全問解けるようにしておけば、数Ⅲは最低限のことはなんとかなるでしょう。この問題集はⅠA、ⅡBもあるが、ⅠA、ⅡBは計算より応用題をこなしたほうがいいので、他の問題集をこなした方がいいでしょう。
(5)『青チャート』(数研出版)
基礎力の完成の意味合いで、例題だけを最後の仕上げに短期間に解くといいでしょう。教科書傍用問題集を完成(全問自力でとける)させていない状態で青チャートをこなしても時間ばかりかかって大変なので、傍用問題集に戻りましょう。重要例題はなかなか難しく入試問題への導入としても優れています。
(6)『10日あればいい!数学Ⅰ+A/Ⅱ+B/Ⅲ演習編』(実教出版)
とても薄く威圧感がなくとっつきやすいでしょう。演習編は10日ではできないでしょう。青チャートをやるよりはかなり短時間で仕上げることができます。しかも青チャートをこなした方とそれほど違わない力を身に付けることができる非常におとくな問題集です。おすすめしたい一冊です。
(7)『一対一対応の数学』(東京出版)
大学への数学の別冊です。10日あればいい演習編より少し難しいレベルの問題集です。ここまでこなしたら過去問に手を出していいでしょう。
*テキストには相性があります。できれば書店で手にとって確かめてから選びましょう。
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