近畿大学 物理
入試対策と勉強法
特徴と時間配分
出題範囲(分野)
力学及び電磁気は大問で毎年出題されています。残りは波動か熱力学です。原子物理も出題されます。力学は典型的な問題ではありますが、斜面上の円運動や単振動を扱う問題が多いのでしっかり対策しておきましょう。電磁気は力学と絡めた粒子の運動が出題されることが多いです。見慣れない近似計算をさせられることもあるので注意が必要です。
出題量と時間配分
理科2科目120分です。分量はそれほどでもなく、典型的な問題が並ぶので落ち着いて処理していきましょう。数値計算も約分できる形で設定されているので良心的です。小問はすべて連続しているので、序盤で計算ミスをすると後半に響きます。時間的には余裕があると思われるのでじっくり解いていきましょう。光波の近似は見たこともないものが出ても、結論を問題文に書いてくれていることがあるので、自分で計算せずに済むことも多いです。
出題形式
最新年では大問3題です。第1問は力学、第2問が電磁気、第3問が原子物理という構成で、大問そのもので一つの問題になっています。問われる内容は、誘導に従って数式を求めさせる問題が多く、具体的な数値を計算させる問題が最後の小問についていることもあります。
解答形式
すべて記述式です。数式を求める問題では小問によって使用できる文字が変わることがあるので、注意深く問題文を読んでいきましょう。また、長い数式の一部分だけを回答欄に記入させる問題が多いので、誘導に従って式を変形し、過不足なく記入していくように心がけましょう。
攻略のポイント
まずは基礎を固めること
そのために、まずは定義や公式を理解した上でしっかりと覚えることです。これがなかなか難しいです。理解するというのは、「自分の言葉で説明する」、「図で表す」、「他の公式同士のつながりを考える」など、様々な方法で公式を「考える」ということです。公式を覚えて、問題をただただ解きまくるといった学習では、なかなか物理の点数を上げることは難しいでしょう。一見、面倒だと思う作業を地道にやっておくことが、物理攻略の重要な出発点となります。
次に問題演習
物理で登場する公式や概念はそれほど膨大ではありません。それらを完全に理解したら、次は問題演習に入ります。実際に問題を解くことで基礎が理解できているかが確認できます。基礎の新たな面の発見につながることもあるでしょう。そのような意味で、問題演習も重要な作業となります。問題演習はただただ多くの問題を解くのではなく、1冊の問題集に絞り、1つの問題を解いたら他の方法で解いてみる、問題の現れる現象を深く調べてみるなど、多角的に検討しましょう。その作業が、新たな問題を解くためのカギになっていきます。問題を見たときにどのようなプロセスで解いていくか、いわゆる問題解決能力を身につけなければ、いつまでたっても新たな問題が解けるようにはなりません。何度も強調しますが、ともかく1冊の問題集に絞ることです。それを徹底的にやりこむことが物理の得点力を伸ばすのに非常に重要となります。
計算力がなければ時間制限内に自分で正解にはたどり着けない
立式だけを行い、解き方がわかったら細かな計算を最後までしないといった受験生を多く見かけます。必ず最後まで答えを出すことです。そうしなければ、あっという間に計算力が落ち、試験になったとき一向に点数がとれなくなります。どのように工夫すれば、より効率よく計算できるかを自分なりに研究することも大切です。しかし、自分ではなかなか効率よい計算にたどりつかないこともあるでしょう。そのときは、いつも習っている先生に自分の解き方を客観的に見てもらい、アドバイスをもらうのが一番の方法です。
過去問演習
標準レベルの単元別問題集を解き終えた後は、過去問演習を行いましょう。ペース配分や回答形式に慣れることが重要です。本学の問題では、解答の過程も書かなければならない問題が多いので、答えの正否だけではなく、解答を書く練習も忘れてはなりません。なお、他大の過去問も押さえておきましょう。本学の出題スタイル上、他の私立医学部の過去問の他に、センター試験の物理をしっかり解いておくとよいかもしれません。解いていく過程で忘れていた問題があれば、関連する問題は問題集を用いて何問か解いておくのも忘れずにしましょう。2周目は半分の時間を目安に早解きの練習もしてみましょう。
推奨テキスト
(1)『セミナー物理基礎+物理』(第一学習社)
定番の教科書傍用の問題集です。基礎事項の定着に向いているので、はじめにやるテキストとして最適です。まずは基本問題をしっかり解いていきましょう。基本問題をきっちり解けるようになったら、発展問題に進みます。
(2)『物理のエッセンス(力学・波動)』(河合出版)
(3)『物理のエッセンス(熱・電磁気・原子)』(河合出版)
こちらも基礎事項の定着に用いる問題集です。問題を解く前の説明が詳しいので、読み物として読みながら問題を解いていきましょう。物理的なものの見方・思考法を身に着けるのにとても適しています。独学の人はセミナーよりもこちらの方が使いやすいかもしれません。最低でも2~3周は解いてみましょう。
(4)『良門の風』(河合出版)
一通りの基礎が定着したら、この問題集に進みましょう。問題数が比較的少なく典型問題が網羅されているので、使いやすく達成感を得られます。問題編と解答編が分かれているので、一気に解き進めるのによい作りです。最低2周は解くとよいでしょう。
余力のある人は同じ出版社の『名門の森』(河合出版)に進んでもよいでしょう。
こちらは手ごたえのある難問がそろっています。じっくり考えながら解いていきましょう。
(5)『物理重要問題集−物理基礎・物理』(数研出版)
基本から難問まで幅広く扱われている定番問題集です。典型的な問題はすべて入っていると考えてよいです。この問題集の最大の特徴は、初見ならば絶対引っかかるトラップ問題がすべて網羅されていることです。一度引っかかっておけば本番で引っかかることがないので安心です。問題演習の仕上げとして使っていきましょう。まずはA問題だけを1~2周やり、B問題に進むという順番がよいでしょう。
テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。
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