近畿大学 数学
入試対策と勉強法
特徴と時間配分
出題範囲(分野)
本医学部の特徴は、数Ⅲが試験範囲でないことです。ⅠAⅡB(数列、ベクトル)が試験範囲ですが、出題傾向としてⅡB分野の出題が多いです。特に図形と方程式、ベクトル、数列は頻出です。2021年には確率が出題され、2016年から2018年まで毎年出題されています。範囲をしぼらず、全分野偏りなく学習しておくことが必要です。
出題量と時間配分
60分で大問が3題です。時間的には決して余裕があるわけではありませんが、典型問題に習熟している受験生であれば、時間内に合格最低点を得点することができるでしょう。2021年度(推薦入試)では、ウイルス検査で陽性と判断されときの条件確率という、コロナ感染の時代の影響を受けた出題となっています。
出題形式
2021年度も大問が3題でした。大問の中が小問集合になっている問題もあります。ほとんどが典型問題を少し応用したレベルの問題になっています。また、2021年度、2019年度の推薦入試では証明問題、2021年度一般入試では微分係数の定義に関する出題がありました。普段から証明問題、数学の定義をきちんと理解して準備をしておけばよいでしょう。
解答形式
大問1番が穴埋め、2番と3番が記述式になっています。全体的に典型的問題が多いので、穴埋め形式、記述形式と普段から答えを求めるだけでなく、きちんと答えまでの途中式を省略しないで記述ができるように練習し、準備をすることが必要です。
攻略のポイント
典型問題が多く計算量が多いです。試験時間が60分ということも考えると、計算ミスがなくすらすらとけるようにしたいところです。そのためには、教科書傍用問題集(『4ステップ』(数研出版)、『サクシード』(数研出版)など)を最低3回は繰り返して自力で解けるようにしたいです。大問3題なので、1題につき20分以内が目標となります。本校では、問題の注として「自然数が最小となる形で答えなさい」や、「分母を有理化した形」、穴埋めも数字だけでなく「式の記入、答えの導入方法の記述」を書く指定があることからも、細かい指示に従うことが重要です。これもこの学校の特徴と言えるので、普段から途中式を書く習慣を身につけなくてはなりません。自分で書き方が正しいかどうか不安であれば、個別で指導者に見てもらった方がよいでしょう。自分で正しいと思っていても、採点者の立場からは間違った書き方になっているか、意味が通じない書き方になっていることもあります。
2021年度ではベクトルの出題があったので、図形問題にも力を入れるべきでしょう。図形問題は苦手な人が多いです。高校の図形は小中学からの延長です。苦手な人は小中学までさかのぼり学習することをお勧めします。図形問題の一番厄介なところは,「同じ図形に出会うことがほぼない」というところでしょう。図形が他の分野と異なるのは、単に数字や式を変えるだけですぐに解けるという問題が極端に少ないという点です。それゆえ、他の分野と同じようにパターンに当てはめる演習をしても、なかなか力がつきません。従って、あきらめて図形を捨ててしまう受験生が多いのではないでしょうか。図形の力がなかなかつかない受験生は,何度も繰り返し出題される図形の問題のみを覚えて学習を終えてしまっています。結果を暗記して終わるのではなく,結果がどうして成り立つと言えるかの理由に特にこだわってほしいです。
応用問題に対応出来る学習にも力を入れましょう。『一対一対応』(東京出版)のレベルの問題集は、できれば全問解けるまで練習したいところ。この問題集が1題1題、重く感じる受験生であれば、『10日あればいい数学演習』(実教出版)に乗り換えても良いと思います。さらに余裕のある受験生は『新スタンダード演習』(東京出版)または月刊『大学への数学』(東京出版)の日々の演習コーナーの問題を解いてみるのもお勧めです。
推奨テキスト
(1)『4STEP』(数研出版)
教科書傍用問題集です。問題数が多く多少不必要な問題(典型問題ではない問題)も含まれているので*印の問題のみを解いてもよいでしょう。扱った問題については、確実に全問自力で解けるようにしましょう。
(2)『サクシード』(数研出版)
不必要な問題がほとんどなく、厳選された典型問題がぎっしり詰まった教科書傍問題集です。左ページの問題は全問解くようにし、右ページの問題は*印の問題のみ解いてもよいでしょう。
(3)『10日あればいい!数学Ⅰ+A/Ⅱ+B演習』(実教出版)
応用問題の練習に適しています。非常に薄い問題集なので威圧的でなくとっつきやすいです。この問題集までで近畿大の数学には十分対応することができます。合格点に達するだけの力もつくでしょう。尚、タイトルのように10日で仕上がることはなく、数ヶ月はかかるので気を付けてほしいです。それほど有名な問題集ではありませんが、医学部受験には非常に適した問題集と言えます。
(4)『一対一対応の演習』(東京出版)
『10日あればいい!数学Ⅰ+A/Ⅱ+B/Ⅲ演習』(実教出版)より1題1題が重く感じられるでしょう。しかし、受験に必要な知識がコンパクトにまとまった良い問題集です。何度も繰り返して自分のものにしましょう。
(5)『新スタンダード演習数学ⅠAⅡB』(東京出版)
『一対一対応』を全問自力で解けるようにしたら、この本のB問題までを解いてもいいでしょう。多くの受験生が詰まってしまう箇所がぎっしり詰まっている、非常に良い問題集です。C問題は近畿大数学には必要ないので、やらなくてよいでしょう。
(6)『スタディサプリ』(リクルート) 動画視聴
図形などは動画解説の方が理解しやすい、という人向けです。動画ならではの式変形、何を考えながら解答を書いているかを見ながら確認できます。しかし、動画を見て勉強した気にならないように、必ず自分で解く必要があります。
テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。
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