医大・医学部受験プロ家庭教師 北里大学 化学の入試対策と勉強法
医大・医学部受験専門プロ家庭教師が語る

北里大学 化学
入試対策と勉強法

特徴と時間配分

出題範囲(分野)

総合問題、理論問題、無機、有機と大問5題の出題です。2021年度は理論問題で気体、飽和蒸気圧、電池、電気分解、無機では銅とその化合物、有機では芳香族化合物の構造決定の問題が出題されました。総合問題は理論、無機、有機の中から各分野にわたって出題されています。2021年度の総合問題は標準的な問題が多いですが、計算問題もあるため、時間のかかる問題も多いです。受験生には初見となる問題も出題されます。

出題量と時間配分

理科2科目100分で25問程度です。1問当たり2分なのできつい感じです。大部分は標準的な問題ですが、計算問題も多いため時間がかかる問題が多いです。特に、理論分野では計算を早くとかないと時間が不足することになるでしょう。時間配分に気をつけましょう。

出題形式

大問数は5題です。第1問が総合問題の小問集合です。第2問以降は理論、無機、有機の形式です。2021年度前からその形式は変化がありません。知識問題、理論問題、計算問題が多いためまんべんなく学習が必要です。有機化学の細かい部分に関する問題、数学的計算力を要する問題も多いです。

解答形式

全問マークシート方式です。数値計算は選択式なので概算で計算可能です。知識問題では文章の記述を選ばせる問題もあります。2021年度では問題の注意事項に適した答えを1つだけマークするように指示されています。2つ以上選択する受験者が多いことからこのような注意書きがあります。

攻略のポイント

マーク式方式といっても解答選択が10個くらいあるため、なんとなくでは済まされないでしょう。ほとんどが標準問題となっています。解答個数が多いことから時間が不足することが予想されます。理論分野では計算や難しい問題にあたることがあるので難しくはない問題をミスなく解いていく事が重要です。

まずは、教科書、資料集及び教科書傍用問題集によって基礎知識および標準的問題を解くようにしましょう。何度でも繰り返し、解けない問題がないようにしておきましょう。解説を読んで理解した気になっていても、解こうとしてみたら解けない事があります。間違えた問題は必ず解き直すようにしましょう。

本学の場合、理論分野では酸と塩基、気体、酸化還元、反応速度、化学平衡の計算問題が多いです。今後も理論分野はどの部分の計算がでてもすぐ解き方が思い出し、すぐできるようにしましょう。無機分野ではイオンの分離、工業的製法、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン、気体の発生が出題されています。有機分野では構造決定の問題、芳香族化合物、構造異性体、糖類、タンパク質、核酸、油脂、合成高分子に注意しましょう。本学では特に有機化学に力をいれましょう。

全体の学習が終了したら、実際の入試問題レベルの問題を解いていきましょう。過去問を一度解いてもよいでしょう。全分野についてはまんべんなくすすめていきましょう。まずは早めに理論を優先的に学習し、有機化学がその次です。
 
単元ごとの学習が終了したら、全範囲の総合演習をして、弱点の発見と忘却の予防をしましょう。演習内容としては、共通試験問題や予備校各社が出している共通試験問題集を解くと本学のマーク試験の対策になるでしょう。間違えた問題は問題集での学習と同様に、時間をおいて解き直しましょう。また、弱点があれば教科書、図表、問題集を用いて、間違えた分野は再確認しましょう。演習の際には、共通試験も本学と同様に計算問題は概算可能なので、概算の練習もしましょう。

推奨テキスト

(1)『セミナー化学基礎+化学』(第一学習社)
基本から標準まで幅広く扱われています。本学を目指すなら、基本から発展問題までを完璧にしましょう。総合問題に同じ問題があります。プロセスや基本問題、例題を徹底的にこなし、発展問題や総合問題をこなせばよいでしょう。セミナーにはセルフチェックページがあります。このセルフチェックを利用して自分ができない部分を学習するのにはいいでしょう。推薦などの対策として英文読解、論述問題もついています。とにかくおすすめの本です。

(2)『リードα化学基礎+化学』(数研出版)
基礎から入試までの範囲で構成されています。思考力・判断力・表現力を養う問題が掲載されています。大学入学共通テストや将来の入試を意識した演習が行えます。リードAとリードBで基礎学習の整理、基礎的な問題の演習ができます。少し慣れたら、リードCやリードDを学習して応用力を養うようにできています。これは計算問題が充実しているので、本学の計算対策としては活用できるでしょう。

(3)『化学の新研究』(三省堂)
(4)『化学の新演習』(三省堂)
北里大学合格を目指す化学受験者にとって役に立ちます。そして、それを上回る参考書はありません。この本を、最初から最後まで読み通す方もいますが、わからなかったり、発展的な内容を確認したりするときに利用しましょう。『化学の新演習』の問題集は化学を苦手としている人にとっては難しいでしょう。その場合は無理にその問題集を使わなくてもよいでしょう。『セミナー化学』『リードα』問題演習でひととおりの問題を終了した場合に、このレベルの『化学の新演習』の問題集にチャレンジする程度でよいでしょう。

(5)『化学重要問題集』(数研出版)
これは一通りの学習を終了して、問題演習を通じてさらに力をつけたい人が取り組む問題集です。初心者がこの問題集をはじめに解くと時間がたくさんかかるため効率はよくないでしょう。これが理解できていない方は、教科書や参考書の内容が身についていないので基本に戻るようにしましょう。

(6)『スタディサプリ』(リクルート) ※動画視聴 
動画は化学の学習内容の流れなど紙面ではわからない部分を理解できます。特に、図や音声を用いて化学のそれぞれタイトルごとに整理ができ、紙面からではわかりにくい部分が理解できるのはよいでしょう。予備校で講義を聞くだけならこの方が値段的に安くて効率的です。

テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。

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