医大・医学部受験プロ家庭教師 北里大学 生物の入試対策と勉強法
医大・医学部受験専門プロ家庭教師が語る

北里大学 生物
入試対策と勉強法

特徴と時間配分

出題範囲(分野)

生態系と環境および植物(代謝と遺伝を除く)はあまり出ず、代謝、動物の反応、細胞、遺伝子に関する出題が多いです。分野に偏りは見られるものの、それら以外の分野も出題されているため、最低限の知識は全分野押さえておく必要があります。

出題量と時間配分

約50のマークに対して50分(理科2科目100分)と試験時間は短く、実験考察問題や図表の読み取りに手間取ってしまうと時間内に終わらないでしょう。知識問題は時間を稼ぐために即答できるようにし、実験内容や図表の読み取りについては特化した訓練を積んでおくことが望ましいでしょう。

出題形式

大問3題で各大問にテーマを設けて出題されています。年度によってバラつきがみられますが、約50の設問の内、実験考察問題等の文章の読み取りと思考が必要な問題が10題程度、図表の読み取りが数題、その他は空欄補充を中心とした知識問題と若干の計算問題です。
実験考察問題は選択肢が平易ではありますが、実験内容が理解しづらいものも多いです。図表の読み取りはおなじみの図を少し深掘りした内容が多いです。知識問題は基本レベルがほとんどですが、人体に関する事項で難しいものも若干出題されています。計算問題は典型的なものが多いです。

解答形式

全問マーク式です。選択肢数15のように大量の選択肢から選ばせる問題が多いです。また、該当するものをすべて含む選択肢を選ばせる問題も例年出題されており、曖昧な記憶では点につながりにくいでしょう。計算問題に関しては、選択肢から選ばせるタイプと、答えの各桁をマークさせるタイプが混在します。

 

攻略のポイント

知識、図表の読み取りと実験考察問題は別に考えていく必要があります。勉強の順番としては知識→図表→実験考察が望ましいでしょう。

知識に関しては、教科書および傍用問題集などで整理していきますが、細かいタンパク質名や遺伝子名よりも、まずは流れや仕組みといった大枠をしっかりと捉えることが重要です。また、高得点狙いではない限り、数問出される程度のマニアックな知識は余裕が出てからこなせばよいでしょう。

図表に関しては、資料集や推奨テキストに挙げた問題集を用いて、有名どころの図表で知らないものがないようにしておきましょう。本学では有名図表の見方を知っているかだけではなく、少し掘り下げて理解を問う問題も出るので、他人に説明できるレベルまで理解しておきましょう。

実験考察に関しては、本学では受験生が見たことのない実験をリード文で与えて解かせる場合も多く、有名実験を教科書や資料集で整理するとともに、未知の内容に関する考察にも対応できるよう、推奨テキストに挙げた問題集を用いて読解力や考察力を養いましょう。“なんとなく合っていた“は間違いだと捉え、すべての選択肢に明確な根拠を示せるようになること目指して学習していく必要があります。

上記のいずれに関しても、間違った解釈をしたまま受験に臨んでしまっている受験生が多くいるため、十分な量の問題演習による理解の確認はもちろんのこと、少しでも不安が残る場合には信頼できる教師(講師)について学習していくことが望ましいでしょう。

知識や図表の単元別学習を一巡した後(現役生は秋から、浪人生は夏からが目途)、実験問題対策と並行しつつ、忘れてしまうことを防いだり、自分の弱点を確認したりするために、他大も含めた過去問を週に1回分以上まわしていきましょう。この際には、自分のレベルにあったものを選ぶことが重要で、6、7割は取れる所を選ぶと効率が良いでしょう。判明した弱点が過去に学習した内容ならば、今までやった問題集の該当単元の復習を、知らないことならば一つ上のレベルの問題集に取り組むと良いでしょう。

推奨テキスト

(1)『リードLightノート生物基礎』(数研出版)
(2)『リードLightノート生物』(数研出版)
対象:教科書を読み終わった初学者、基礎の漏れをチェックしたい方
教科書に載っている知識や、もはや知識に分類しても良いような典型問題の確認に役立つ問題集です。市販されていない教科書傍用問題集の代わりとして最初に取り組む問題集ではありますが、多少量が多いことが難点です。しかしながら、医学部受験生なら難なくこなして欲しい量です。知識問題はあまり考え込まず、分からなければすぐに答えを見て良いので、繰り返し解いていくことが重要です。

(3)『生物(生物基礎・生物)基礎問題精講』(旺文社)
対象:リードLight終了レベル
知識問題以外も多く掲載されていますが、本書で扱っている知識問題は押さえておきたいため知識編に分類しました。解説が丁寧であり、問題が解けていても解説は流し読みすることをお勧めします。記述問題に関しては、本学に限れば実際に制限字数で解答を作成する必要はなく、内容が間違っていないことを確認する程度で良いでしょう。

(4)『大森徹の生物 計算・グラフ問題の解法』(旺文社)
対象:図表や計算の読み取りが苦手な方、図表の漏れをチェックしたい方
扱っている図表は資料集に比べれば少ないですが、よく出題されるものに関しては網羅されており、図表に関する解説もしっかり載っているため理解を深められます。

(5)『生物重要問題集−生物基礎・生物』(数研出版)
対象:問題を沢山こなしたい方
基本から難問まで幅広く扱われています。本学の実験考察問題のレベルを超えてしまう問題もありますが、長文問題も多いので全体としていいトレーニングになるでしょう。

(6)『生物(生物基礎・生物)標準問題精講』(旺文社)
対象:考察問題対策、高得点狙いの方
考察問題の割合が比較的高い問題集です。がっつり論述式なので、その点は本学においてはオーバーワークではありますが、実験の内容自体はちょうどよいレベルです。記述そのものの正否よりも、書かれた事実の抽出間違いに気を配りましょう。

 

テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。

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