国際医療福祉大学 英語
入試対策と勉強法
特徴と時間配分
出題範囲(分野)
2021年は大問1が文法・語法・イディオムを問う短文空所補充問題、大問2が語句整序問題、大問3が正誤問題、大問4・5が読解問題となっています。大問1は解きやすいですが、大問2・3は解くために必要な知識は標準的なものの、時間をかけずに精度高く処理するためにはかなりの正確な知識・理解が必要です。読解問題は医療に関わるテーマとなっています。そのため内容は具体的であるものの、語彙や内容に難しいところがあり、また、選択肢も本文をかなり正確に読めていないと答えを絞り切れないものがあるため、難易度は高めの問題となっています。
出題量と時間配分
試験時間は80分です。2021年の5題の出題を前提にすれば、大問1に5分、大問2に8分、大問3に10分、大問4・5の読解問題にそれぞれ25分強ずつというのが基本となるでしょう。長文については2題の長さでかける時間に違いを設けてもいいですが、その際には、本文のみならずパラグラフ整序や内容一致の選択肢などを見て、実質的にどれだけの英文を読まなくてはならないのかを加味するようにしましょう。
出題形式
大問3の正誤問題が特徴的で、長文が素材となっており、各パラグラフに4が所の下線が引かれ、間違っているものを含む英文を選択する形式となっています。文法形式上間違っているものを選ぶものだけでなく、前後の内容とのつながりから間違っているものを選ばなくてはならないものもあるため手間がかかります。読解問題ではパラグラフ挿入があるため、実際に読まなくてはいけない英文が多いです。英文全体からの内容一致問題は、選択肢と本文の順序が同じであるため、数パラグラフ読んでは選択肢を検討することで記憶が鮮明なうちに解くことができます。
解答形式
全てマークシート形式となっています。長文読解は、前述のとおり内容把握と同意語選択・空所補充が中心ですが、主題選択やパラグラフ挿入も出題されています。パラグラフ挿入がある場合には、前もって挿入すべきパラグラフに軽く目を通しておいたほうが効率が良いです。
攻略のポイント
[読解問題]
読解問題の出来で差がつく出題となっています。したがって、読解力向上に向けた取り組みに時間をかけたいところです。試験時間は80分であるうえ、全体量を考えると速読能力の向上も必須です。意味のかたまりごとに前から意味をとっていく事ができなければ、時間内に設問処理まで含めて解答を終わらせることは出来ません。句・節ごとに意味をとらえ、ニュアンスの分かるものは日本語に訳さず読み進める力を身につけましょう。
一定レベル以上の英文解釈能力を身につけたら、句・節ごとにスラッシュを入れながら前から訳読み下すトレーニングをしましょう(スラッシュ・リーディング)。最初のうちはやや多めにスラッシュを入れることになると思いますが、慣れてくればそれほど入れずに前から読み下していくことができるようになります。併せて行いたいのが音読です。一度解き、しっかり復習した英文を用いて、必ず英文音読の時間を設けるようにしましょう。音読することで強制的に前から読み下す習慣を身に付けることが出来ますし、日本語を介在させなくとも内容が頭に入ってくるようになる英文が増えていきます。その際には、必ず意味のかたまりごとに内容を把握する意識を持つようにしましょう。漫然と読んでいては効果が半減します。音源付きの長文問題集であれば、それを利用することでさらに効果を高めることが出来ます。
医系テーマを扱った読解問題が出題されることから、普段の長文読解の素材として取り入れましょう。後述の問題集を是非利用してもらいたいです。背景知識があると読みやすさの点で大きな差がでることがあります。
[単語・イディオム]
長文で用いられる単語に難易度が高いものがあるため、単語力はしっかりと付けておきたいです。医系のテーマが出題されるとはいえ、医系の単語集まで改めてやる必要はありませんが、後述の『私立医大の英語』(教学社)のイラスト説明部分に記述されたものが、ある程度判断できるくらいにはなっておくとよいと思います。それでも未知の単語は出てきますが、単語集をしっかり終えていれば文意を参考にすることで正しい答えを絞れるはずです。
[文法・語句整序]
空所補充問題は標準的なものであるため、後述のようなインプット系の問題集を一冊完成させれば完答を目指せます。最も、かなり短い時間で解き切ることが要求されることになるため、高い精度で完成させる必要があります。語句整序に関しては、場当たり的な解き方ではなく、他動詞の性質や節の個数を意識した英文の骨組みから組み上げる手順をしっかり確立しておきましょう。
推奨テキスト
英文解釈
(1)『英文解釈の技術100』(桐原書店)
英文構造の把握を身につけるための良書です。この1冊を7~8割程度消化したら、あとは速読のトレーニングをすることに注力しましょう。
(2)『ポレポレ英文読解プロセス50』(代々木ライブラリー)
講義仕立てで読みやすく、量も絞ってある分、時間をかけずに終えることが出来ます。(1)をこなす時間がない人はこちらでも良いでしょう。
長文読解
(1)『パラグラフリーディングのストラテジー1・2』(河合出版)
ある程度の英文解釈力が身についたら取りくむべきシリーズで、速読するためのエッセンスが詰まっています。パラグラフリーディングの基本を1で身につけ、2でトレーニングする形です。3もあるが難関国公立向けであるため、こちらについては国公立と併願する生徒向けです。
(2)『全レベル問題集:英語長文5・6』(旺文社)
(3)『イチから鍛える英語長文500・700』(Gakken)
(4)『英語長文PREMIUM問題集:Advanced/Top』(東進ブックス)
いずれも音源付きであり出版も新しいため、最新のトピックを知る上でも役に立ちます。ある程度の長さと難易度に慣れるために夏には取り組み始めたいです。
(5)『私立医大の英語(長文読解編)』(教学社)
医療系のテーマに絞った長文問題集です。最新医療の時事問題、医学・生物学など医学部で出題されること多いテーマをバランスよく扱っています。また、イラストを用いて背景知識を説明してくれているページは読み物としても面白いです。長文のレベルにややムラがありますが、本学を受験する以上、どのレベルの英文にも対応できるようになる必要があります。
(6)『過去問』
当然ながら、最高の実践的トレーニングとして最も重要なものです。近年の1年分については、レベル・形式を把握するために早い時期に解いておきましょう。
文法・語法
(1)『頻出英文法・語法問題1000』(桐原書店)
文法・語法系のインプット教材としてはややボリュームがありますが、比較的説明が厚めなので自分で進めやすいです。
(2)『英文法ファイナル問題集[標準編]』(桐原書店)
全10回のテスト形式です。範囲指定のない形で問題が作られているため、知識の定着度を図るのに適しています。語句整序も各回に出題されているため、苦手な設問形式をピックアップして取り組むという使い方も可能です。
単語・イディオム
(1)『速読英単語[必修編・上級編]』(Z会出版)
学校使用の単語帳を用いるのが効率的ではありますが、使いづらかったり相性が悪かったりするのであれば、CD音源付きで速読の練習も兼ねられるこちらを利用すると良いでしょう。上級まで回せれば単語力に不足はありません。
(2)『解体英熟語』(Z会)
ボリュームはありますが、テキストの後ろにある前置詞・副詞の整理ノートがよくまとまっており、効率的に覚えられるだけではなく、未知のイディオムもニュアンスを類推することができるようになります。
(3)『システム英単語Premium(語源編)』(駿台文庫)
語源ごとに編集された単語帳です。単語としてはやや難易度の高いものが多いですが、語源については分かりやくまとまっているため、自分の使っている単語帳では覚えにくい単語があるときに参考程度に利用するとよいでしょう。
テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。
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