医大・医学部受験プロ家庭教師 杏林大学 数学の入試対策と勉強法
医大・医学部受験専門プロ家庭教師が語る

杏林大学 数学
入試対策と勉強法

特徴と時間配分

出題範囲(分野)

出題範囲は数学ⅠAⅡBⅢCです。よく出題される分野は微分積分です。その他の分野では、図形と式、2次曲線、ベクトルなど、図形的な要素の高い分野が多めです。問題数は多くありませんが、分野を融合した問題が出題されやすいので、弱点分野はきちんと克服しておく必要があります。

出題量と時間配分

例年、大問が3問出題されています。試験時間は2023年度までは60分でしたが、2024年度から70分になりました。試験時間が長くなりましたが、それでもハイスピードで解く必要があります。もちろん、スピードだけでなく正確さも必要です。

出題形式

小問集合のような問題はなく、すべて大問形式で出題されています。いずれの大問も、いくつかの小設問に分かれており、出題者の誘導に従って解き進めていくことになります。
大問数は少ないものの、分野を融合させた問題が多いため、広範囲の知識が問われます

解答形式

すべてマーク方式の問題です。もちろん部分点は存在しないので、〇か×しかありません。高得点が要求されますので、素早さと正確さが何よりも重要といえます。答えを求めるだけなので、途中式を丁寧に書く必要はありませんが、つまらないミスをしないよう注意しましょう。

攻略のポイント

杏林大学医学部の数学では、多くの私大医学部と同様にスピードと正確さが問われます。しかし、最初からスピードを追求する必要はありません。まずは、時間をかけてもよいので、丁寧に解きましょう。慣れてきたら、少しずつスピードアップしていきましょう。また、計算方法などに無駄がないかもチェックが必要です。
なお、試験時間が短いことを考えると、有名な公式については全て暗記しておいた方がよいでしょう。公式を作っている時間的な余裕はほとんどないと思った方が無難です。
最初の目標は、教科書傍用問題集のレベルがスラスラ解けることです。反復練習を行うことで、このレベルはクリアできるでしょう。ただし、どの分野を出題されても対応できるように、定期的な復習も忘れずに行いましょう
傍用問題集レベルがクリアできたら、少しずつレベルの高い問題集に挑戦していきましょう。いわゆる難問までの対策は不要ですが、ある程度骨のある問題に取り組んでおく必要はあります。

微分積分について
ほぼ確実に出題される分野であることはいうまでもありません。習得に時間がかかりますので、なるべく早めに微分積分の学習に入れるよう、計画的に学習を進めておきましょう。
また、微分積分は、計算力が解法時間の差に現れやすい分野でもあります。計算トレーニングは日々しっかり行うようにしましょう。ラジオ体操のような感覚で、毎朝定期的に取り組むといったやり方をお勧めします。
 
2次曲線について
比較的出題されやすい分野ですが、微分積分に気を取られて、演習不足になりやすい分野です。数学ⅢC全般をしっかり学習できるように、低学年のうちから積極的に先取り学習を進めておくのがよいでしょう。
 
過去問について
杏林大学医学部の問題は、図形的要素の高い問題が多く見られます。過去問演習の効果が高いので、過去問には多めに触れておくとよいでしょう。
推奨テキスト

(1)『青チャート』(数研出版)
(2)『黄チャート』(数研出版)
いわゆる網羅系参考書です。問題量が非常に多いので、すべての問題を解く必要性はありません。通常であれば青チャートをお勧めしますが、数学に苦手意識がある場合は黄チャートでスタートしても問題ありません。黄チャートで、各分野を一通り学ぶのにかける時間を短縮する作戦も有効です。どちらを使うにせよ、解法をきちんと使いこなせるようにすることが重要です。

(3)『教科書傍用問題集』(各社)
教科書傍用問題集とは、教科書に準拠した問題集のことで各社から出版されています。書店で購入するよりも、学校で配られる場合が多いでしょう。
基本事項や定石の定着に向いている問題集です。確実な処理能力が重視されているので、このような問題集で反復演習を重ねることは、大変有意義です。ただし、解説が不親切な場合もありますので、指導者に相談して取り組むとよいでしょう。

(4)『合格る計算 数学Ⅲ・C』(文英堂)
「合格る」と書いて「うかる」と読みます。このテキストは、計算力強化にとても役に立ちます。計算方法のコツが丁寧に説明されており、計算の上手・下手にまで触れている希少なテキストです。自分の計算方法を改善するきっかけにもなるでしょう。

(5)『チョイス新標準問題集』(河合出版)
標準的で良質な問題が並んでいます。また、問題の難易度も適切です。まずは、分野を問わず、このレベルをクリアすることを大事にしましょう。問題量は多すぎない程度なので、くりかえし取り組むにもよいでしょう。

(6)『大学への数学 1対1対応の演習』(東京出版)
適度な難易度の問題が並んでおり、得られるものも多い問題集です。網羅系参考書を黄チャートなどで取り組んだ受験生には、ぜひとも取り組んでいただきたいところです。

(7)『実戦 数学重要問題集-数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・C(理系)』(数研出版)
全範囲にわたって、重要な問題が多く掲載されています。数学ⅢC全般、図形と式、ベクトルを中心にしっかりと取り組むとよいでしょう。

テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。

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