日本大学 生物
入試対策と勉強法
特徴と時間配分
出題範囲(分野)
全学部共通だけあって、全分野の知識が満遍なく問われています。つまり、医学部入試に多い発生、代謝、分子遺伝学に関わる応用的な考察・計算問題の比重が小さい一方、どちらかと言えば軽視されがちな生態系、進化に関する問題も比較的出題されるのが特徴です。
出題量と時間配分
60分で大問7つです。選択形式の設問が30題弱です。簡単な知識問題が多いものの、設問数は時間に対して多く、正誤も正しいものが一つとは限らないため詰まると時間が足りなくなるでしょう。逆に言えば、正確な知識を持っている者にとっては、時間的厳しさはそれほどありません。
出題形式
各大問が特定テーマに沿って数問ごとまとめられて出題されます。空欄補充、正誤判断、実験考察、計算問題が存在します。実験考察は有名問題が多いので、問題演習をしっかり行ってきた者にとっては知識問題ともいえる設問が多いでしょう。計算問題は解答数値の候補が選択肢として提示されているうえ、数値が離れているので概算可能です。
解答形式
全問が選択肢の中から1つだけを選ぶ形式です。選択肢の数は10に及ぶ問題も多く、正誤問題も正しいものの組み合わせを選ばせるので、あいまいな知識では得点しにくいでしょう。選択肢で図やグラフを選ぶ形式も出題されています。
攻略のポイント
以前は医学部専用の入試日程でしたが、2022年は全学部共通のみになってしまったため、全範囲の教科書的な知識(+α)を問う出題になっています。医学部の入試として見た場合には基本的な内容が多いので、かなりの高得点争いになるものと思われます。そのため、いかに漏れをなくすかが肝と言えるでしょう。
まずは教科書と教科書傍用問題集を用いて、基本事項を整理しましょう。単元ごとに教科書を読んで、問題集で定着しているか確かめましょう。間違った問題はチェックしておき、1週間後にもう一度チェックしましょう。暗記が目的なので、わからない問題はすぐに答えを見てしまった方が効率的です。先にも述べたように、全範囲的な学習が必要なので、飛ばしていい単元はありません。
次に、様々な問題集を用いて、有名実験や教科書+αの知識を整理しましょう。時間が許すならば、同レベルの問題集を複数こなすこともよいでしょう。というのも、同じ事項でも問われ方が変わった場合に、答えられなくなってしまう生徒はよくいるからです。
過去問については、秋には取り組みたいですが、よくも悪くも普通の問題が多いため、総合問題集として取り組む感じでよいでしょう。ただ、特別な出題形式ではありませんが、時間配分は確認したいので、2~3年分程度は時間を測りながら解くようにしましょう。
他の医学部の併願がある場合(ほとんどがそうだと思うが)、医学部では出にくい分野、すなわち生態系、進化、植物の反応等の学習にどれくらい時間を割くべきかが問題となるが、教科書レベルの内容は避けて通れないと思いましょう。本学では高得点争いとなるので、分野まるまる失点につながっているようでは合格することは難しいでしょう。そのため、本学を受験するか否かは早めに判断して、学習計画を立てるべきだと考えます。
推奨テキスト
(1)『リードLightノート生物』(数研出版)
対象:生物の教科書に沿った学習に着手する方
教科書や参考書で学んだ内容の復習に最適です。解説文中の穴埋めによる用語の確認、一問一答問題による用語の暗記、頻出の図表や実験を通じた基礎知識の復習という流れで構成されており、本テキストを地道に仕上げていけば、教科書レベルの知識はほぼ身につけられるはずです。ただし、ホルモンや免疫など、ほとんど扱われていない重要分野が局在する点は残念です。
(2)『生物(生物基礎・生物)基礎問題精講』(旺文社)
対象:必修レベルの問題で基礎知識の運用を練習したい方
教科書の内容をひと通り頭に入れられたら、基本事項のアウトプットを通じて知識の再構築を図りましょう。本書は問題の直後に精講(当該分野に関する知識のまとめ)と解説・解答が掲載されているため、特に基礎知識への不安が拭えない学習者にとっては使い勝手が良いでしょう。記述問題に関してはなんとなくの扱いでもよいでしょう。
(3)『生物の良問問題集[生物基礎・生物]』(旺文社)
対象:必修レベルの問題で基礎知識の運用を練習したい方
記述式問題など解き応えのある設問が基礎問題精講よりも多い印象ですが、様々な現象や実験の本質を理解するうえで、記述練習は良い学習になります。題名通り頻出の良問が多いので、取り組んでおいて損はないでしょう。本学の対策のみを考えるのであれば、必須問題までの演習で十分でしょう。用語レベルで設問を検索できるので、基礎問題精講と併用し、特に理解を深めたい分野のフォローアップに用いても良いでしょう。
(4)『MY BEST よくわかる生物問題集』(学研出版)
対象:追加で基本から演習を行いたい方
上述のテキストをしっかり仕上げていれば敢えて取り組む必要も無いでしょうが、基本問題から再確認できるでしょう。
テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。
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