医大・医学部受験プロ家庭教師 日本医科大学 数学の入試対策と勉強法
医大・医学部受験専門プロ家庭教師が語る

日本医科大学 数学
入試対策と勉強法

特徴と時間配分

出題範囲(分野)

日本医大は数Ⅲの割合が非常に高いのが特徴です。大問4問中3問が数Ⅲという年度がよくあります。数Ⅲはご存知の通り、ⅠAⅡBの総まとめ的なところもありますので、数Ⅲが頻出だからといって、ⅠAⅡBをおろそかにしていいわけではもちろんありません。全分野にわたって高い学力を身につけておくことが必要です。

出題量と時間配分

90分で大問が4題です。2018年までは5題でしたが、最近は4題が続いています。1題の計算量、解答量がかなりあるので、90分という時間で4題解ききることは難しいです。6割くらい解けたら合格ラインでしょう。

出題形式

半分くらい穴埋め、半分くらい記述です。注意するべき点は、大問の中の小問が必ずしも誘導方式でなく、同種の問題の「並立」になっているときです。並立タイプでは似た問題でも異なるアプローチが必要で、一つの大問でさまざまな能力がチェックされます。

解答形式

結果のみ解答欄に記したり、図解を交えて記述するものもあります。ただ、答えが出ても自信が持てないような二重根号の答え、3桁の答えもあります。大量の計算に息切れしない強靭な計算力、処理能力が求められています。

攻略のポイント

1、まずは教科書の内容の定着が基本かつ重要です。
教科書にある公式・定理がスラスラと出てくることは当然です。例題を完全にマスターすることが一つの基準です。本学攻略のためには、それらの定理の証明・導出ができるところまで目指しましょう。東大の問題に「三角関数の加法定理の証明」が出されたことを忘れてはいけません。またそれが東大の合否を決める入試問題として、識別機能を十分に持っていたといわれることも大きな教訓です。

2、その次は教科書傍用の問題集を反復練習して仕上げましょう。
手もとになければ、『黄チャート』でもよいでしょう。1、2の段階でもグラフや図を必ず書きましょう。教科書や問題集の解説にあるものはもちろん、自ら立式や計算と同時進行で図解しながら、考えると伸びていきます。よく「数学はヒラメキ」といいますが、「ヒラメキは目と手から来る」のです。数式的な論理と図形的な直観が融合して一つになるとき、天啓が訪れることが多いです。
それから、計算をアチコチ書き散らすのではなく、常に証明問題の解答と思って、簡潔な説明を書き添えることが大切です。誰が見るものでなくても、忍耐強く論述の練習をすることが本学の合格答案を書きあげる底力になると信じましょう。
さらに重要な点は計算力です。入試数学の得点力の半分は計算力と言っても過言ではないでしょう。

3、上記のような難関校数学攻略の基礎が固めながら、次は『チェック&リピート』、『青チャート』、『1対1対応の数学』などで、入試の標準以上の「発想力」を鍛えましょう。
数学の問題が解けないのは多くの場合、「解けないのではなく、解き方を知らないことが多い。」ライバルが知っている発想や定跡を身につけなければ勝てないでしょう。

4、最後に過去問を活用しましょう。
実際の入試問題は問題集の問題とはかなり違っていることが多いです。とくに日本医大のように超難問も混ざっているようなセットではそのような問題に慣れておくことが非常に重要です。時間がなければ11月終わりか12月はじめくらいからでもいいので、過去問を最低5年分は解きましょう。その際、最初から90分で解こうとするのではなく、120分、180分くらいかけて解きましょう。または一気に解くのは気力と体力がいるので、1日1題くらいを時間無制限で解きましょう。そのようにして難易度、分量、「ノリ」などを知ることができれば、最後の1、2年分は時間を100分、90分などにして解いて6割くらい解ければよいでしょう。慈恵、慶應医学部の過去問も似ているので時間があれば挑戦してみましょう。

推奨テキスト

 

(1)『教科書』

(2)『教科書傍用問題集(4STEP、サクシード、アドバンスドプラスなど)』

入試の原点としての教科書は、手の届くところにキープしましょう。各種公式・定理の導出過程も繰り返し参照できます。同時に中間・期末テストの際の座右の書ともいうべきこれらの問題集は完ぺきにできるのが当然の基準です。手もとになければ、『黄色チャート』を代用してもよいでしょう。

 

(3)『青チャート数学ⅠA、ⅡB、Ⅲ』(数研出版)

(4)『Focus Gold』(啓林館)

言わずと知れた、網羅的参考書兼問題集の大定番です。教科書レベルはもう卒業という生徒が一度は越えなければならない「入試問題の壁」です。つまり、学校の中間・期末テストは問題ないのですが、実力テストや模試になると今一歩という生徒は、青チャートによって“教科書の基礎と入試の基礎は違う”という当然なのに見落としがちな事実に気づくでしょう。発想・定跡・チェックポイントなどが中間・期末テストと入試では次元が異なるのです。それらを一通り身につける修行もなしに、本学のような超難関校の数学を解くのは無理というものです。『Focus Gold』も甲乙つけがたい良書と言えます。

 

(5)『チェック&リピート数学基礎問題集 ⅠA、ⅡB、Ⅲ』(Z会)

上記の網羅的参考書兼問題集の行間を埋めるような「発想」の数々が、1行問題プラスアルファの小問を解くことで学べます。本書は本学ほど数学が難しくない競合校を抑えることも考えると、必須アイテムでしょう。

 

(6)『大学への数学』(東京出版)

マメで腕に覚えのある生徒は月刊の「大数」を買って、大数の難易度評価C(発展)の問題を毎月解いてみましょう。『青チャート』『チェック&リピート』は「典型問題」攻略のための演習書です。だが実際の入試問題は、ひねってあったり、融合してあったり、分野不明だったり…、一筋縄ではいきません。これらの難敵に忍耐強く取り組めば、本学の重量級の計算にも息が続く、強靭な体力が望めるでしょう。お世辞にもマメとは言えない方は、『1対1対応の演習』と集中的に格闘するのもよいでしょう。さらに、『学コンに挑戦』にまで行ける方には、本学はやさしく微笑むでしょう。

 

(7)『過去問』

日本医大、慈恵、慶應医学部、東大の過去問を問題集として使うこともおすすめです。実践的な力が身に付きます。

 

テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。

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