埼玉医科大学 物理
入試対策と勉強法
特徴と時間配分
出題範囲(分野)
力学、熱力学、電磁気、原子を中心に出題されています。近年では波動も出題されています。難易度としては基本問題も多いですが、公式の導出問題や典型問題の要素を複数組み合わせた問題など、公式の当てはめだけでは解けない問題まで出題されます。
出題量と時間配分
前期・後期ともに理科2科目90分で大問3題ですが、設問数は約40題と時間に対して多いです。煩雑な計算を要する問題、公式当てはめではなく思考を要する問題もあるため、そのような問題で時間を費やしてしまうとまず終わらないでしょう。時間がかかる問題は飛ばし、上手く立ち回る必要があります。
出題形式
大問3題です。大問には一連の関係がある設問が並びます。設問は誘導になっていることも多く、最終的に求めたい事項を細かく細分化してくれているので、誘導に乗れればサクサクと進んでいけます。問われる内容は、数式を求めさせる問題が殆どではありますが、数値計算も一部出題されます。
解答形式
全問マーク式です。数式を求めさせる問題では、次元解析や極端な例(斜面が水平面となす角θを0やπ/2にするなど)を考えることによって、分からない問題でも選択肢をかなり減らせることが多いです。ひどい場合だと次元解析だけで2択にまで持ち込めます。
数値計算は選択式と穴埋め式に分かれますが、複雑な計算を要するものではないので、普通に計算してよいでしょう。
攻略のポイント
まずは基礎を固めることである
そのためには、まずは定義や公式を理解した上で、しっかりと覚えることです。これがなかなか難しいです。理解するというのは、「自分の言葉で説明する」、「図で表す」、「他の公式同士のつながりを考える」など、様々な方法で公式を「考える」ということです。公式を覚えて、問題をただただ解きまくるといった学習ではなかなか物理の点数を上げることは難しいでしょう。一見、面倒だと思う作業を地道にこなしておくことが、物理攻略の重要な出発点となります。
次に問題演習
物理で登場する公式や概念はそれほど膨大ではありません。それらを、完全に理解したら、次は、問題演習に入ります。問題をこなすことで、基礎が理解できているかが確認できるからです。基礎の新たな面の発見につながることもあります。そういった意味で、問題演習も重要な作業となります。問題演習はただただ多くの問題を解くのではなく、1冊の問題に絞り、1つの問題を解いたら、他の方法で解いてみる、問題の現れる現象を深く調べてみるなど、多角的に検討します。その作業が、新たな問題を解くためのカギになってきます。問題を見たときにどのようなプロセスで解いていくか、いわゆる、問題解決能力を身につけないと、いつまでたっても新たな問題が解けるようになりません。何度も強調するが、ともかく1冊の問題集に絞ることです。それを徹底的にやりこむことが物理の得点力を伸ばすのに非常に重要となります。
計算力がないと時間制限内に自分で正解にたどり着けない
立式だけを行い、やり方がわかったら細かな計算を最後までやらないといった受験生を多く見かけます。必ず最後まで答えを出しましょう。そうしないと、あっという間に計算力が落ち、試験になったとき、一向に点数がとれなくなります。どのように工夫すれば、より効率よく計算できるかを自分なりに研究することも大切です。しかし、自分ではなかなか効率よい計算にたどりつかないこともあるでしょう。そのときは、いつも習っている先生に、自分の解き方を客観的に見てもらい、アドバイスをもらうのが一番の方法です。
過去問演習
ある程度標準的な問題が解けるようになってきたら次は過去問演習に進もう。確かに、過去問は出題されないのですが、この大学がどのようなレベルを要求しているのかを知ることは有効な対策となるからです。計算量や、求められる知識など大学によって変わってきます。特に第一志望の過去問は、念入りに研究することです。
推奨テキスト
(1)『為近の物理基礎&物理 合格へ導く解法の発想とルール』(学研教育出版)
対象:教科書や初学者向け参考書を終えた方
公式の導出についてもかなり触れていて、解法の着眼点についても触れられています。“入試問題に挑戦“の部分は急にレベルが上がるので、少し考えてわからなければ、すぐに解説を見てしまってよいでしょう。
(2)『良問の風』(河合出版)
対象:公式の整理ができた方
問題数は多くないものの、有名問題は網羅されています。
(3)『物理(物理基礎・物理)基礎問題精講』(旺文社)
対象:公式の整理ができた方
良問の風と大体同レベルの問題集です。問題数は多くないので、『良問の風』とセットでこなして、典型問題を解く力をしっかりと固めるとよいでしょう。
(4)『セミナー物理基礎+物理』(第一学習社)
対象:問題数を沢山解きたい方向け
基本から難問まで幅広く扱われています。問題数が多いので繰り返し公式の練習をするのに最適です。また、思考を要する問題や、典型問題を組み合わせた問題も載っています。とりあえず、発展問題までは必須です。
(5)『名問の森』(河合出版)
対象:物理で点を稼ぎたい方
問題数は多くないものの、難しめの有名問題を網羅しています。
(6)『物理重要問題集−物理基礎・物理』(数研出版)
対象:物理で点を稼ぎたい方
基本から難問まで幅広く扱われています。
(7)『体系物理』(教学社)
対象:問題形式で公式を学びたい方、物理で点を稼ぎたい方
公式の導出を問題形式で学習できます。
<番外編>
(1)『センター試験過去問&予想問題集』(各予備校等)
早解きの練習とボケ防止に最適です。典型問題の整理が終わったら、忘却を防ぐために週に1回分以上を回し続けるとよいでしょう。目標タイムは40分ぐらい、目標点は本学のセンター利用が8割半ぐらいなので、最終的にはそれを目指しましょう。
テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。
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