産業医科大学 生物
入試対策と勉強法
特徴と時間配分
出題範囲(分野)
年度により出題分野は異なりますが、代謝、生殖、細胞と分子、体内環境の調節、分子生物学、刺激と反応、免疫などの医学に関連する分野がほとんどを占めます。ただし、植物のホルモン応答などの分野も稀ではありますが出題されます。知識問題として教科書に載っていないこともさらっと出してくるので、日ごろから関連分野を調べて学習しているかが問われます。
出題量と時間配分
理科2科目100分、つまり50分で大問3つです。各大問につき8問程度の小問数です。全体的に時間は厳しめです。特に記述の慣れによってその体感は変わってくるでしょう。問題文は決して長くないですが、全設問の後に図表がまとめて掲載されることが多く、慣れていないと設問理解で時間を浪費するおそれがあります。
出題形式
各大問に文章が書いてあり、初めに空所補充、その後に下線部の説明などを行っていきます。図表は十分量が与えられ、図に対する空欄補充も出題されます。問題文があまり長くないので、大規模ではありませんが、実験の考察問題や実験設計の問題も出題されます。計算問題に関しても出題されますが、典型的なものが多く、計算量もあまりありません。
解答形式
記述式解答であり、空欄補充も用語をしっかり覚えておかねばなりません。また、論述の割合が多いだけではなく、図を描く問題も出題されます。記号選択式の問題もないわけではなく、様々な出題形式がみられることが特徴です。
攻略のポイント
合格点を取るだけなのか、生物でがっつり稼ぎたいかで必要な勉強量がかなり変わってくるでしょう。生物で稼ぐ場合には最新分野(教科書に載っていないような新しい内容、例えば2020年度のゲノム編集の話など)の知識が必要となってきます。いずれにしても、まずは基本知識の導入、図表などによる深堀、記述対策の演習が肝になってくるでしょう。
基本知識の導入は教科書でよいでしょう。単元ごとに教科書を読んで、その単元の傍用問題集を用いて復習・定着させます。間違えた問題は印をつけておいて1週間後にでも解きましょう。教科書を読む際にはいきなり細かいことを覚えるよりも、先に全体としてどういう意味のあるものなのか把握してから、細部を詰める方がいいでしょう。
次に、入試対策用の問題集の演習をしつつ、図表(資料集)を用いて細かい知識の理解を深めます。知識については本学では細かい内容も問われますし、論述する必要があるので、自分の言葉で誰かに説明してみることは有効です。指導する際に、生徒に対して説明させてみると意外に説明できないことは多いです。
記述対策は書き方のコツはあるものの、まずは数をこなすことが必要でしょう。難しめの問題集は大体の問題が記述式であり、理由の論述などは当たり前のように入っているのでお勧めです。ただし、本学は重い考察問題は出にくいので、考察問題としてよりも知識の輸入先としてとらえて学習していってもよいでしょう。
過去問については、実際に自分の目で記述の重さ(+少しふわっとした聞き方であること)、細かすぎる知識も聞いてくることなどを確かめましょう。そのため、早めに過去問には目を通しましょう。遅くとも3年夏には1年分は解いてみて、大学が求める内容に沿って本番まで学習していきましょう。また、共通テストがあることを考えると、11月終わりまでにはある程度は過去問をこなしておきましょう。
推奨テキスト
(1)『セミナー 生物基礎+生物』(第一学習者)
対象:初学者、教科書に沿った学習に着手する方
教科書に沿って簡単な問題から、入試レベルの難易度の問題まで1冊で行けます。他の教科書に沿った問題集より難易度が少し高いですが、本学を目指すなら一週目から発展問題にも手を出してよいと考えます。入手に関しては一般書店では売っていないので中古もしくは教科書卸での購入となります。手に入らなければ『リードLight』をつかうことになりますが、若干レベルが下であることが否めません。
(2)『新課程版 スクエア最新図説生物』(第一学習社)
対象:全学習者
高校の図表で最も詳しい図表で、医学部受験生には本学のみならずお勧めできる一冊です。ただし、一般書店では売っていないので、中古もしくは教科書卸などで購入する必要があります。最新の話題も取り入れており、本学においても有用でしょう。
(3)『生物重要問題集−生物基礎・生物』(数研出版)
対象:入試レベルの問題を沢山こなしたい方
基本から難問まで幅広く扱われています。本学特有の細かすぎる知識は問われませんが、合格点に向けた演習にはお勧めできます。また、考察問題には本学向けには難しい問題も散見されますが、そういった問題は知識の輸入先として取り組めばよいでしょう。
(4)『生物(生物基礎・生物)標準問題精講』(旺文社)
対象:必修レベルの学習を終えた方
国公立二次試験の問題などで構成されており、本学の入試について言えば、本書で要求されるレベルの解答作成力は不要です。しかし、エピジェネティクスのような発展的内容が必修レベルの問題集に掲載されることは稀ですから、演習のためにはこのレベルの問題集が必要になるでしょう。問題を解けるようにしておくに越したことはありませんが、目にすることの少ないテーマの存在やその学習ポイントを把握する目的で取り組むだけでも意義があるでしょう。
テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。
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