聖マリアンナ医科大学 物理
入試対策と勉強法
特徴と時間配分
出題範囲(分野)
全範囲からバランスよく出題されます。原子物理をしっかりと出題されます。難易度としては教科書レベルの用語や公式代入問題から標準問題や、稀ではありますがかなりの難問まで出題されます。
出題量と時間配分
理科2科目150分です。大問5題を75分ときつそうに見えますが、解いてみると意外と余裕があります。しかし、典型問題で解法がすぐ出てこなかったり、たまに出る難問で考えすぎたりしてしまうのに注意が必要です。すぐ解けない問題は飛ばして、標準的な問題や、分かる問題を全部解き合格点を狙いましょう。また、出題ミスも度々見られるので、答えのない問題で時間をロスすることも避けたいところです。
出題形式
大問5問です。第1問が本学の特徴である空欄補充型の小問集合、その他は各分野の大問で、一連のまとまった問題となっています。問われる内容は、数式を求めさせる問題、具体的な数値を計算させる問題、定性的な分析をさせる問題と様々です。
解答形式
記述式となっています。グラフを中心とした作図も出題されます。選択式になっている設問もあります。小問集合を除き、答えだけではなく解答の過程を書かなければならない問題も多いです。“計算”ではなく“解答”過程なので、立式の根拠なども記述した方が良いでしょう。
攻略のポイント
小問集合で用語が出題されることが特徴の大学ですが、それ以外は普通の問題が出題されているので、一般的な問題集で学習しておけばよいでしょう。強いてあげるならば、公式の導出問題も出題されるぐらいです。
まずは基礎を固めることである
そのためには、まずは定義や公式を理解した上で、しっかりと覚えることです。これがなかなか難しいです。理解するというのは、「自分の言葉で説明する」、「図で表す」、「他の公式同士のつながりを考える」など、様々な方法で公式を「考える」ということです。公式を覚えて、問題をただただ解きまくるといった学習ではなかなか物理の点数を上げることは難しいでしょう。一見、面倒だと思う作業を地道にやっておくことが、物理攻略の重要な出発点となります。
次に問題演習
物理で登場する公式や概念はそれほど膨大ではありません。それらを、完全に理解したら、次は、問題演習に入ります。問題をやることで、基礎が理解できているかが確認できるからです。基礎の新たな面の発見につながることもあります。そういった意味で、問題演習も重要な作業となります。問題演習はただただ多くの問題を解くのではなく、1冊の問題に絞り、1つの問題を解いたら、他の方法で解いてみる、問題の現れる現象を深く調べてみるなど、多角的に検討します。その作業が、新たな問題を解くためのカギになってくるでしょう。問題を見たときに、どのようなプロセスで解いていくか、いわゆる問題解決能力を身につけないと、いつまでたっても新たな問題が解けるようになりません。何度も強調しますが、ともかく1冊の問題集に絞ることです。それを徹底的にやりこむことが物理の得点力を伸ばすのに非常に重要となります。
計算力がないと時間制限内に自分で正解にたどり着けない
立式だけを行い、やり方がわかったら細かな計算を最後まで解かないといった受験生を多く見かけます。必ず最後まで答えを出しましょう。そうしないと、あっという間に計算力が落ち、試験になったとき、一向に点数がとれなくなります。どのように工夫すれば、より効率よく計算できるかを自分なりに研究することも大切です。しかし、自分ではなかなか効率よい計算にたどりつかないこともあるでしょう。そのときは、いつも習っている先生に、自分の解き方を客観的に見てもらい、アドバイスをもらうのが一番の方法です。
用語問題対策
用語対策としては、過去問と同じ用語が出題されることがあるので、出題されたものはノートにまとめておくと良いでしょう。また、単位名等の細かいものも含め、一問一答式で教科書の太字等もまとめておくとよいでしょう。
過去問演習
標準レベルの単元別の問題集を解き終えた後は過去問演習を行いましょう。ペース配分や回答形式に慣れることが重要です。本学の問題では、解答の過程も書かなければならない問題が多いので、答えの正否だけではなく、解答を書く練習も忘れてはなりません。
推奨テキスト
(1)『為近の物理基礎&物理 合格へ導く解法の発想とルール』(学研教育出版)
対象:教科書や初学者向け参考書を終えた方
公式の導出とその運用方法も学べる参考書です。まずは例題レベルを完璧にし、“入試問題に挑戦“の部分は、後回しでもよいですが、公式がどのような発想に基づいて使われていくのかについて書いてあるので、解かなくてもいいので読みましょう。
(2)『セミナー物理基礎+物理』(第一学習社)
対象:公式の整理ができた方
基本から標準レベルまで幅広く扱われています。問題数が多いので、公式の定着を図るのに最適です。基本問題及び発展問題を完璧にします。総合問題は難しめの問題も入っているので、後回しでもよいでしょう。
(3)『良問の風』(河合出版)
対象:公式の整理ができた方
問題数は多くないものの、典型問題はある程度網羅できます。本問題集に載っているレベルは即答できるようにし、本番では落としたくないところです。
(4)『物理(物理基礎・物理)基礎問題精講』(旺文社)
対象:公式の整理ができた方
『良問の風』と大体同レベルであり、『良問の風』が定着しているか不安ならばやるとよいでしょう。
(5)『名問の森』(河合出版)
対象:典型問題の整理ができた方
問題数は多くないものの、有名問題は網羅されています。中には難しい問題もあるので一概には言えませんが、本問題集レベルの問題が合否の分かれ目になるでしょう。
(6)『物理重要問題集−物理基礎・物理』(数研出版)
対象:典型問題の整理ができた方
『良問の風』と『名問の森』を足したような問題集です。基本から難問まで幅広く扱われています。問題数は多くないものの、有名問題は網羅されています。時間に余裕があれば、『名問の森』だけではなく、こちらの問題集もやっておくとよいでしょう(順序は問わない)。
テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。
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