昭和大学 英語
入試対策と勉強法
特徴と時間配分
出題範囲(分野)
2020年より大きな変更があり、発音・アクセントなど知識系の問題が大問1の短文空所補充を残して姿を消し、それ以外は読解問題2題の出題となっています。和訳や説明問題という形での記述問題が出題されます。読解問題は500~600語程度ではありますが、後述のとおり英語は50分強で終えてしまいたいことを考えると速読能力と処理能力の高さが求められます。
出題量と時間配分
試験時間は数学(または国語)と合わせて140分です。単純計算では英語には70分ということになりますが、数学・国語に時間がかかるため、よほど数学・国語が得意でない限りは、英語には50分強程度しかかけられないと思っておきましょう。形式に揺れがあるため細かい時間配分は現場での対応が必要になりますが、2020年からの形式が続くのであれば大問1の空所補充は6~7分程度、読解問題は英文の長短に差があることが多いため、長いほうに25分、短いほうに20分として考えておくとよいでしょう。全体として標準的なレベルの設問が多いため取りこぼしは許されませんが、ある程度の速さで解かないと全てを50分強で回しきらないので即座に出力出来るよう知識の精度を高くしておく必要があります。
出題形式
前述のとおり出題形式が一定ではないため、しっかりとした基盤を持った知識が必要です。前述のとおり、大問としての知識系問題は短文空所補充のみとなりましたが、整序問題や単語の記述は読解問題の中で問われているため、しっかり対応できるようにしておく必要があります。和訳・説明問題も出題されるためトレーニングが必要です。
解答形式
選択式・記述式の混合形式となっています。長文読解では、従来から和訳問題が出題されます。また、説明記述も出題され、2021年は80語、以前の形式時にも90語の記述が要求されたことがあります。単語の記述問題や整序問題も大問としてなくなったものの読解問題のなかでは問われているので、基本的な知識もしっかり身につけておきましょう。
攻略のポイント
[読解問題]
読解問題の配点がおおきくなったため、これまで以上にその出来が合否を左右する出題となっています。したがって、読解力向上に向けた取り組みに時間をかけましょう。試験時間は実質50分強ですが、全体量を考えると、速読能力の向上も必須です。意味のかたまりごとに前から意味をとっていく事ができなければ時間内に設問処理まで含めて解答を終わらせることは出来ないでしょう。句・節ごとに意味をとらえ、ニュアンスの分かるものは日本語に訳さず読み進める力を身につけましょう。
一定レベル以上の英文解釈能力を身につけたら、句・節ごとにスラッシュを入れながら前から訳読み下すトレーニングをしましょう(スラッシュ・リーディング)。最初のうちはやや多めにスラッシュを入れることになるでしょうが、慣れてくればそれほど入れずに前から読み下していくことができるようになります。併せて行いたいのが音読です。一度解き、しっかり復習した英文を用いて、必ず英文音読の時間を設けるようにしましょう。音読することで、強制的に前から読み下す習慣を身に付けることが出来ますし、日本語を介在させなくとも内容が頭に入ってくるようになる英文が増えてくることになります。その際には必ず意味のかたまりごとに内容を把握する意識を持つようにしましょう。漫然と読んでいては効果が半減してしまいます。音源付きの長文問題集であれば、それを利用することでさらに効果を高めることが出来ます。
医系テーマを扱った読解問題が出題されることが多いことから、普段の長文読解の素材として取り入れましょう。後述の問題集を是非利用しましょう。背景知識があると読みやすさの点で大きな差がでることがあります。
[単語・イディオム]
長文で用いられる単語のうち難易度が高いものについては注訳がある事が多いですが、単語力を付けておくことで類推する箇所を減らし速読レベルをあげることが出来ます。他の受験生のレベルを考えてみても標準レベル以上の単語集をしっかり身につけておきましょう。医系の単語集をこなす必要はありませんが、後述の『私立医大の英語』のイラスト説明部分に記述されたものがある程度判断できるようにしておけば読解がやや楽になるでしょう。それでも未知の単語は出てきますが、単語集をしっかり終えていれば文意を参考にすることで正しい答えを絞れるでしょう。
[文法・語句整序]
短文の空所補充を除けば大問としての出題はなくなりましたが、整序などは読解問題の中でも問われています。出題された場合も設問は標準的なものであるため、後述のようなインプット系の問題集を一冊完成させれば知識面では十分です。もっとも、かなり短い時間で解き切ることが要求されることになるため、高い精度で完成させましょう。語句整序に関しては、場当たり的な解き方ではなく、他動詞の性質や節の個数を意識した英文の骨組みから組み上げる手順をしっかり確立しておきましょう。
推奨テキスト
英文解釈
(1)『基礎英文解釈の技術100』(桐原書店)
英文構造の把握を身につけるための良書です。この1冊を7~8割程度消化したら、あとは速読のトレーニングをすることに注力しましょう。
(2)『ポレポレ英文読解プロセス50』(代々木ライブラリー)
講義仕立てで読みやすく、量も絞ってある分、時間をかけずに終えることが出来ます。(1)をこなす時間がない人はこちらでも良いでしょう。
長文読解
(1)『パラグラフリーディングのストラテジー1・2』(河合出版)
ある程度の英文解釈力が身についたら取りくむべきシリーズで、速読するためのエッセンスが詰まっています。パラグラフリーディングの基本を1で身につけ、2でトレーニングする形です。3もあるが難関国公立向けであるため、こちらについては国公立と併願する生徒向けです。
(2)『全レベル問題集:英語長文6』(旺文社)
(3)『イチから鍛える英語長文700』(Gakken)
(4)『英語長文PREMIUM問題集:Advanced/Top』(東進ブックス)
いずれも音源付きであり、出版も新しいため最新のトピックを知る上でも役に立ちます。ある程度の長さと難易度に慣れるために夏には取り組み始めましょう。
(5)『私立医大の英語(長文読解編)』(数学社)
医療系のテーマに絞った長文問題集です。最新医療の時事問題、医学・生物学など医学部で出題されること多いテーマをバランスよく扱っています。また、イラストを用いて背景知識を説明してくれているページは読み物としても面白いです。長文のレベルにややムラがありますが、昭和大を受験する以上、どのレベルの英文にも対応できるようにしましょう。
(6)『過去問』
当然ながら、最高の実践的トレーニングとして最も重要なものです。近年の1年分については、レベルを把握するために早い時期に解いておきましょう。
文法・語法
(1)『頻出英文法・語法問題1000』(桐原書店)
文法・語法系のインプット教材としてはややボリュームがありますが、比較的説明が厚めなので自分で進めやすいでしょう。
(2)『英文法ファイナル問題集[標準編・発展編]』(桐原書店)
全10回のテスト形式です。範囲指定のない形で問題が作られているため、知識の定着度を図るのに良いでしょう。語句整序も各回に出題されているため、苦手な設問形式をピックアップして取り組むという使い方も可能です。
(3)『英語整序問題精選600改訂版』(河合塾)
単元別に分かれているため、文法知識の運用力を高めるためにも利用価値が高いです。各章、レベルは3まであるが2までやれば十分でしょう。
単語・イディオム
(1)『速読英単語[必修編・上級編]』(Z会出版)
学校使用の単語帳を用いるのが効率的ではありますが、使いづらかったり相性が悪かったりするのであれば、CD音源付きで速読の練習も兼ねられるこちらを利用すると良いでしょう。上級まで回せれば単語力に不足はないでしょう。
(2)『解体英熟語』(Z会)
ボリュームはありますが、テキストの後ろにある前置詞・副詞の整理ノートがよくまとまっており、効率的に覚えられるだけではなく、未知のイディオムもニュアンスを類推することができるようになります。
(3)『システム英単語Premium(語源編)』(駿台文庫)
語源ごとに編集された単語帳です。単語としてはやや難易度の高いものが多いですが、語源については分かりやくまとまっているため、自分の使っている単語帳では覚えにくい単語があるときに参考程度に利用するとよいでしょう。
テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。
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