東北医科薬科大学 英語
入試対策と勉強法
特徴と時間配分
出題範囲(分野)
長文読解問題が2題です。文法・語法・イディオム系の問題が3題という出題が続いています。長文は主に自然科学系のテーマが素材となっています。文法系の問題は、空所補充、同義文完成(もしくは同意語句選択)、語句整序が出題されています。長文レベル、知識レベルともに標準的な出題となっています。
出題量と時間配分
試験時間は70分です。大問1・2の長文読解問題に45分強は確保したいところです。2題の文章の長さにやや差があることが多いので、より長いほうに大目に配分するつもりでいるとよいでしょう。知識系3題に関しては、短文空所補充問題に5分強、同義文完成に5分強、語句整序問題に10分強というのが基本的な時間配分となるでしょう。
出題形式の特長
大問1・2の読解問題に関しては、自然科学系のテーマを扱っていることが多いこともあり、やや専門性が高い文章が素材となることがあります。ただ、部分的に読み取りにくかったとしても、大きい論理の流れを追うことさえ出来れば、設問に必要な読み取りは十分できます。空所補充や同義語選択問題を解く際には、部分的な読みだけでなく、しっかり話の流れを意識しましょう。内容一致問題の選択はやや時間がかかることから、タイムマネジメントにも注意を払いたいです。知識系問題は、大問3の短文の空所補充と大問5の語句整序に関しては、安定した出題形式となっています。大問4に関しては従来、シンプルな同意語句選択でしたが、近年は同義文完成の出題となっているため、これに関しては形式に慣れておく必要があります。
解答形式の特長
全て選択式となっています。長文読解の内容把握系問題の肢が日本語で作られているものも多いため、本文読み取りに入る前にざっと目を通すと文章の大きなテーマがわかり、読みの効率が高くなります。語句整序に関しても日本語が与えられていますが、そのまま語句を結び付けようとすると手が止まってしまう作りになっているものが多いため、パラフレーズ箇所をしっかり確定し、ブロックに分けて考えられるようにしておきましょう。
攻略のポイント
[読解問題]
70分の試験時間は、問題数からすると余裕がある作りとは言えないため、割合の大きい読解問題で点数を確実に確保するためには、高い速読能力の向上が必要です。意味のかたまりごとに前から意味をとっていく事ができなければ、時間内に設問処理まで含めて解答を終わらせることは出来ません。句・節ごとに意味をとらえ、ニュアンスの分かるものは日本語に訳さず読み進める力を身につけましょう。
一定レベル以上の英文解釈能力を身につけたら、句・節ごとにスラッシュを入れながら前から読み下すトレーニングをしましょう(スラッシュ・リーディング)。最初のうちはやや多めにスラッシュを入れることになるでしょうが、慣れてくればそれほど入れずに前から読み下していくことができるようになります。併せて行いたいのが音読です。一度解き、しっかり復習した英文を用いて、必ず英文音読の時間を設けるようにしましょう。音読をすることで、強制的に前から読み下す習慣を身に付けることが出来ますし、日本語を介在させなくとも内容が頭に入ってくる英文が増えていきます。その際には、必ず意味のかたまりごとに内容を把握する意識を持つようにすること。漫然と読んでいては効果半減です。音源付きの長文問題集であれば、それを利用することでさらに効果を高めることが出来ます。
理科学系のテーマを扱った読解問題が頻出であることから、普段の長文読解の素材として取り入れましょう。後述の問題集を是非利用してもらいたいです。背景知識があると、読みやすさの点で大きな差がでることがあります。
[文法・語句整序]
大問3~5で問われる事項は標準的なものであるため、後述のようなインプット系の問題集を一冊完成させれば完答を目指せます。もっとも、かなり短い時間で解き切ることが要求されることになるため、高い精度で完成させましょう。語句整序に関しては場当たり的な解き方ではなく、他動詞の性質や節の個数を意識した、英文の骨組みから組み上げる手順をしっかり確立しておきましょう。
[単語・イディオム・会話表現]
長文で用いられる単語には難易度が高いものもありますが、注訳がなくとも文意をとらえ解答すればよいので、そのために知っている必要はないものです。オーソドックな受験用単語帳を1冊完成させれば十分でしょう。単語集をしっかり終えていれば、文意を参考にすることで正しい答えを絞れるはずです。
推奨テキスト
英文解釈
(1)『入門英文解釈の技術70』(桐原書店)
英文構造の把握を身につけるための良書です。この1冊を7~8割程度消化したら、あとは速読のトレーニングをすることに注力しましょう。
(2)『ポレポレ英文読解プロセス50』(代々木ライブラリー)
講義仕立てで読みやすく、量も絞ってある分、時間をかけずに終えることが出来ます。(1)をこなす時間がない人はこちらでも良いでしょう。
長文読解
(1)『パラグラフリーディングのストラテジー1・2』(河合出版)
ある程度の英文解釈力が身についたら取りくむべきシリーズで、速読するためのエッセンスが詰まっています。パラグラフリーディングの基本を1で身につけ、2でトレーニングする形です。
(2)『全レベル問題集:英語長文4・5』(旺文社)
(3)『イチから鍛える英語長文500・700』(Gakken)
(4)『英語長文PREMIUM問題集:Advanced』(東進ブックス)
いずれも音源付きであり、出版も新しいため、最新のトピックを知る上でも役に立ちます。ある程度の長さと難易度に慣れるために、夏には取り組み始めたいです。
(5)『私立医大の英語(長文読解編)』(教学社)
医療系のテーマに絞った長文問題集です。最新医療の時事問題、医学・生物学など、医学部で出題されることの多いテーマをバランスよく扱っています。また、イラストを用いて背景知識を説明してくれているページは、読み物としても面白いでしょう。長文のレベルにややムラがありますが、医学部受験生はぜひ取り組んで欲しいです。
(6)『過去問』
当然ながら、最高の実践的トレーニングとして最も重要なものです。過去問の量は少ないものの、近年の1年分については、レベル・形式を把握するために早い時期に解いておきましょう。
文法・語法
(1)『頻出英文法・語法問題1000』(桐原書店)
文法・語法系のインプット教材としてはややボリュームがありますが、比較的説明が厚めなので自分でも進めやすいです。もっとも、学校などで『NEXTSTAGE』(桐原書店)や『VINTAGE』(いいずな書店)などを利用していれば、これらのテキストもよくまとまっているため、学校の進行に合わせてそれらを使った方が効率はよいでしょう。
(2)『英文法ファイナル問題集[標準編]』(桐原書店)
全10回のテスト形式です。範囲指定のない形で問題が作られているため、知識の定着度を図るのに良いでしょう。語句整序も各回に出題されているため、苦手な設問形式をピックアップして取り組むという使い方も可能です。
(3)『英語整序問題精選600改訂版』(河合塾)
単元別に分かれているため、文法知識の運用力を高めるためにも利用価値が高いです。各章レベルは3までありますが、2までこなせば十分でしょう。
単語・イディオム
(1)『速読英単語[必修編]』(Z会出版)
学校使用の単語帳を用いるのが効率的ではありますが、使いづらかったり相性が悪かったりするのであれば、CD音源付きで速読の練習も兼ねられるこちらを利用すると良いでしょう。上級まで回せれば単語力に不足はありません。
(2)『解体英熟語』(Z会)
ボリュームはありますが、テキストの後ろにある前置詞・副詞の整理ノートがよくまとまっており、効率的に覚えられるだけではなく、未知のイディオムもニュアンスを類推することができるようになります。
(3)『システム英単語Premium(語源編)』(駿台文庫)
語源ごとに編集された単語帳です。単語としてはやや難易度の高いものが多いですが、語源については分かりやくまとまっているため、自分の使っている単語帳では覚えにくい単語があるときに参考程度に利用するとよいでしょう。
テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。
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