東京医科大学 英語
入試対策と勉強法
特徴と時間配分
出題範囲(分野)
大問として、発音またはアクセント問題が1題、文法・イディオム等知識問題が1題、会話文もしくは語句整序問題が1題、長文読解問題2題の計5題の出題が例年の傾向です。全体として標準的な知識・理解が問われており解きやすい問題と言えます。年によって、大問1が発音とアクセントのどちらか、大問3が会話か語句整序となっておりどちらが出題されても対応できるようにしておきましょう。読解については、医療系から人文・社会系まで幅広く出題されています。
出題量と時間配分
試験時間は60分です。問題は解きやすいとはいえ時間が短いため時間管理は重要です。大問1・2はそれぞれ小問が5~6つ程度なので併せて7~8分、大問3の語句整序(もしくは会話)も7~8分で終わらせ、読解問題2題に45分残しましょう。長文読解は時間をかけただけ精度が増します。知識系の大問1から3までは15分で終わらせることが出来るだけの知識の精度の高さを目指しましょう。
出題形式
読解問題に関しては、大問4が空所補充を中心とした問題、大問5が内容一致問題となっています。2020年より大問5に50語程度の記述問題が加わりました。大問4の語群から適切な語句を空所に補充する問題は、語群の選択肢が16~18と多いが、各空所に付き、文法形式的な視点からある程度絞ることで効率的に解くことが出来きます。大問5は内容一致問題も20~25の選択肢の中から5~8つの正しい物を選択するというものです。選択肢の並びと英文の流れが基本的には同一なので、1~2パラグラフ読むごとに選択肢をいくつか検討するという方法で進めれば、記憶が新鮮なうちに選択肢の正誤を判断できます。
解答形式
大問5(B)の記述式を除けば、全てマークシート形式となっています。大問5(A)については、20~25ある内容一致の選択肢が各々2~3行の英文となっているため、トータルではかなりの分量となっています。読み取りに思っている以上に時間がかかるので、前述した時間配分のとおり、やや多めの時間を確保しておきましょう。(B)の記述問題については、本文を読み始める前に設問に目を通しておくことで、本文を読みながら該当箇所を探すことができ効率が良いことを覚えておきましょう。
攻略のポイント
[読解問題]
読解問題の出来が合否を左右する出題となっています。したがって、読解力向上に向けた取り組みに時間をかけましょう。試験時が60分であることを併せて考えれば、速読能力の向上も必須です。意味のかたまりごとに前から意味をとっていく事ができなければ時間内に設問処理まで含めて解答を終わらせることは出来ないでしょう。句・節ごとに意味をとらえ、ニュアンスの分かるものは日本語に訳さず読み進める力を身につけましょう。
一定レベル以上の英文解釈能力を身につけたら、句・節ごとにスラッシュを入れながら前から訳読み下すトレーニングをしましょう(スラッシュ・リーディング)。最初のうちはやや多めにスラッシュを入れることになるでしょうが、慣れてくればそれほど入れずに前から読み下していくことができるようになります。併せて行いたいのが音読です。一度解き、しっかり復習した英文を用いて、必ず英文音読の時間を設けるようにしましょう。音読することで、強制的に前から読み下す習慣を身に付けることが出来ますし、日本語を介在させなくとも内容が頭に入ってくるようになる英文が増えてくることになります。その際には必ず意味のかたまりごとに内容を把握する意識を持つようにしましょう。漫然と読んでいては効果が半減してしまいます。音源付きの長文問題集であれば、それを利用することでさらに効果を高めることが出来るでしょう。
[文法・語句整序]
大問2で問われる事項は標準的なものであるため、後述のようなインプット系の問題集を一冊完成させれば完答を目指せるでしょう。もっとも、かなり短い時間で解き切ることが要求されることになるため、高い精度で完成させましょう。語句整序が出題される年もあるため、こちらもしっかり対策が必要です。場当たり的な解き方ではなく、他動詞の性質や節の個数を意識した英文の骨組みから組み上げる手順をしっかり確立しておきましょう。
[単語・イディオム・会話表現]
単語レベルは標準的で、英文の素材に医療系のものが出題されることもありますが、医歯薬系の単語を覚えなくてはならないほどの出題はありません。オーソドックな受験用単語帳を1冊完成させれば十分です。会話表現については、対話文読解が毎年出題されるものの、口語表現の知識を聞くというよりは内容把握を問う問題であるのであまり神経質になる必要はないでしょう。もっとも、会話文ならではの特殊性があるので、苦手意識があるのであれば後述の問題集をやっておくと良いでしょう。
推奨テキスト
英文解釈
(1)『基礎英文解釈の技術100』(桐原書店)
英文構造の把握を身につけるための良書です。この1冊を7~8割程度消化したら、あとは速読のトレーニングをすることに注力しましょう。
(2)『ポレポレ英文読解プロセス50』(代々木ライブラリー)
講義仕立てで読みやすく、量も絞ってある分、時間をかけずに終えることが出来るでしょう。(1)をこなす時間がない人はこちらでも良いでしょう。
長文読解
(1)『パラグラフリーディングのストラテジー1・2』(河合出版)
ある程度の英文解釈力が身についたら取りくむべきシリーズで、速読するためのエッセンスが詰まっています。パラグラフリーディングの基本を1で身につけ、2でトレーニングする形です。3もありますが難関国公立向けであるため、こちらについては国公立と併願する生徒向けです。
(2)『全レベル問題集:英語長文5』(旺文社)
(3)『イチから鍛える英語長文700』(Gakken)
(4)『英語長文PREMIUM問題集:Advanced』(東進ブックス)
いずれも音源付きであり、出版も新しいため最新のトピックを知る上でも役に立ちます。ある程度の長さと難易度に慣れるために夏には取り組み始めましょう。
(5)『私立医大の英語(長文読解編)』(数学社)
医療系のテーマに絞った長文問題集です。最新医療の時事問題、医学・生物学など医学部で出題されること多いテーマをバランスよく扱っています。また、イラストを用いて背景知識を説明してくれているページは読み物としても面白いです。長文のレベルにややムラがありますが、医学部受験生はぜひ取り組んで欲しい一冊です。
(6)『過去問』
当然ながら、最高の実践的トレーニングとして最も重要なものです。近年の1年分については、レベル・形式を把握するために早い時期に解いておきましょう。
文法・語法
(1)『頻出英文法・語法問題1000』(桐原書店)
文法・語法系のインプット教材としてはややボリュームがありますが、比較的説明が厚めなので自分で進めやすいでしょう。もっとも、学校などでNEXTSTAGEやVINTAGEなどを利用していれば、これらのテキストもよくまとまっているため、学校の進行に合わせてそれらを使った方が効率はよいでしょう。
(2)『英文法ファイナル問題集[標準編]』(桐原書店)
全10回のテスト形式です。範囲指定のない形で問題が作られているため、知識の定着度を図るのに良いでしょう。語句整序も各回に出題されているため、苦手な設問形式をピックアップして取り組むという使い方も可能です。
単語・イディオム
(1)『速読英単語[必修編]』(Z会出版)
学校使用の単語帳を用いるのが効率的ではありますが、使いづらかったり相性が悪かったりするのであれば、CD音源付きで速読の練習も兼ねられるこちらを利用すると良いでしょう。上級まで回せれば単語力に不足はないでしょう。
(2)『解体英熟語』(Z会)
ボリュームはありますが、テキストの後ろにある前置詞・副詞の整理ノートがよくまとまっており、効率的に覚えられるだけではなく、未知のイディオムもニュアンスを類推することができるようになります。
(3)『システム英単語Premium(語源編)』(駿台文庫)
語源ごとに編集された単語帳です。単語としてはやや難易度の高いものが多いですが、語源については分かりやくまとまっているため、自分の使っている単語帳では覚えにくい単語があるときに参考程度に利用するとよいでしょう。
会話問題
(1)『英会話問題のトレーニング』(Z会出版)
会話問題に苦手意識がある場合に取り組むべき一冊です。ボリュームが多いため、時間がない場合には第3章の会話形式の長文読解25題をやるとよいでしょう。
テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。
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