東京慈恵会医科大学 英語
入試対策と勉強法
特徴と時間配分
出題範囲(分野)
近年の出題には大きな変更が見られ、2017年まで大問として出題されていた文法問題が姿を消し、近年は長文読解が中心となっており、あわせて自由英作文が問われる形となっています。長文の素材は医療系・自然科学系となっており、語彙レベルも高いです。語数は500語程度でそれほど長いわけではないですが、その内容の難易度と試験時間が60分であることを鑑みるとかなり難易度の高い出題となっています。
出題量と時間配分
試験時間は60分と短いです。2020年より長文読解問題が3題の出題となっていますが、そのうちの1題に意見論述型の英作文があるため、その大問には25分強は確保しておく必要があります。残りの30分強を2題で均等に割るのが基本的な戦略になるでしょう。
出題形式
近年は読解問題としては空所補充・下線部同義選択・内容一致などオーソドックスなものと、前述したように大問の1つに意見論述型の自由英作文が問われています。語数は2020~2022までは50~60語程度が想定されていましたが、2023年度より解答欄が大きくなり、120~150語程度の記述が要求されるようになりました。
解答形式
近年は記述式である英作文を除けばすべて選択式となっています。2020年より全問英問英答となっているため、目を通すべき英文は多くなったと言えるでしょう。また、設問指示も日本語の時以上に注意を払って読み取らないと勘違いしてしまうものもあるため注意が必要です。英作文は意見論述型となっているため、本文を読む前に必ず設問を読み、本文を読みながら内容を考え、合わせて利用しやすい表現も探しながら読んでいくことで英作文にかかる時間を減らすことができるでしょう。
攻略のポイント
単語・イディオム
難易度の単語も注釈がついていないため、受験レベルの単語集・テキストであればレベルの高いものまでやっておきたいです。また、単語力を付けておくことで長文問題において類推する箇所を減らし速読レベルを揚げることが出来ます。他の受験生のレベルを考えてみても標準レベル以上の単語集をしっかり身につけておきましょう。
読解問題
読解問題の比重が高まったため、これまで以上に読解力向上に向けた取り組みが必要です。前述のとおりかけられる時間は少ないため、速読能力の向上も必須です。意味のかたまりごとに前から意味をとっていく事ができなければ時間内に設問処理まで含めて解答を終わらせることは出来ません。句・節ごとに意味をとらえ、ニュアンスの分かるものは日本語に訳さず読み進める力を身につけましょう。
一定レベル以上の英文解釈能力を身につけたら、句・節ごとにスラッシュを入れながら前から訳を読み下すトレーニングをしましょう(スラッシュ・リーディング)。最初のうちはやや多めにスラッシュを入れることになりますが、慣れてくればそれほど入れずに前から読み下していくことができるようになります。併せて行いたいのが音読です。一度解き、しっかり復習した英文を用いて、必ず英文音読の時間を設けるようにしましょう。音読することで、強制的に前から読み下す習慣を身に付けることが出来るうえ、日本語を介在させなくとも内容が頭に入ってくるようになる英文が増えることになります。その際には必ず意味のかたまりごとに内容を把握する意識を持つようにすることが大事です。漫然と読んでいては効果は半減します。音源付きの長文問題集であれば、それを利用することでさらに効果を高めることが出来ます。
医系テーマを扱った読解問題も出題されるためそれらのテーマを扱った英文も読んでおきましょう。
自由英作文
まずは英文エッセイの基本的な構成・書き方を身に付ける必要があります。Introduction(導入・主旨)→Body(内容)→Conclusion(結論)という3部構成をおさえ、それぞれのPartの内容を書くにあたっての典型的なフレーズを身につけておくことで、現場では純粋に内容面のみを考えることが出来ます。書きたい英語ではなく、書ける英語、論理を一貫させられる内容を選択するのも重要です。いずれにしても実際に手を動かして書くトレーニングを重ねましょう。
推奨テキスト
英文解釈
(1)『英文解釈の技術100』(桐原書店)
英文構造の把握を身につけるための良書。この1冊を7~8割程度消化したら、あとは速読のトレーニングをすることに注力しよう。
(2)『ポレポレ英文読解プロセス50』(代々木ライブラリー)
やや勉強が進んでいる生徒向けとなっていますが、講義仕立てで読みやすく、量も絞ってある分、時間をかけずに終えることが出来ます。ポイントが絞られている分、説明の物足りなさを感じるところがありましたが、現在は筆者の西先生のYouTubeチャンネルでテキストの講義授業を受けられるため使い勝手がよくなっています。
長文読解
音源付きであり、出版も新しいため最新のトピックを知る上でも役に立つものをあげました。パラグラフリーディングの理解や設問形式ごとの解き方、英文エッセイの構成などまで説明されているテキストでもあります。いずれも問題を解くだけでなく解説までしっかり読み込みたい教材です。
(1)『The Rules英語長文問題集3・4』(旺文社)
(2)『英語長文ポラリス2・3』(KADOKAWA)
(3)『全レベル問題集:英語長文6』(旺文社)
(4)『イチから鍛える英語長文700』(Gakken)
(5)『英語長文PREMIUM問題集:Advanced/Top』(東進ブックス)
(6)『私立医大の英語(長文読解編)』
医療系のテーマに絞った長文問題集。最新医療の時事問題、医学・生物学など医学部で出題されること多いテーマをバランスよく扱っています。また、イラストを用いて背景知識を説明してくれているページは読み物としても面白いです。長文のレベルにややムラがありますが、通常の問題集では扱われないテーマに触れられるので目を通しておくとよいでしょう。
単語・イディオム
(1)『速読英単語[必修編・上級編]』(Z会出版)
学校使用の単語帳を用いるのが効率的ではありますが、使いづらかったり相性が悪かったりするのであれば、CD音源付きで速読の練習も兼ねられるこちらを利用すると良いです。上級まで回せれば単語力に不足はないといえます。
(2)『解体英熟語』(Z会)
ボリュームはあるが、テキストの後ろにある前置詞・副詞の整理ノートがよくまとまっており、効率的に覚えられるだけではなく、未知のイディオムもニュアンスを類推することができるようになります。
(3)『システム英単語Premium(語源編)』
語源ごとに編集された単語帳。単語としてはやや難易度の高いものが多いが、語源については分かりやくまとまっているため、自分の使っている単語帳では覚えにくい単語があるときに参考程度に利用するとよいでしょう。
英作文
(1)英作文ハイパートレーニング自由英作文編(桐原書店)
自由英作文の構成の仕方、基本フレーズを修得することが出来ます。本校を受験するのであるならぜひ取り組んで欲しいテキストです。
(2)英作文のトレーニング[自由英作文篇](Z会出版)
やや(1)と説明の仕方が異なるところがあるものの、学習した手順をさらにこちらで深めることが出来ます。
テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。
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